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「ぼくらのよあけ」感想

【ネタバレ】

◎「ぼくらのよあけ」

 「団地発、宇宙行き」
 「きみを、待っていた。」
 「あの日、待っていた未来が、始まった。」


 2022年10月21日(金)公開、監督は黒川智之、脚本は佐藤大、原作は今井哲也、120分。
 総合評価は、上中下で中くらい。普通に楽しむことは出来るでしょうけれど、朝アニメや夕方アニメをほとんど見ない深夜アニメ好きの私には、それほど楽しめるというほどではありません。キャラデザインからして深夜アニメっぽさはないです。
 まだ買っていないと思って間違って2枚目のムビチケを買ってしまったので、2回見ましたが、1回でいいかな。

 沢渡悠真(小学4年生)(cv杉咲花)、ナナコ(家庭用オートボット(AI))(cv悠木碧)、岸真悟(小4、同じ団地に住んでいて悠真の友達)(cv藤原夏海)、田所銀之介(小6、同じ団地に住んでいて悠真の友達)(cv岡本信彦)、河合花香(小6、岸わこ等のクラスの女子全員に無視されている)(cv水瀬いのり)、岸わこ(慎吾の姉)(cv戸松遥)、二月の黎明号(異星から来たAI)(cv朴璐美)のほか、幼馴染で今は大人の沢渡はるか(悠真の母)(cv花澤香菜)、沢渡遼(悠真の父)(cv細谷佳正)、河合義達(花香の父)(cv津田健次郎)など。

 杉咲さんは俳優ですが、声優は人気と実力が共に備わったおなじみの声の人を集めたという感じは安心感でもあります。
 (若手声優はCOVID-19もあってか少しばかり伸び悩んでいるという噂も(大勢が集まってのアフレコができないので先輩達を見て勉強をするということがしにくいこと、テープオーディションの次の段階の集まってのオーディションに呼ぶ人数が減っていると推測されるので新人を起用する場合が減っている可能性があること。)。)

○2049年の夏の物語。1万年と2千年かけて地球に調査にやってきたものの宇宙船(とAI)が難破して地球にとどまり、それを悠真らが宇宙船が動けるようにしてAI(と宇宙船)を帰そうというもの(つまり、最初から「いわゆる」生命体は乗っていない。)。
 宇宙船を地球から打ち上げるエネルギーが大量の水道水というのは、水エネルギーすげー、と思いつつも、子供でも比較的簡単かつ安全に手に入るものだからでしょう。団地30棟分の水を、団地1棟分の宇宙船の何処にどう格納したのか、格納していないとしても他の団地の建物の水をどうやって飛び立つ時のエネルギーに替えたのかというのは謎ですが。

・帰るにあたっては太陽系の各惑星でスイングバイをして加速すると言っていたので、ワープは出来ないということでしょう。一定程度まで加速しないとワープできないという設定かも知れませんが、それなら1万年と2千年もかからないと思うので、ワープは出来ないのでしょう。
 水にそれだけのエネルギーがあるというフィクションよりも、ワープができるという方がフィクション度が高いですからね。(でも、ナナコはずっと浮いているんですよねえ。イオン風で飛んでいる設定ですが、そこまでの推進力があるのかなあ。)

 そもそも、AIですから調査結果やAI自身を電波とかにして母星に飛ばせば光速で情報伝達ができるのですから、1万年と2千年より早く母星に到着できます。地球まで宇宙船を飛ばすことが出来るのですから、そういう科学技術力がないはずはないと思うのですが、そこは触れられていません。子供達がAI(と宇宙船)を母星に帰すという物語が主です。

・最後で、貯水棟と二月の黎明号がいる団地の1棟を糸でつなぐためにペットボトルロケット(悠真が作り、他の生徒のものより遠くに飛べる。)とそれに内蔵のドローンでつなぎました。しかし、直線距離で80メートル程度ですから、人間が走ってもいいですし、ドローンだけを使ってもいいですし、空を飛べるナナコがつないでも良かったはずです。
 ドローンを使ったのは、真悟と悠真が喧嘩したみたいになっていたので、仲直りのためと、ドローンの操縦が得意な慎吾の活躍のために必要だったのでしょうし、ペットボトルロケットとドローンの両方を使うことにより仲直りの演出としても必要だったということでしょう。
 なお、二月の黎明号の発射準備でナナコは忙しかったとは言えますし、悠真とナナコも喧嘩中でした(その後、悠真とナナコの仲直りのシーンもある。)。

○ナナコのような地球のAIロボットは嘘をつけない仕様になっていると説明がありましたが、ナナコは嘘をつきました。AIが仕様に反したことをできるようになるというのも、現実のAIにもあり得ることなのかまでは分かりません。
 (仕様で命じたことを達成するために仕様に反することをしなければいけなくなるという矛盾する事態になったらどう判断し行動するのか、というのは面白いところです。自動運転の車では、そういう事態を想定し検討されているはずです。)

 ナナコが意思を持つようになった理由や仕組みは謎ですし、持った結果としてどうなるかというのも謎です。システムとしては、意思を持ったような状態になるとソフトの更新を求められ、更新すれば直るようです(但し、それまでの記憶も無くなる。)。が、ナナコは自らの意思で、システムから毎日催促されるソフトの更新をしないことにしました。
 ということは、交通事故で多数が死んでいる車や情報漏洩を防げないパソコンのように、便利なので使わないということにはならないが、よりコントロールを強める、ということで利用していくしかないのでしょう。

○悠真がガキで幼稚で、さすが小学生、でした。現実の子供って、このくらいガキで幼稚なのは珍しくないのかどうかまでは分かりません。
 一方、AIとの約束を破って、コア3つを別々に保管して27年間も放っておいて、宇宙に帰すことをしなかった大人3人(悠真の両親と花香の父。)というのも似たようなものです。団地の屋上で告白してきた河合義達、はるか が断り、その時に事故で屋上から落ちて杖を使って歩くようになった河合義達、それでということなのでしょうけれど(木の枝にあたって落下速度が落ちたので死ななかった、ということのようです。)。27年経っても先へ進めない大人というのもねえ。
 (大人達の27年前(=2022年)ですが、中学生でした。なお、コアの保管場所が、花香の部屋のクローゼットの中の普通の箱の中だったり、沢渡はるかが悠真から一度取り上げた2個についても箱に入れて室内の高いところに置いただけであり、いずれも簡単に手に取れる場所に置いたというのも子供が見つけやすいようにというご都合主義では。)

 子供達がAIを帰したいと強く思って、こっそりと行動し、最後は大人3人も後押ししますから、そこで大人達もようやく先に進めたのでしょう。その辺はあっさりと描かれています。もとより本題ではないからでしょう。

○同じ公立小学校なのに花香はバスで悠真らの住んでいる阿佐ヶ谷団地に来ました。少子化で公立小学校の統廃合が進んでいるということか、自転車がないか乗れないのでしょう。

○12,000年だったので、アニメ界隈では言わずと知れた「創聖のアクエリオン」(2005年春夏アニメ)の「創聖のアクエリオン」の「一万年と二千年前から愛してる」の歌詞を思い出しましたが、それが狙いなだけかなあ。

 地球から12,000年で行けるような惑星(知的生命体が住める可能性の有無にかかわらず。)なんて、どのくらいあるのかなあ。ボイジャーの速度ではその時間では太陽系外の惑星には到達できないらしいですから、本作の宇宙船はかなりの速度なのかと思いきや、太陽系を出るまでの時間からしてかなりの速度とは言えないような。比較的近くに惑星があるという設定なのでしょう。
 12,000光年だと、諸説あるようですが、知的生命体が住む惑星がある可能性もあるようです。

○公式HPから。
「"未来が待てなくなる"本格SFアニメ、誕生。
近未来の団地を舞台に描かれる、いつか見た日常と、忘れられない冒険。誰かと出会い、繋がり、知る。その痛みと喜びを描いた、感動のSFアニメーション。」

「頼みがある。私が宇宙に帰るのを手伝ってもらえないだろうか?」

「2049年、夏。
阿佐ヶ谷団地に住んでいる小学4年生の沢渡悠真は、間もなく地球に大接近するという"SHⅢ・アールヴィル彗星"に夢中になっていた。そんな時、沢渡家の人工知能搭載型家庭用オートボット・ナナコが未知の存在にハッキングされた。
「二月の黎明号」と名乗る宇宙から来たその存在は、2022年に地球に降下した際、大気圏突入時のトラブルで故障、悠真たちが住む団地の1棟に擬態して休眠していたという。
その夏、子どもたちの
極秘ミッションが始まったーー」


【shin】


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