筑紫の国から『花つくし日記』

福岡から情報発信の山野草・庭の花などをテーマにしたブログです。
お花紹介は九州に咲く季節の花がメインですよ。

●『源氏物語』44帖 竹河(たけかわ) 玉鬘の2人の娘

2025年02月22日 | xx源氏物語

『源氏物語』44帖 竹河(たけかわ)
玉鬘の2人の娘
薫14歳~23歳 薫君の中将時代

[中君の入内]
髭黒関白が亡くなった後、玉鬘は三男二女を養育していたが、蔵人少将(夕霧の子)がとくに熱心に慕っていた。

15歳の正月下旬、玉鬘邸に若者たちが集まって催馬楽の「竹河」を謡い興じた。その席で玉鬘が弾く和琴の音色が亡父致仕大臣(もとの頭中将)や亡弟柏木に似ていることに気付く。

巻名は薫と藤侍従の和歌に由来する。
竹河のはしうち出でしひとふしに深きこころのそこは知りきや」
竹河に夜をふかさじといそぎしもいかなるふしを思ひおかまし」

※上の写真は、「雅楽の楽器」/無料(フリー)写真素材を使用

大君に思いを寄せ藤侍従(姫君の弟)に取り持ちを頼んでいたが、大君はまもなく冷泉院の妃となった。
やがて、大君は一男一女をもうけたが、先に妃に入っていた弘徽殿女御(冷泉院の女御・柏木の妹)からの嫉妬が激しく、里に戻る日が多かった。

[玉鬘、大君の不幸を嘆く]
夕霧は左大臣に、紅梅大納言は左大将兼右大臣に、中将は中納言にそれぞれ昇進した。
蔵人少将は宰相となり、左大臣の娘と結婚していた。
玉鬘大君の不幸や自分の息子たちの出世の遅さと比べるにつけ、思うに任せぬ世を悔しく思い後悔の念は絶えないと嘆いて話した。


【源氏物語44帖に出てくる主な登場人物】

かおる)
源氏物語第三部の主人公。
表向きは光源氏と女三の宮の子どもであるが、本当は柏木と女三の宮の子どもである。
生まれつき体から良い香りを放っており、「薫の君」と呼ばれている。
自身の出生の秘密に悩み、宇治八の宮を訪れ、娘の大君に恋をする。
後に大君によく似た浮舟にも惹かれるが、恋は成就しない。

玉鬘(たまかずら)
頭中将と夕霧の娘。光源氏の養女となる。
源氏が放った蛍の光により、蛍兵部卿宮が玉鬘の姿を見るシーンがある。
光源氏も玉鬘を恋慕するが、最終的には強引な形で髭黒大将の妻となる。

 


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』43帖 紅梅(こうばい) 柏木の弟・按察大納言

2025年02月16日 | xx源氏物語

『源氏物語』43帖 紅梅(こうばい)
柏木の弟・按察大納言
薫24歳春 薫君の中将時代

[真木柱の再婚]
真木柱(髭黒の娘)は蛍兵部卿宮と結婚したが、蛍兵部卿宮が亡くなった後、一人娘をつれて按察大納言(あぜちのだいなごん)もとの頭中将の次男・柏木の弟)と再婚した。

[匂宮、継姫君を望む]
按察大納言には先妻との間に二人の姫君(大君・中君)があった。
大君は東宮(明石中宮の子)に入内した。
按察大納言中君を匂宮へ嫁がせようと匂宮(におうみや)に紅梅に歌を添えて送りました。このことから、按察大納言は、紅梅大納言(こうばいだいなごん)とも呼ばれることもあります。

『心ありて 風のにほはす園の
      まず鶯(うぐいす)のとはずやあるべき』
※写真は、「紅梅(こうばい)」/無料(フリー)写真素材を使用

匂宮連れ子の姫君(真木柱の娘)の方に心惹かれていた。


【源氏物語43帖に出てくる主な登場人物】

(かおる)
源氏物語第三部の主人公。
表向きは光源氏と女三の宮の子どもであるが、本当は柏木と女三の宮の子どもである。
生まれつき体から良い香りを放っており、「薫の君」と呼ばれている。
自身の出生の秘密に悩み、宇治八の宮を訪れ、娘の大君に恋をする。
後に大君によく似た浮舟にも惹かれるが、恋は成就しない。

匂宮(におうのみや)
今上帝と秋好中宮の御子。
六条院で一緒に育った薫にライバル心を抱いている。
容貌は美しいが軽薄。薫の戦略で中の君と結婚するが、浮舟にも心を惹かれる。

真木柱(まきばしら)
髭黒の大将と北の方の娘。
蛍兵部卿宮の後妻となり、娘をもうけるが夫婦仲は良くなかった。
第三部では、蛍兵部卿宮の没後、紅梅大納言と結婚。
(紅梅は柏木の弟)
夫婦仲は良く、一男をもうける。

按察大納言(あぜちのだいなごん)
もとの頭中将の次男、柏木は兄。兄柏木亡き後、一族の大黒柱となっている。
別名、紅梅大納言(こうばいだいなごん)とも呼ばれる。
亡くなった先の北の方との間には二人の姫君(大君、中の君)がいた。
後妻の真木柱には故宮の忘れ形見の姫君(宮の御方)がいて、この姫君も大納言の邸で暮らしている。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●源氏物語』42帖 匂宮(におうのみや) 薫と匂宮、2人の青年

2025年02月09日 | xx源氏物語

源氏物語』42帖 匂宮(におうのみや)
薫と匂宮、2人の青年
薫14歳~20歳 薫君の中将時代
匂宮15~21歳/夕霧40~46歳/秋好中宮52~58歳/女三宮35~41歳
明石君52~58歳/明石中宮32~39歳/雲井雁42~48歳


巻名は本文の
「世人は匂ふ兵部卿、薫る中将と聞きにくく言ひつづけて…」ちなむ。本来の題は「匂兵部卿(におうひょうぶきょう)」で、「匂宮」は略称。


[薫と匂宮]
光源氏の死後、光源氏に代わる人として(母は女三の宮)と、匂宮(母は明石中宮)とが、すぐれた人として噂されていた。
は女三宮のもとで成長、侍従から右近中将になった。
匂宮は紫の上の遺言により二条院に住み、元服して兵部卿宮と称した。

[香を競い合う二人]
は衣に妖しい香がただよい、真面目さの中にどことなく暗い影を宿していた。
または自分が本当に光源氏の実子なのか不審を抱いていた。
一方、匂宮は明るく社交的なプレイボーイで、に対抗して衣に香をたきしめていた。


※写真は、「香炉」/無料(フリー)写真素材を使用

光源氏の子、夕霧は、このふたりの貴公子いずれかと娘を結び付けたいと考えています。


【源氏物語42帖に出てくる主な登場人物】

(かおる)
源氏物語第三部の主人公。
表向きは光源氏と女三の宮の子どもであるが、本当は柏木と女三の宮の子どもである。
生まれつき体から良い香りを放っており、「薫の君」と呼ばれている。
自身の出生の秘密に悩み、宇治八の宮を訪れ、娘の大君に恋をする。
後に大君によく似た浮舟にも惹かれるが、恋は成就しない。

匂宮(におうのみや)
今上帝と秋好中宮の御子。
六条院で一緒に育った薫にライバル心を抱いている。
容貌は美しいが軽薄。薫の戦略で中の君と結婚するが、浮舟にも心を惹かれる。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』雲隠(くもがくれ) 光源氏の死を暗示する空白の帖

2025年02月02日 | xx源氏物語

『源氏物語』雲隠(くもがくれ)
光源氏の死を暗示する空白の帖

帖名のみで本文はありません。前後から、この空白の期間で光源氏が亡くなったことが暗示されています。


 
※写真は、「雲隠れのイメージ/座卓に置かれた白紙の和紙」/無料(フリー)写真素材を使用

この帖は題名が残るだけで物語は伝わっておらず、光源氏の死を表しているとも言われています。次の帖では光源氏や頭中将、髭黒の大将らは亡くなっており、物語は光源氏の子や孫達の時代に入るのです。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』41帖 幻(まぼろし) 悲しみに暮れる光源氏、出家を決意

2025年01月26日 | xx源氏物語

『源氏物語』41帖 幻(まぼろし)
悲しみに暮れる光源氏、出家を決意
光源氏52歳の一年間 准太上天皇時代
※源氏物語での「准太上天皇」(じゅんだいじょうてんのう)は、天皇に準ずる位。

[光源氏、紫の上を回想]
翌年の春になっても、光源氏は心が晴れなかった。
紫の上の一周忌には、かねて用意しておいた曼荼羅の供養を行った。


巻名は光源氏が紫の上を想って詠んだ歌にちなむ。
「大空をかよふまぼろし夢にだに
      見えこぬ魂(たま)の行く方たづねよ」

※写真は、「まぼろしイメージの歪んだ時空」/無料(フリー)写真素材を使用

[光源氏、出家を決意する]
年末になり、光源氏は来年出家するために身辺の整理をし、紫の上の手紙も焼いてしまった。

最愛の紫の上を失った光源氏が、晩年の孤独な心を、菊の花に降りた朝露に託して詠んだ歌。
『もろともにおきゐしの朝露も
                                ひとり袂にかかる秋かな


※写真は、「野路菊(のじぎく)」/無料(フリー)写真素材を使用


【源氏物語41帖に出てくる主な登場人物】

光源氏ひかるげんじ)父・桐壺帝の第二皇子でありながら、母が身分の低い更衣のため、「源氏」という臣下の身分に落とされ、皇位継承権もないままに帝の手元で育てられ、幼い頃から学問をはじめ琴笛に大層優れている。亡き母に大層よく似た継母・藤壷を慕い続けることから、愛の遍歴がはじまる。輝くばかり美しい容貌から光の君と呼ばる。「源氏物語」は光源氏を主人公とした愛と栄華の物語である。

紫の上(むらさきのうえ)父・兵部郷の宮(藤壷の兄)が外につくった姫で、母を亡くし祖母・尼君のもとで育つ。光源氏が北山を訪れた時に見付け、愛しい藤壷の面影に大層良く似ていることから、二条院に引き取り養育する。源氏の君が生涯を通じて愛し続けた姫君である。光源氏40歳の頃、朱雀院の姫・女三の宮(13歳)を妻に迎えてから病につき、出家を願いますが許されないまま、43歳で病死します。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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