最初に余談です。
性的な行為を経て自分を産んだ親ですが、その親以外の者と強い絆を結ぶことになる自らの性的な行為は、単に付き合うことよりも強い、精神的な親殺しの行為という面もあります。
勿論、これが親殺しにならない人もいるでしょうし、親殺しの方法は他にもありますが(家出、反抗、親に隠し事をする等々)。
親殺し、つまり、精神的な親離れ、精神的な親との別れです。
別れのときに涙が出るのはごく自然なことです。
でも、大人になるために、自立&自律するために、思春期には精神的親殺しが必要です。
親離れができないと、、、、、いろいろ、良くないですよね。
子離れできない親の話、子供に親離れさせない親の話は、以前のに少しだけ書いています。
http://yaplog.jp/shin99shin/archive/181
さて、話をアニメに戻して。
「君と僕。2」の中学生の間宮杏子(cv.原紗友里)は、まじめに彼のことが好きで、一緒にいられるだけで幸せという、そういう恋愛。そこは、まだ中学生というところ。
ただ、キスをしてから、そこは変わったかも。
中学生とは言え、間宮は友人関係が良さそうな、普通の感覚の持ち主のようなので、キスやそれ以上のことがどのような意味を持つかは、ある程度知っているのでしょう。
それをするのは、嫌われたくないからなのか、自分も嬉しいことと気付いているからなのか、好奇心なのか。
そこは、キスをしてからは、嫌われたくないという気持ちよりは嬉しいとか好奇心の方が勝っているのではと推測しますが、松岡に胸を触りたいと言われたときの間宮の驚きからすると、自分ではそこまでは、まだ認識(意識化)できていないと思います(まだ無意識の状態)。
「謎の彼女X」の高校生の卜部美琴(cv.吉谷彩子)は、間宮よりは自分の意思を持って、自分の考えで行動すると。
こう書くと格好良いですが、単に、恋愛や他人と仲良くすることが分からない、知らない、する気がないだけで、そういう意味では、実は間宮より子供な卜部。
なお、キスしたり抱きついたりをしたいと言う椿に対して、強く断り続けていることから、それらがどのような意味を持つのかをそれなりに知っていることが伺えます。
知っているからこそ、して良いものなのかどうかについて、友人もいないし、これまでは異性と付き合ったこともない卜部には判断材料が無く、相談することもできず、そして、拒絶することしかできないのでしょう。
一方、両方の彼も、勿論まじめに彼女のことが好きですが、最初は一緒にいられるだけで幸せだったけど、だんだん、それだけでは物足りなくなり、もう少しHなこともしてみたいという、正に男子中学生であり男子高校生。健全な思春期の少年ですよ。
思春期に性欲がなかったら、あるいは、性欲をあまりに抑圧しすぎたら、大人になって過度な、変な方向に行きかねないですし、あるいは、その抑圧が他人や自分への攻撃という暴力に行きかねないですから、程々には必要です。
ところで、性的なことはすべからく、少なくとも未成年のうちは、慎むべき事、あまり良いことではないという感覚が、欧米に比べると日本人には、更には男性よりは女性に多いようなので、それでも徐々に緩くなってきているとは思いますが、そういう無意識を背景として、未知の感覚への戸惑いが卜部と間宮の2人(+男(椿)1人)に涙を流させたのでしょう。
人間は、未知のことや体験や感覚などには、恐れや畏れを感じることがありますから。
そこに、中学生や高校生がすることが倫理的に正しいのかどうか自信が持てない性的なことがからむと、涙の一つくらい、出ても不思議ではありません。
(あとは、精神的な親殺しへの本能的なためらい。)
因みに、性的なことへのためらいの感覚が本能的なのか、親や社会などの雰囲気や言動あるいは教育などにより刷り込まれたのかについてはどうなのでしょうか?
人間の三大欲求は、食欲、睡眠欲、性欲と言われるから、となると性的なことを本能的に避けているとか、本能的に忌むべきものと思っているとは考えにくいので、本能ではなく後天的なもの、つまり、広い意味での教育によるものでしょう。
中学生の間宮は、友達関係など、周囲から程良い影響を受けたのか、その辺は普通の感覚な感じ。
ただ、まだ中学生だから、未知の感覚、未知のことが多いと。
高校生の卜部は、体がある程度大人であることから性的に感じてしまい、しかし、その辺にはとんと疎いので、その未知の感覚が何なのかが分からず、何故なのかが理解できていないと(男子向けアニメだから感じているところを明確に描いただけの、ある種の視聴者向けサービスかも知れませんが)。
ただ、イヤな感覚ではないことは、それこそ本能的に分かったと。
12話では、卜部は、自分もHであることに気付き、椿に抱きつかせて、自分も椿にくっつきたかったと頬を染めて言って、逆に椿を驚かせたりしていて。最近できた同級生の友人の歩子(cv広橋涼)の影響も受けて、卜部も成長したわけで。
更に13話(最終話)では、街でみかけた椿の姉に自分から挨拶し、椿のお見舞いに来ていたことを思い出した姉にお茶に誘われたり。
また、椿と2人で椿の母親の墓参りに行って、幼児期に死んだ母親の記憶を確かめるために墓に手を当てて互いのヨダレを指に付けてなめ合ったり。
母親の墓前でそんなことはちょっとした不謹慎だったかもと照れながら言う椿に対して、卜部は、これから先、もっと不謹慎なことをすることになる、と笑顔で言うと。
もう、結婚するぞってくらいの気持ち、遠くないうちにHしましょ、って言っているも同然の卜部です。
さて、自分もHであることを実質的に口に出した卜部と、口に出していない間宮を比べると?
高校生と中学生という年の差なのか。
もともと自分の考えは口に出す卜部と、おとなしめの普通な間宮という性格の差なのか。
なんか、結果だけみれば間宮がしたたかに見えてしまいますが、現実世界では間宮のような女子の方が多いのでは。
つまり、アニメやキャラの現実感が「君と僕」の方が比較的高いので、ギャグなのかと思われかねない「謎の彼女X」の卜部と比べると、残念ながら、そんな結論にもなるでしょう。
間宮も卜部も悪く言うつもりはないので、なんか、収拾が付かなくなってきたので、最後に一言。
高校生カップルは、相手のことを「椿くん」、「卜部」と呼んでいます。
中学生カップルは、「松岡」、「間宮」と呼んでいます。
そう言えば、小学生の頃は周りも異性の同級生は呼び捨てでしたが、中、高と進むにつれ、新たに知り合った異性に対しては、回りも含めて呼び捨てにすることって減っていったような気がします。
やっぱり意識するようになるんでしょうなあ~。
青春だなあ~。
コメント一覧
shin
ざっく
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