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大怪獣オチラ 対 宇宙怪獣モヘラ  拾壱

2008年03月16日 | オチラ 対 モヘラ(全27話完結)
 爆撃機の爆音がオチラの頭を擡げさせた。近付いてくる爆撃機に向け、雄叫びを上げた。
 爆撃機はアーリー・オットールコーウェン大佐が一人で操縦していた。アーリーは反対派によって暗殺されたガブリエル・オットールコーウェン卿の実子だった。亡き父の、また、ロンドンを破壊されたイギリス国民の恨みを晴らすため、志願した。イギリス国中、いや、世界中がその成功を期待していた。
 アーリーは父と共にオチラを研究し、オチラの知能や身体能力などを熟知している。そのため、作戦成功の確率はそれほど高いものではない事を知っていた。オチラが口から吐く光線が爆撃機に当たれば、あっさりと爆発するだろう。しかも、オチラの能力から判断すれば外す確立は少ない。アーリーが単独で任務に当たる事にしたのは、万が一作戦が失敗した場合、人的被害を最小限に抑えるためだった。
 オチラは爆撃機に向かい光線を吐いた。オットールコーウェン大佐は巧みな操縦で光線を避け、射程距離へオチラを捉えた。
 オチラの弱点である腹部に照準を合わせる。爆撃機の下部の中央の一部が左右に開き、小型ミサイルが一基現われた。発射ボタンを押す。と同時にオチラが光線を吐いた。
 発射されたミサイルが空中で破壊された。オチラは瞬時に爆撃機の攻撃法を予測したのだ。砕け散ったミサイルはオチラの足元に散らばった。
 爆撃機を旋回させ、再び体制を整え、攻撃を加えた。今度は命中直前にオチラは手で払い除けた。完全に見切られていた。
 オットールコーウェン大佐は残りのミサイルが後一基しかない事を知っていた。今の攻撃方法ではかわされてしまうだろう。大佐は決断をした。
 爆撃機の機首をオチラに向けた。オチラが吼えた。光線を吐く。
 爆撃機が炎に包まれた。大破しながらもオチラに向かって行く。爆撃機はオチラに激突した。その際、爆撃機に搭載していたミサイルも爆発をした。
 もうもうとした黒煙が舞い上がり、オチラを包み込んだ。黒煙はオチラのみに効果のある神経ガスだった。爆撃機の爆発によりできた傷口からもガスが滲み込む。オチラが苦痛の叫びを上げた。しばらくもがいていたが、動きが緩慢になっていった。
 オチラは現われた地割れの中へ倒れ込むように落ちて行った。

次回「大怪獣オチラ対宇宙怪獣モヘラ 拾弐」を待て。



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