Life Hacking

城西雑録--日々のあれこれとよもやま。

ミラノ排骨麺

2015-01-23 | 中華大全
 イタリアは、南のほうから、アラブの難民がたくさん来ている。
 北のほうからは、中国人がたくさん来ている。
 イタリアでの難民問題とか、不法在留者のことには、書き出せばきりがないので、ここでは、もっぱら中国系の食べものについてです。ミラノでごくふつうのみなさんに混じって食べてきたものをーー。

 その北のほうから来きてミラノに落ち着く中国のみなさんの出身地は、そろって浙江省東南部の温州のかたがたで、ビザなんかとか、どうやってきたか、イタリアでなにしているの、なんかの話は、割愛することにして、ミラノの中華街なんかでは、その温州風の中華料理を楽しめます。

 日本では、集まれば、すぐにドラゴンゲイト(昇竜門)なんか建ててしまうのだけれれど、(横浜のあれって、考えてみれば、傲岸だね。日本だぜ)さすがにミラノでは、そんなことはできないわけで、ここの中華街は、ミラノのふつうの市街地の街路に、中華関係の店舗がならんいるわけ。

 トラム(市電)の14番線路が、街を貫いていて、その停留場に「温州飯店」があって、ミラノに来た、というか、辿りついたあちらの方々は、まずここで腹ごしらえとなるわけで、いかにもあちらの雰囲気の角刈りのオジサンが、ひとりでは、とても食べ切れそうもないほどの郷土料理の皿をずらっと食卓に並べて、黙々と箸を動かしていたことを思い出します。
 プラスチックの器と皿。箸もプラスチック。テーブルもむき出しで、脂っぽい。ーー要するに大衆食堂です。

 排骨麺といった場合は、台湾なんかでは、骨付のバラ肉を下味を付けてから、カラ揚げしたものを、動物系のスープの中華麺の上に載せて、食卓に供しています。
 日本でも、その影響下にあるのか、最近、増えてきた東京で排骨麺を出す店は、例外なくカラ揚げでやっています。
 
 温州風の場合は、煮込んでしまうようです。
 「台湾や香港とは随分、違うねえ」と言ってみたら、「これが温州風なんだ」という返答がありましたから、台湾との違いは、認識しているようです。
 

写真一葉が語るもの

2015-01-21 | よもやま
わたしは、散歩というか、徘徊というか、歩くことを日課にしているものだから、いろいろなものに出くわすのです。
 
 この写真は、都内某所のお宅の玄関先にあった掲示です。通りがかりの人は、だれでも気づきます。
 「M」で始まるお名前三文字は、消しました。

笹塚の温泉マーク

2015-01-20 | よもやま
 わたしは、生まれも育ちも、いまの住まいも京王線沿線ながら、笹塚だけは、乗り降りをする機会がなかったのですが、きのう(19日)の宵の口、初めて、この駅で降りました。
 新宿に近すぎるのだろうな。べつにこれまで用事もなかったから、この駅は、まったく無視というか、黙殺して、もう、というか、はや半世紀ーー。

 で、午後7時ごろに、この駅で降りて、ちゃかりと、笹塚の銭湯、栄湯へ行ってきました。


 高架駅からにぎやかな駅前の小路を進んで、甲州街道を渡ってすぐ。笹塚小学校の脇に、この湯がひっそりとありました。
 たたずまいは、まるで連れ込み宿。--そっとお客を待っています。
 改装間もないのか、とてもきれいでしたよ。
 脱衣場も浴室も。
 小さな野天風呂なんかもしつらえてあって、なによりでした。

 でも、やはり新宿に近い土地柄なんですね、これが。

 洗い場で洗髪していると、右隣にオジサンが腰を据えたのですが、背中には、見事な墨が入っていました。
 シャンプーがはねないように、洗いの湯も静かに髪にかけました。
 別に怖がるような歳(わたし)でもないのですが、まあ、そこは礼儀だから。

 湯から上がって、脱衣場へ。別のオジサンが、真新しい白のシャツにネクタイを締め込み、スーツ姿になっていました。
 午後7時半すぎ。これから、ご出勤の方なんでしょう。

 --人生いろいろ、人それぞれ。わたしは、湯上りのビールを笹塚の街で楽しんだことは、もちろん。。だよ。

 
 
 

バカになったか、日本人

2015-01-19 | よもやま
 東大・駒場の奇才だったけど、極めつけの常識人なんだ、この方は。
 最新の出版本が (↓)

橋本治「バカになったか、日本人」(2014年・集英社)

 見出しの例(ごく一部)。
 「無用な不安はお捨てなさい」
 「あ、東大法学部だ」
 「杉村太蔵に見る日本の未来」

 惜しむらくは、時流を論じながら、数年にわたり、あちこちに書き散らしたモノを集めて一冊の本にまとめたものだから、今から振り返ると、そんなこともあったけの内容なんだなあ。
 でも、Amazonでは、一時は、ベストセラーの第一着。で、わたしの手元にもあるわけ。

 で、わたし的な「バカになったか、日本人」の直近の事例ね。

 桑田は、釈明文書の発表に続いて、14分間にわたりラジオ番組でぐだぐだを続けたのだけれど--。
 それは、それとして、NHKオンデマンドの「紅白歌合戦」では、桑田部分を削除したのだとか。
 まあ、新聞でも縮刷版を作るときに、まずい部分はなかったことにしてしまう例がなきにしもあらずだったらしいのだけれど--。
 NHKの場合は、公共放送だぜえ。紅白は、看板番組なんだぜええ。みんな見て知っているんだぜえ。なかったことにはならないのだけれど。

 18日(日)の民主党の党首選挙に先立ち、候補者のひとりの長妻昭さんは、景気づけもあって、ホテルニューオータニで、カツカレーのご昼食をお摂りになったわけなのですが--。一食3,500円ナリ。
 そう、2年半前の2012年9月の自民党総裁選挙のおり、景気づけに安倍ちゃんが召し上がって、庶民離れした法外に高額の昼食である、と、さんざん揶揄されたものと、まったくの同一のお昼ご飯なんで。
 長妻さんが、バカというわけではなく、周りのセンスの具合というか、ホテルニューオータニだって悪いのだろう。
 「党内選挙、候補者、カツカレー」で笑うのだから、「以前、こんなことがあってーー」とかのささやきがあったほうが、よかったのかも、ね。

ほかにも、あるけど、ね。

 

コーマック・マッカーシー

2015-01-18 | 本とか映画とか
冬ばれの日曜日。陽だまりのなかで、まったりと読んだのが--、
  ↓
コーマック・マッカーシー「ブラッド・メリディアン」(2009年・早川書房)

テキサスとメキシコ北部を舞台に、騎兵隊の大尉と判事が率いる無法集団(!)が、アパッチ・インデアンを狩って、賞金になる頭の皮を剥いで回るというのが、一行表現の大筋ながら、生々しいのに、乾いたというか、贅肉のない描写だから、おぞましさがないところが、さすがのピュリッツアー賞作家の作品でした。

Amazonでの書評も、読み込んだ方々のベタ褒め評ばかり。最悪というか、最高の残酷小説。

で、マッカーシー作品をもとに映画化されたのは、わたしが見たもの順に挙げると。

コーエン兄弟の「ノーカントリー」(アカデミー賞、もらった)
リードリー・スコットの「悪の法則」(評判は、いまいち。わたし的にも、いまいち)
ヴィゴ・モーテンセンの「ザ・ロード」(--最後に救われる)

でも、この「ブラッド・メリディアン」の映画化となると、ムリムリ。。だろうなあ。
暴力に次ぐ暴力に加えて、アルコール漬けの頭部とか、寝込みを襲って、弓矢相手にライフルで無慈悲に集団虐殺とか、だから。ね。

日本を舞台にしたら、どんな局面なのかなあ。とも思いました。
例えば、江戸初期の九州での切支丹狩りみたいな???