筑紫の国から『花つくし日記』

福岡から情報発信の山野草・庭の花などをテーマにしたブログです。
お花紹介は九州に咲く季節の花がメインですよ。

●『源氏物語』32帖 梅枝(うめがえ) 明石の姫君の成人式

2024年11月24日 | xx源氏物語

『源氏物語』32帖 梅枝(うめがえ)
明石の姫君の成人式
光源氏39歳春 太政大臣時代

[明石姫君の裳着]
2月、六条院では、明石の姫君裳着の準備に忙しく、光源氏薫物合わせをしていました。その時、前斎宮から、梅の枝に結ばれた手紙と瑠璃の香壺が届きました。薫物合わせの後、管弦の遊びで弁少将「梅が枝」を謡う。その美声は素晴らしいものであった。

裳着とは女性の成人式にあたる儀式であり、初めて正装し、一人前の女性として認められる。 
薫物合わせは、各自が独自の香を持ちよってそれぞれの香りを鑑賞したり、その香りのイメージに合わせた和歌を詠んだりするもの


巻名は宴の席で弁少将(内大臣の次男、後の紅梅大納言)が歌った催馬楽にちなむ。

※写真は、「梅」/無料(フリー)写真素材を使用


[春宮(東宮)の元服]
同じ2月、東宮が元服し、左大臣の三君(麗景殿女御)が入内した。
内大臣は、夕霧との一件で雲井雁が入内できないことを残念に思った。
夕霧雲井雁を慕い続け、時折手紙を出していた。


【源氏物語32帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。

明石の姫君(あかしのひめぎみ)
光源氏と明石の君の娘。
紫の上に引き取られて養育される。東宮妃として入内し、四男一女を出産する。
夫の東宮が天皇として即位し、中宮となる。

内大臣(もと頭中将)
左大臣家の息子であり、光源氏のいとこ。葵の上の兄である。光源氏にとっては親友であり、恋のライバルでもある。
夕顔との間に娘(玉鬘)をもうける。

雲居の雁(くもいのかり)
頭中将の娘であり、夕霧の正室。
夕霧とは幼馴染で、二人とも大宮に育てられた。子だくさんであった。
夕霧が落葉の宮に心を寄せるようになった際には嫉妬するシーンが描かれている。

夕霧(ゆうぎり)
光源氏と葵の上の息子。
イケメンだが、真面目で恋愛下手である。雲居の雁と妾の藤典侍だけしか
妻がいなかったが、柏木の没後、未亡人の落葉の宮に惹かれ、妻とする。


NHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』31帖 真木柱(まきばしら) 望まぬ結婚を余儀なくされる玉鬘

2024年11月17日 | xx源氏物語

『源氏物語』31帖 真木柱(まきばしら)
望まぬ結婚を余儀なくされる玉鬘
光源氏37歳冬-38歳冬 太政大臣時代
玉鬘23~24歳/夕霧16歳/髭黒32~33歳/式部卿宮52~53歳
真木柱12~13歳/紫の上29~30歳/冷泉帝20~21歳

[玉鬘、髭黒と結ばれる]
髭黒の大将が、玉鬘の侍女の手引きで強引に玉鬘と契る。
玉鬘は悔恨の涙にくれた。
光源氏は不満、また残念に思ったが仕方がなかった。

[髭黒の北の方、里へ帰る]
髭黒の北の方(妻)は、時々狂気じみた発作を起こす。
雪の夜、玉鬘のもとへ行こうとする髭黒に、香炉の灰を浴びせかけた。

髭黒玉鬘を訪ねたまま自邸に帰らなくなった。
北の方の父である式部卿宮髭黒に腹を立てて、北の方と孫の姫君(真木柱)を自邸に引き取った。
その時、真木柱は、父と別れる悲しみを歌に詠んで、柱の割れ目に差し入れておいた。


巻名は髭黒の娘が詠んだ和歌に因む。
「今はとて宿かれぬとも馴れ来つる
          真木の柱はわれを忘るな」

※写真は、「東大寺南大門の真木柱(まきばしら) 」/無料(フリー)写真素材を使用

真木柱(まきばしら)は、檜(ひのき)や杉で作った太い柱のことを


[髭黒、玉鬘を自邸へ迎える]
翌年正月、玉鬘は入内したが、玉鬘の部屋に帝が訪れたことを知り、髭黒は心配のあまり早々に自邸に引きとった。
11月、玉鬘髭黒との間に男の子を産んだ。

 


『思はずに 井出のなか道へだつとも
        いはでぞ恋ふる 山吹の花
※写真は、「黄金色の山吹の花」/無料(フリー)写真素材を使用

美しい玉鬘を諦めきれない光源氏は、山吹の花にその思いをこめて謡(うたい)ます。


【源氏物語31帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。

玉鬘(たまかずら
頭中将と夕霧の娘。光源氏の養女となる。
源氏が放った蛍の光により、蛍兵部卿宮が玉鬘の姿を見るシーンがある。
光源氏も玉鬘を恋慕するが、最終的には強引な形で髭黒大将の妻となる。

髭黒の大将(ひげくろのたいしょう)
色黒の髭面であることから、髭黒の大将と呼ばれる。
玉鬘に恋焦がれ強引に結婚してしまう。今上帝の伯父にあたる。
最初の妻(北の方)は精神病を患っていた。
髭黒が玉鬘と結婚したことにより北の方は傷つき実家に帰ってしまう。

真木柱(まきばしら)
髭黒の大将と北の方の娘。
蛍兵部卿宮の後妻となり、娘をもうけるが夫婦仲は良くなかった。
第三部では、蛍兵部卿宮の没後、紅梅大納言と結婚。
(紅梅は柏木の弟)
夫婦仲は良く、一男をもうける。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』30帖 藤袴(ふじばかま) 玉鬘に言い寄る夕霧

2024年11月10日 | xx源氏物語

『源氏物語』30帖 藤袴(ふじばかま)
玉鬘に言い寄る夕霧

光源氏37歳秋 太政大臣時代
玉鬘23歳/夕霧16歳/柏木21歳/髭黒32歳

[夕霧、玉鬘に言い寄る]
玉鬘尚侍として帝に仕えることになったが、光源氏の養女である秋好中宮や、内大臣の娘の弘徽殿女御と寵愛を争うことになりはしないかと心配している。
尚侍(ないしのかみ/しょうじ)とは、日本の律令制における官職で、内侍司の長官(かみ)を務めた女官の官名。
玉鬘には相談相手がいないので悩みは深くなるばかりだ。
そんな時、大宮が死去した。
夕霧
光源氏の使いとしてやってきて、大宮の孫として喪に服す玉鬘に言い寄ったが、玉鬘は応じなかった。

巻名は夕霧が詠んだ和歌にちなむ。
「同じ野の露にやつるる藤袴
       あはれはかけよかことばかりも」


※写真は、「藤袴(ふじばかま)」/無料(フリー)写真素材を使用

一方、柏木が実の姉であったことを知り、過去に自分が玉鬘に言い寄っていたことをあさましいと思った。

[髭黒、玉鬘を慕う]
髭黒の大将(ひげくろのたいしょう)はかねてから玉鬘を慕っていたが、玉鬘の入内がほぼ決まったと聞いて、玉鬘に求婚の手紙を出した。なかでも熱心なのが髭黒ですが、この人にはすでに正妻と子ども達がおり、また正妻を大切にしていないという噂で、光源氏玉鬘を縁づかせたくありません。
他にも玉鬘のもとへは恋文が多く届いたが、玉鬘は蛍兵部卿宮にのみ返事をした。



【源氏物語30帖に出てくる主な登場人物】
光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。
玉鬘(たまかずら)
頭中将と夕霧の娘。光源氏の養女となる。
源氏が放った蛍の光により、蛍兵部卿宮が玉鬘の姿を見るシーンがある。
光源氏も玉鬘を恋慕するが、最終的には強引な形で髭黒大将の妻となる。
夕霧(ゆうぎり)
光源氏と葵の上の息子。
イケメンだが、真面目で恋愛下手である。雲居の雁と妾の藤典侍だけしか
妻がいなかったが、柏木の没後、未亡人の落葉の宮に惹かれ、妻とする。
大宮(おおみや)
一院の女三の宮(第三皇女)で、桐壺帝の同腹の姉妹。光源氏のおばにあたる。左大臣の正室として降嫁し、頭中将と葵の上を産んだ。三条殿に住んだことから、三条の大宮とも呼ばれる
髭黒の大将ひげくろのたいしょう)
色黒の髭面であることから、髭黒の大将と呼ばれる。
玉鬘に恋焦がれ強引に結婚してしまう。今上帝の伯父にあたる。
最初の妻(北の方)は精神病を患っていた。
髭黒が玉鬘と結婚したことにより北の方は傷つき実家に帰ってしまう。
蛍兵部卿宮(ほたるひょうぶきょうのみや)
桐壺帝の皇子で、朱雀帝、光源氏の異母弟。「蛍」の主要人物であることからこの名で呼ばれる。(藤壺の兄の兵部卿宮とは別人)

今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。
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●『源氏物語』29帖 行幸(みゆき) 玉鬘の成人式と、実父との対面

2024年11月02日 | xx源氏物語

『源氏物語』29帖 行幸(みゆき)
玉鬘の成人式と、実父との対面
光源氏36歳冬-37歳春 太政大臣時代
玉鬘22~23歳/右大臣41~42歳/冷泉帝18~19歳/髭黒31~32歳

[大原野の行幸]
12月、玉鬘は大原野(京都市西京区大原野)に鷹狩の行幸を見物し、実父の内大臣(もと頭中将)をはじめて見た。光源氏そっくりの美しさを持つ冷泉帝に心ひかれ、宮仕えをする気持ちに傾いた。
行列の中に髭黒大将もいたが、黒く髭の濃いその人を見て、玉鬘は親しめないものを感じた。

巻名は玉鬘と光源氏の歌による。
「うちぎらし朝ぐもりせしみゆきにはさやかに空の光やは見し」
「あかねさす光は空にくもらぬをなどてみゆきに目をきらしけむ」

※写真は、「賀茂街道を行く葵祭の行列」/無料(フリー)写真素材を使用

冷泉帝鷹狩りの行幸(みゆき/ぎょうこう:帝が外出すること)

※写真は、「オオタカ」/無料(フリー)写真素材を使用

[玉鬘の裳着]
翌年、光源氏玉鬘の裳着(成人式)をするにあたり、内大臣玉鬘の素性(夕顔と内大臣の娘であること)を明かした。光源氏内大臣はライバル同士ではあるが、亡き葵の上光源氏の妻・内大臣の妹)の義兄弟の関係でもある。
内大臣は成人した玉鬘を見て涙を流した。

※写真は、「平安貴族のイメージ 姫君の後ろ姿」/無料(フリー)写真素材を使用

 

このところ、わだかまりのあった光源氏頭中将でしたが、昔のように打ち解けることができたのでした。


【源氏物語29帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。

玉鬘(たまかずら)
頭中将と夕霧の娘。光源氏の養女となる。
源氏が放った蛍の光により、蛍兵部卿宮が玉鬘の姿を見るシーンがある。
光源氏も玉鬘を恋慕するが、最終的には強引な形で髭黒大将の妻となる。

内大臣(もと頭中将)
左大臣家の息子であり、光源氏のいとこ。葵の上の兄である。光源氏にとっては親友であり、恋のライバルでもある。
夕顔との間に娘(玉鬘)をもうける。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』28帖 野分(のわき) 夕霧、義母・紫の上に心を奪われる

2024年10月27日 | xx源氏物語

『源氏物語』28帖 野分(のわき)
夕霧、義母・紫の上に心を奪われる
光源氏36歳秋 太政大臣時代
夕霧15歳/紫の上28歳/玉鬘22歳

[夕霧、紫の上をかいま見る]
8月、野分(台風)が例年よりも激しく吹いた。


野分」(のわき)は、台風の古い呼び名。

※写真は、「台風での倒木被害」/無料(フリー)写真素材を使用



夕霧は風の見舞いに六条院を訪れます。風によって開け放たれた隙間から紫の上の御姿を垣間見て、樺桜(山桜)が咲き乱れるように華やかで美しい……と心打たれます。

山桜(やまぎくら)~バラ科の落葉高木。
           4月頃に薄いピンクの花を咲かします。
※写真は、「山桜」/福岡で私が写したものです。


夕霧は、光源氏が息子の自分を六条院に住まわせないのは紫の上に近づけないためだろうと感じました。
光源氏夕霧の魂の抜けたような様子から、直感的に紫上の姿を見たのだと見抜く。

[台風の見舞い]
翌朝、夕霧は六条院の花散里秋好中宮とを見舞い、光源氏明石の君玉鬘とを見舞った。
夕霧は御簾の隙間から光源氏玉鬘の親子以上の様子を見てしまう。
夕霧はまたしても玉鬘の美しさに心奪われる。

夕霧が三条宮に帰ると、祖母大宮が雲井雁に会いたいと内大臣に迫っていた。


【源氏物語28帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
第一部、第二部の物語の主人公。亡き母にそっくりと言われている藤壺の中宮恋をしてしまう。
その後も亡き母・桐壺更衣の面影を求め、様々な恋愛遍歴をたどる。
紫の上も、女三の宮藤壺の姪である。光源氏は藤壺中宮の血縁者に強く心を惹かれる人生だった。

紫の上(むらさきのうえ
幼い頃は、「若紫(わかむらさき)」と呼ばれる。
藤壺中宮の姪であり、顔がよく似ている。光源氏が生涯で最も愛した女性。光源氏は、紫の上が幼い頃に自宅にひきとり、育てて結婚した。
正妻ではないが、正妻格として周囲から扱われている。子はできないが、光源氏と明石の君の娘明石の姫君を養育する。

玉鬘(たまかずら)
頭中将と夕霧の娘。光源氏の養女となる。
源氏が放った蛍の光により、蛍兵部卿宮が玉鬘の姿を見るシーンがある。
光源氏も玉鬘を恋慕するが、最終的には強引な形で髭黒大将の妻となる。

夕霧(ゆうぎり)
光源氏と葵の上の息子。
イケメンだが、真面目で恋愛下手である。雲居の雁と妾の藤典侍だけしか
妻がいなかったが、柏木の没後、未亡人の落葉の宮に惹かれ、妻とする。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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