燃える女

燦ママのお友達でＴちゃんが遊びに来ました。
アウトドア系で山菜採りとかは率先して行くタイプです。
運動公園のジムでは男顔負けのパワーを発揮してスリムですが体力は十分有りそうです。

春先からここ何回か竹の子を掘りに来ています。
蕨も毎年、県外まで行って採って来ています。
何時もタダで掘って帰るだけでは申し訳ないとお礼も兼ねて色々な物を持って来てくれます。
海の物なら、タコとか鯛とかメバルとか、果物ではイチゴとかです。

こちらも気兼ね無く貰っておきます。
里山特有の物々交換の作法です。

竹林はここ数年放ったらかしなのでかなり荒れていて、
倒れた、或は倒れかけている枯竹が縦横無尽に竹林の中で暴れまわっています。
従って、竹の子を採りに行くにしても枯竹は邪魔で思う様に掘れません。

Ｔちゃんは、里山整備を定期的に行っている組織にも入っているので、
この竹林も整備したいと言って来ました。

と、言う事で竹林の整備を本格的にやる事にしました。
やると言っても一日や二日で竹林を全て整備すると言う訳には参りません。
まあ、適当なところまでケガの無い様にやりましょうと三人で竹林に入って行きました。

枯竹は朽ちて直ぐ壊れるのも有りますが、ちょっと位揺さぶってもビクともしないのも有ります。
そして長さが十数メートルも有りますから一度にエイヤーと運ぶことは出来ません。
そこで登場するのがチェーンソーです。（表題写真）

ここ数年使ってなく、刃もボロボロでしたので新しくネットで購入し取り替えたばっかしです。
最初、試し切りで枯れた木の枝を切りましたが、白い煙が出て来て全然切れませんでした。
やはりこのチェーンソーも寿命かなと思いましたが、
ひょっとしてと古いマニュアルを読み返しますとどうやら刃を反対向けに付けてしまったみたいでした。

てへぇっ・・・・・
頓珍漢里山の本領発揮と言う訳で、そりゃ刃の背中で木をこすってる様なもので煙しか出ませんわな。

そんな事はおくびにも出さず、
さっそうとチェーンソーを持って竹林整備隊長として竹林の中へと突入したのでした。
竹林では倒れている枯竹を三分割位に切って持ち運びやすくしたり、通り道で邪魔なヤツはドンドン切っていきます。
チェーン、チェーン、ソー、ソーと小気味良く切れます。
その足元を見ると、切ってるのをせせら笑う様にニョキニョキとあちこちから竹の子が頭を持ち上げています。


切った後から副隊長グループ（二人しか居ませんが）がその枯竹を斜面に平行にまとめて置いていきます。
三分割したとは言えまだ結構な長さと重さが有ります。
それをエイヤーと持ち運んで整理していきます。

結構な重労働ですが、これは無心でやれます。
単純な作業をモクモクとやっているＴちゃんはあまり休もうとはしません。
何時しかあんなに縦横無尽に倒れて居た枯竹も徐々に整理されていき少しはスッキリするようになってきました。


竹林整備は一本でも二本でも片づけたら見違えるように綺麗になります。
やればやるほどその成果が直ぐに見えてくるのです。
この達成感が堪らず、Ｔちゃんに取り付いて竹林で「燃える女」に変身してしまいました。

そして後２～３日もしたらこの山全部綺麗になると妄想を抱く様になってくるのです。
竹林は孟宗竹だからそれは仕方ない事ですが、
それだけ火が付きやすいのが竹林整備と言う訳ですね。

「また、しょうな（しましょうね）、また、くるけんな（お伺いします）」と言って帰って行きました。

途中、竹の子を見つけては踏み倒して行きました。



「また、きぃいな（おいで下さいバセ、ダルだけど？）」