筑紫の国から『花つくし日記』

福岡から情報発信の山野草・庭の花などをテーマにしたブログです。
お花紹介は九州に咲く季節の花がメインですよ。

万葉集/巻14-3537  馬(うま)

2024年10月31日 | 20.万葉の花鳥風月

万葉集には、自然、草花、四季、生き物などがたくさん登場します。
今日、紹介するは、馬(うま)を詠んだ歌です。

馬を詠んだ歌はかなりあります。万葉歌では、馬、駒(こま)、
赤駒、黒駒、
黒馬、青馬
などと詠まれています。

万葉集/巻14-3537  作者/不明 

(くへ)越しに 麦(むぎ)(は)小馬(こうま)の はつはつに
       相(あい)見し子らし あやに愛(かな)しも


【意味】柵(さく)の外から仔馬が麦を やっとの思いで食うように
    ようやく逢瀬のかなった娘が なんとも言えずいとおしい

 ※「子馬」作者(男)の比喩。
 ※「はつはつに」わずかに。
 ※「相見る」男女が関係を結ぶ。
 ※「児ら」女性を親しんで呼ぶ語。
 ※「あやに」なんとも言いようがなく。驚くほど。

万葉人が豊かな自然の中に暮らした時代を歌で楽しみましょう。


※写真は、Canvaのフリー写真素材を使用

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●嘉麻市13 万葉の歌碑/巻5-0803/福岡県嘉麻市 シルバーケア嘉穂

2024年10月30日 | 20.万葉の花鳥風月

万葉の歌碑を訪ねて


歌碑の設置場所/福岡県嘉麻市鴨生480番地1
                                    介護老人保健施設 シルバーケア嘉穂

万葉集/巻5-0803  作者/山上憶良(やまのうえのおくら)

(しろかね)も   金(くがね)も玉も   何せむに
                      優(まさ)れる宝    子にしかめやも
 


【意味】たとえば銀(ぎん)も黄金(こがね)も玉(たま)も
  いったい何になるだろう
  どんな立派な宝物(たからもの)でも 子供にまさるものはない

 ※「何せむ」反語。何になろうか、何にもならない。
 ※「しかめやも」反語。及ぶだろうか、及ばない。

写真下 歌碑が置かれている介護老人保健施設 シルバーケア嘉穂

写真下 歌碑の全景。


万葉の歌碑とは
万葉集の歌を刻みつけた碑が「万葉歌碑」です。 多くの人々に親しまれた万葉の歌を石に刻み、その歌を作った歌人を讃(たた)え、その歌が後の世に残ることを願っているのです。


現在全国各地に設置されている万葉歌碑は2,000基を越えていると言われています。
歌碑の過半数が実際に歌碑が詠まれた場所、または歌碑に関連する場所に設置されており、「歌碑を訪ねる」=「実際に万葉の故地や史跡を訪ねる」ことになります。

私の地元「福岡県」は、大宰府政庁に関係する歌や防人の歌があり、万葉の歌碑も多くあります。
万葉歌碑から万葉の時代にタイムスリップし、万葉人に会える旅へ出かけてみましょう。!

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万葉集/巻3-0344 生き物を詠んだ歌 猿(さる) 2024年10月

2024年10月24日 | 20.万葉の花鳥風月

万葉集には、自然、草花、四季、生き物などがたくさん登場します。
今日、紹介するは、生き物を詠んだ  猿(さる) の歌です。

猿(さる)は昔から日本に住んでいたようで、その骨は縄文時代の遺跡からも発見されています。また、猿をかたどった埴輪もあるとのことです。


万葉集/巻3-0344  作者/大伴旅人(おおとものたびと)

あな醜(みにく)   (さか)しらをすと   酒飲まぬ
                              人をよく見ば    にかも似る 

【意味】ああ見苦しい 自分を賢く 見せようとして酒飲まぬ
  人をよくよく眺めたならば に似ているかも知れぬ

 ※「賢しら」賢そうにすること。
 ※「よく見ば」もしよく見たとしたら。〈ば〉仮定。
 ※「かも」疑問。

万葉人が豊かな自然の中に暮らした時代を歌で楽しみましょう。

※写真は、無料(フリー)写真素材を使用。

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万葉集/巻8-1552 生き物を詠んだ歌 コオロギ 2024年10月

2024年10月17日 | 20.万葉の花鳥風月

万葉集には、自然、草花、四季、生き物などがたくさん登場します。
今日、紹介するは、生き物を詠んだ  コオロギ(蟋蟀、蛬、蛩、蛼) の歌です。

万葉の時代は、「蟋蟀(こほろぎ)と呼ばれています。

万葉集/巻8-1552  作者/湯原王(ゆはらのおおきみ)

夕月夜(ゆうづくよ)  心もしのに  白露の
                  置くこの庭に    こほろぎ鳴くも 

【意味】月の出ているこの夕べ 心もしおれてしまうほど
    白露置いたこの庭に コオロギ鳴く声がする

 ※「夕月夜」月の出ている暮れ方。
 ※「しのに」しおれるばかりに。

万葉人が豊かな自然の中に暮らした時代を歌で楽しみましょう。

※写真は、「エンマコオロギ」/無料(フリー)写真素材を使用
※写真は、Canvaのフリー写真素材を使用

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●d41万葉の歌碑 巻5-796太宰府市 太宰府メモリアルパーク 太宰府の丘展望台

2024年10月03日 | 20.万葉の花鳥風月

万葉の歌碑を訪ねて


歌碑の設置場所/福岡県太宰府市大字大佐野字野口807-128
          太宰府メモリアルパーク 太宰府の丘展望台

万葉集/巻5-796  作者/山上憶良(やまのうえのおくら)

(は)しきよし  かくのみからに  慕(した)ひ来(こ)
           妹(いも)が情(こころ)の術(すべ)もすべなさ


【意味】ああ、こうなる定めだったのか。
追い慕って筑紫までやって来た妻の心が、どうしようもなく痛ましい。

 ※ 筑前の国守として九州へ下った憶良と、1~2年遅れて大宰帥として赴任してきた旅人は、年齢も近く(憶良が5歳くらい年長)、ともに風雅を好む知識人であったことから、位階の差を越えて親密に交流していました。旅人の妻の死の悲しみは、同時に憶良の悲しみでもあったようです。歌の内容から、妻の郎女は無理に大宰府についてきたことが窺えます。慣れない長旅の疲れがたたったのでしょうか。

写真下 歌碑の全景

写真下 歌碑の解説案内板  (親切な説明です。)


万葉の歌碑とは
万葉集の歌を刻みつけた碑が「万葉歌碑」です。 多くの人々に親しまれた万葉の歌を石に刻み、その歌を作った歌人を讃(たた)え、その歌が後の世に残ることを願っているのです。


現在全国各地に設置されている万葉歌碑は2,000基を越えていると言われています。
歌碑の過半数が実際に歌碑が詠まれた場所、または歌碑に関連する場所に設置されており、「歌碑を訪ねる」=「実際に万葉の故地や史跡を訪ねる」ことになります。

私の地元「福岡県」は、大宰府政庁に関係する歌や防人の歌があり、万葉の歌碑も多くあります。
万葉歌碑から万葉の時代にタイムスリップし、万葉人に会える旅へ出かけてみましょう。!

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