塩川昇 Performance Report

塩川昇 ライブのセットリストとオーディエンスからの感想

7月27日 高円寺ALONE

2006-08-06 13:58:46 | Weblog

≪セットリスト≫
週末
裸の王様
ハヤブサ
少年とナイフ
スケアクロウ
トビラヲアケロ
くだらねえ
It's All Right



~洒落芝居~
酒を飲んで管を巻く男に、「もうあきらめろ」「女々しいんだよ!」「だから振られちゃうんだよお前は」と諭す。
でもその投げかけは誰に対して?あいつ・・?自分自身・・??

①週末・・気がつくともう長いこと歌っている曲。のぼの中で
夜中と酒が似合う曲のなかのひとつ。
スローテンポなので1曲目に持ってくるのはどうかと思うときもあるが、それはスリリングな
2曲目の布石なのだ。

②裸の王様・・始めて聴く人にとってはギクッとする「裸の王様・・・お前だよ」のフレーズ。
聴き込んでいる者にはそのタイミングを待ちわびるかのような感覚もある、突き刺すような台詞。
以前、この曲のJAZZバージョンを披露した事があるが、筆者は残念ながら聴いていない。
是非再演をお願いしたい。

いつもの明るい挨拶から・・
③ハヤブサ・・最近の のぼナンバーでは最も明るい、自転車をテーマにした曲。
聴くほうものほほんと聴いてしまえるが、実は裏に深い比喩があったりしたら面白いかも。
そして、怖いかも。
自転車→漕ぐ→繰り返し→永遠→日々の生活→ジレンマ・・・・・・・・・・・

④少年とナイフ・・
横ノリのストロークから始まり、ダッシュをかけるかのようなリズムチェンジ。
のぼ にとっていつも欠かさず披露する曲ではないが
昨今、痛ましい事件が多発することから、ここで再び持ってきたのか・・
人生は「死ぬまでの暇つぶしか?」という問いかけは、
少年のみならず大人の撓んだ心にも突き刺さると思う。
のぼは曲を叫び、ALONEオーナー:井上氏は同時に音響と照明で
観客にメッセージを放つ。

④スケアクロウ・・フリーテンポで曲に入る。
こうもり傘を天にかざしたまま、動けない自分を
スケアクロウ(かかし)に例える のぼ。
優しく、切ない、且つメロディアスなナンバー。
塩川昇って、どんな曲演ってるの?の聴かれたら
まず聞かせたい曲のひとつ。

⑤トビラヲアケロ・・ミュートカッティングから16ビートに入る。
動けないのか?動かないのか?
鍵を開けるのは自分じゃないのか?
曲がりくねった道
戦闘機も戦車もミサイルも、神様じゃない。
のぼの曲の中で、もっとも弾き語りなのに
弾き語りを感じさせないハードな楽曲。
エンディングは、心臓の鼓動のようにカッティングが照明と共に去っていく。

⑥くだらねえ
男が男に抱きしめられても気持ちよくはない。
でも、格好つけても、甘えないと生きていけないとこあるからね。
と語る のぼ。
私は未だに男が「甘える」という感覚が、正直理解できないのだが
-納得できない、のではなく、只『わからない』という意味-
もしも甘えることが出来たなら、ひとつ本当の自分を曝け出すということだろうから
それは、お互いの信用、ということなのだろうか。


⑦It's All Right
観客をコーラスに巻き込んでのエンディング。
「コール、アンド、レスポンス!
略して、ラブ、アンド、ラブ」
なんでやねん!!とツッコミ入れたくなるがそれはさておき。
いつも思うが、この曲は聞くたびにどこかビートが変化している。
曲の進化なのか。
あとは、いろんな気持ちを乗せているから?




今夜も、
ステージ狭しと駆け回る(44マグナムではありません)のぼに、
ワイヤレスシステムを勧めたいと感じた夜でした。


文:塩川昇公式サイト 管理人