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「よだかの片想い」感想

【ネタバレ】

◎「よだかの片想い」

 「あなたに、私の左側にいてほしい」

 2022年9月16日(金)公開、監督は安川有果、脚本は城定秀夫、原作は島本理生、100分。

 総合評価は、上中下で上くらい。

 (not) HEROINE moviesのシリーズは2作目、前作「わたし達はおとな」(2022年6月10日公開)の方が好みですし良かったですが、本作も良かったです。次作「そばかす」は2022年12月16日(金)公開予定です。

 出演は、松井玲奈(前田アイコ役)、中島歩(飛坂逢太)、藤井美菜(ミュウ先輩)、織田梨沙(まりえ)、青木柚(原田)、手島実優(城崎美和)、三宅弘城(安達)など。

 新宿駅東口から直ぐの新宿武蔵野館にて。









○アイコは、これが初恋で、告白されたこともお試しデートをしたこともないと思われるのですが、直ぐに飛坂に惚れたのはあり得るなとは思いましたが、飛坂の好意を直ぐに受け入れ、直ぐにキスしてHしたのは、何故だろうかと。
 自分のことを本にして、顔写真のアップを表紙にして、そもそも、化粧をしてアザを隠すこともしなければアザを見えにくくすることもしていないので、コンプレックスがあまりないからなのかなと思って見ていました。
 とは言え、左頬にアザがあるので、左側に他人が来ることを避けるようにしているのですからコンプレックスはあるわけで、やはり、何故だろうかと。
 アイコが「あなた(飛坂のこと。)なら、私の左側を否定しないと思ったから」と言っているように、飛坂がアザをほとんど気にしていないからということかなと思って見ていました。
 最後の方で、化粧を教えてもらい、化粧でアザがほとんど隠せると知って嬉しそうにしています。

 あまりコンプレックスには感じていなかった(「あまり」であって、コンプレックスには感じている。)、飛坂が信頼できると思った、ということかなと。

○善意であってもあまり気を使われるのも却って傷つくというような意味のことをアイコは言っていますが、どの程度までが大丈夫かは人により異なるのでは。
 だとすると、それは言ってくれなければよくは分かりませんから、アザには何も触れないか、うやむやな事しか言えなくなります(障害であっても同じ事です。)。はれものに触るような感じです。

○アニメだとフィクション性が高まるのでめんどくさい女でも好きになる場合がありますが、実写だとちょっとねえ。現実で、恋愛面でめんどくさい女は嫌いです。アイコは、恋愛面でめんどくさい女でした。

・アイコは、飛坂の映画でのアイコ役が美人の城崎美和と知って戸惑っていますが、美和が飛坂と付き合っていたのではという思いだけではなく、顔に大きなアザがある役を美人がやることにも戸惑っていたようです。アイコも、美人と言うか可愛いと言うかは別として、そういう部類の顔だと思って見ていたので、私が戸惑いました。アイコは美人等の部類の顔ではないという設定なのか、アイコ自身の自己評価が低いだけなのか、そこは分かりませんでした。

最後にアイコ(とミュウ先輩)が屋上でダンスするシーンは世評が高いですし、それは大いに理解できますが、アイコはもう少し下手というかぎこちないというかの方が良かった気がしませんか?。クラブとかのダンスをする場所に行ったことはないでしょうし、あそこで教えられていたので以前にダンスをしたこともないのでは。普通にサマになっていたので、(初めてでもできる人は出来ますからあり得ない事ではありませんが、)少し不思議に思いました。
 それだけ、世間が障害へどう対応してくるかなどへのアイコの理解が深く、今後生じることへの覚悟が確かで、この先は概ね順調だということを表したいということだと解釈しましたが、そこまで順調にすすむのかなあと思った次第

○男女問わず、初対面では主として外見で判断し、話していくうちに内面も見えてくる、というのはよくあることですが、本作は内面をより重視していきましょうとまで言っているのかどうか。(外見ばかりで判断しないようにとは言っていますが、)そこまでを積極的に言っているのかと言われると、積極的には言っていないような。アイコは最後は化粧をしてアザをほぼ隠せて喜んでいましたし。
 自分なりに生きていく、とは言っています。

○公式HPから。
 「自分と距離を置くアイコ。まっすぐ心に入ってくる飛坂。
 近づくほどに苦しくて、遠のくほどに愛おしい――。
 理系大学院生・前田アイコ(松井玲奈)の顔の左側にはアザがある。幼い頃、そのアザをからかわれたことで恋や遊びには消極的になっていた。しかし、「顔にアザや怪我を負った人」をテーマにしたルポ本の取材を受けてから状況は一変。本の映画化の話が進み、監督の飛坂逢太(中島歩)と出会う。初めは映画化を断っていたアイコだったが、次第に彼の人柄に惹かれ、不器用に距離を縮めていく。しかし、飛坂の元恋人の存在、そして飛坂は映画化の実現のために自分に近づいたという懐疑心が、アイコの「恋」と「人生」を大きく変えていくことになる・・・。
 本作は、アイコと飛坂との恋愛を切ない距離感を感じるラブストーリーのみならず、アイコが自分の人生と向き合い、前に進んでいく様をも繊細に描き出す。そんなアイコの姿は、誰もが抱える弱さと響き合い、その弱さを新しい視点で見直し、アイコと共に一歩前へ踏み出す力を与えてくれるはずだ。世代や性別を超えて幅広く、静かに、でも確かに、心に響く傑作が誕生した。」


【shin】


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