万葉集には、自然、草花、四季、生き物などがたくさん登場します。
今日、紹介する歌は、馬(うま)を詠んだ歌です。
馬を詠んだ歌はかなりあります。万葉歌では、馬、駒(こま)、
赤駒、黒駒、黒馬、青馬などと詠まれています。
万葉集/巻14-3537 作者/不明
柵(くへ)越しに 麦(むぎ)食(は)む小馬(こうま)の はつはつに
相(あい)見し子らし あやに愛(かな)しも
【意味】柵(さく)の外から仔馬が麦を やっとの思いで食うように
ようやく逢瀬のかなった娘が なんとも言えずいとおしい
※「子馬」作者(男)の比喩。
※「はつはつに」わずかに。
※「相見る」男女が関係を結ぶ。
※「児ら」女性を親しんで呼ぶ語。
※「あやに」なんとも言いようがなく。驚くほど。
万葉人が豊かな自然の中に暮らした時代を歌で楽しみましょう。
※写真は、Canvaのフリー写真素材を使用