塩川昇 Performance Report

塩川昇 ライブのセットリストとオーディエンスからの感想

8.18 高円寺ALONE

2006-08-19 18:28:00 | Weblog


「のぼ企画」高円寺 HONKY TONK NIGHT vol.4
≪出演≫
塩川 昇(vo,g)
井上ともやす(vo,g)
大久保雅永(vo,g)
同時開催:井町直紀 ステンドグラス展

2番目に登場した大久保雅永さん。
のぼに比べると衣装も自然体。
パフォーマンスは演者からガンガン攻めて来るタイプではないのですが、
とにかく巧いのです。
ギターもボーカルも。
声の響き、ギターの鳴りを
いつまでもいつまでも聴いていたい、
癒しの波に浮いているかのような時間でした。


3番目。トリを務めた井上ともやすさん。
ホームページを見たこともあるし
音源も聴いたことがあります。
御名前は15年位前から存じ上げています。
でも、ライブを観るのは今回が初めてでした。
ファンの方にとってはもう御馴染みなのでしょうが
私は初めて体験しました。「どこへ行くアメリカ」
聴いていて曲の長さを感じない。メッセージとして共感できました。
また単純に楽曲として格好いいのです。
フォーク。だけど古くない。懐かしソングじゃない。
21世紀だからできる、アコースティックギターを使った曲。
そんな風に感じました。












この日はオープニングアクトの のぼ。
紫のシャツにブーツカットのジーンズ。
茶色のブーツといういでたちで
最初にステージに上った。


・悲しみブルー
今日もG。vo。共に絶好調。
先週の体調不良から完全復活。


・Bird・・青い照明の迫る中、空高く舞うようなイメージのこの曲を歌う。
明るい調子の作品なのに、何故かこの日は哀しみ見ようなものが見えたのはなぜだろう。


MC・・最近MCは回数が少なく、また短い のぼ。
曲の雰囲気作りを妨げないために意図的に短くしているのだろうか?


・ハヤブサ・・照明は黄色系に変わり、リラックスした感じで歌う。



・スケアクロウ・・エレアコを短くスタッカートのようにミュートしながら引くこの曲だが
今日は特に音響との相性が抜群。
やがて終わりのフレーズが近づき左右から、正面から、バックから当てられていた照明が
ひとつ、またひとつ小さくなっていく。
これはもしや・・・・・・・・・・


・トビラヲアケロ・・来た!やっぱり来た!!
あれが悪い?これが悪い?と。
ワインディングロード。と
トビラヲアケロ!と。   Vo.にリバーブが覆いかぶさり、伝えたい気持ちを増幅させる。
演奏するのぼの影が、ステージの天井で体を振るわせる。
ギターの胴鳴りが小さくなり・・
スポットライトが消え・・
ステンドグラスの灯火が見えなくなっていく・・。



・雨が街を洗う日に
全力疾走したあとに、トラックを流すようにHarpを鳴らす。
ふとすると流されてしまいそうな日々の生活を
自嘲気味に奏でる。
よく、「引きのヴォーカル」「抑えたヴォーカル」という言い方があるが
この曲は
「引きのカッティング」だと思う。


ズック
以外にも、「It's All Right」ではなくこの曲で締めるのぼ。
だが 今日は楽しかったよ! という雰囲気を
曲で演出した風にも見えた。


今回はオープニングアクトに徹していた のぼ。
しかし、トリの井上さんとはHarpで競演。
最後にはステンドグラスを製作した井町さんにマイクを向ける。


イベントプロデューサーとして、常に試行錯誤を続け、
時には悩むこともあるかとは思う。
でも、これからも彼への応援を止めることはないと思う。
次回のライヴも是非期待したい。

7月27日 高円寺ALONE

2006-08-06 13:58:46 | Weblog

≪セットリスト≫
週末
裸の王様
ハヤブサ
少年とナイフ
スケアクロウ
トビラヲアケロ
くだらねえ
It's All Right



~洒落芝居~
酒を飲んで管を巻く男に、「もうあきらめろ」「女々しいんだよ!」「だから振られちゃうんだよお前は」と諭す。
でもその投げかけは誰に対して?あいつ・・?自分自身・・??

①週末・・気がつくともう長いこと歌っている曲。のぼの中で
夜中と酒が似合う曲のなかのひとつ。
スローテンポなので1曲目に持ってくるのはどうかと思うときもあるが、それはスリリングな
2曲目の布石なのだ。

②裸の王様・・始めて聴く人にとってはギクッとする「裸の王様・・・お前だよ」のフレーズ。
聴き込んでいる者にはそのタイミングを待ちわびるかのような感覚もある、突き刺すような台詞。
以前、この曲のJAZZバージョンを披露した事があるが、筆者は残念ながら聴いていない。
是非再演をお願いしたい。

いつもの明るい挨拶から・・
③ハヤブサ・・最近の のぼナンバーでは最も明るい、自転車をテーマにした曲。
聴くほうものほほんと聴いてしまえるが、実は裏に深い比喩があったりしたら面白いかも。
そして、怖いかも。
自転車→漕ぐ→繰り返し→永遠→日々の生活→ジレンマ・・・・・・・・・・・

④少年とナイフ・・
横ノリのストロークから始まり、ダッシュをかけるかのようなリズムチェンジ。
のぼ にとっていつも欠かさず披露する曲ではないが
昨今、痛ましい事件が多発することから、ここで再び持ってきたのか・・
人生は「死ぬまでの暇つぶしか?」という問いかけは、
少年のみならず大人の撓んだ心にも突き刺さると思う。
のぼは曲を叫び、ALONEオーナー:井上氏は同時に音響と照明で
観客にメッセージを放つ。

④スケアクロウ・・フリーテンポで曲に入る。
こうもり傘を天にかざしたまま、動けない自分を
スケアクロウ(かかし)に例える のぼ。
優しく、切ない、且つメロディアスなナンバー。
塩川昇って、どんな曲演ってるの?の聴かれたら
まず聞かせたい曲のひとつ。

⑤トビラヲアケロ・・ミュートカッティングから16ビートに入る。
動けないのか?動かないのか?
鍵を開けるのは自分じゃないのか?
曲がりくねった道
戦闘機も戦車もミサイルも、神様じゃない。
のぼの曲の中で、もっとも弾き語りなのに
弾き語りを感じさせないハードな楽曲。
エンディングは、心臓の鼓動のようにカッティングが照明と共に去っていく。

⑥くだらねえ
男が男に抱きしめられても気持ちよくはない。
でも、格好つけても、甘えないと生きていけないとこあるからね。
と語る のぼ。
私は未だに男が「甘える」という感覚が、正直理解できないのだが
-納得できない、のではなく、只『わからない』という意味-
もしも甘えることが出来たなら、ひとつ本当の自分を曝け出すということだろうから
それは、お互いの信用、ということなのだろうか。


⑦It's All Right
観客をコーラスに巻き込んでのエンディング。
「コール、アンド、レスポンス!
略して、ラブ、アンド、ラブ」
なんでやねん!!とツッコミ入れたくなるがそれはさておき。
いつも思うが、この曲は聞くたびにどこかビートが変化している。
曲の進化なのか。
あとは、いろんな気持ちを乗せているから?




今夜も、
ステージ狭しと駆け回る(44マグナムではありません)のぼに、
ワイヤレスシステムを勧めたいと感じた夜でした。


文:塩川昇公式サイト 管理人