お話

日々思いついた「お話」を思いついたまま書く

ブラックジョーク『名医ハリー・67』

2020年02月27日 | 名医ハリー(ショートショート)
331
「ハリー先生、どうしてわしの執刀医が先生なんですか? わしは生きたいんだ! まだまだやる事があるんだ!」
「そうはおっしゃいますが、これは奥様からのたっての希望なんですよ。もう良いんじゃないかって……」


332
「スミスさん、ハリー先生かアリス先生の手術しか受けたくないって言ってるのよ」
「奥さんが切り換えた保険によると、手術失敗時にはお金が下りないらしいわ」
「ささやかな抵抗ってわけね」


333
「ねえ、看護師のお姉さん。手術してもしなくても助かる確率が同じだったら、どうしたら良いのかしら?」
「大人になると、同じ条件なら少しでも気持ちいい方を選ぶものなのよ、メイベルちゃん……」


334
「あなたみたいな口うるさい人は病気になっても手術なんか不要ね!」
「どうしてよ!」
「助かったら助かったでやっぱり口うるさいし、死んだら死んだで化けて出て来てやっぱり口うるさい幽霊になるからよ!」


335
「アリス先生、どうしてわしの執刀医が先生なんですか? わしは生きたいんだ! まだまだやる事があるんだ!」
「そうはおっしゃいますが、これは奥様からのたっての希望なんですよ。最後は良い思い出を持ってほしいって……」


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