筑紫の国から『花つくし日記』

福岡から情報発信の山野草・庭の花などをテーマにしたブログです。
お花紹介は九州に咲く季節の花がメインですよ。

●『源氏物語』40帖 御法(みのり) 紫の上、死去

2025年01月19日 | xx源氏物語

『源氏物語』40帖 御法(みのり)
紫の上、死去
光源氏51歳 准太上天皇時代
紫の上43歳(死去)/夕霧30歳
明石上42歳/明石中宮23歳/秋好中宮42歳/薫4歳/匂宮5歳

 ※源氏物語での「准太上天皇」(じゅんだいじょうてんのう)は、天皇に準ずる位。

[紫の上の法華経千部供養]
紫の上は大病以来日ましに衰弱した。
紫の上は病気がちになられ出家を願いますが光源氏はお許しになりません。3月10日、紫の上は二条院で法華経千部の供養を行った。


巻名は、紫の上が花散里に詠んだ和歌にちなむ。
「絶えぬべき御法(みのり)ながらぞ頼まるる
        世々にと結ぶ中の契りを」
※写真は、「僧侶の後ろ姿のイラスト」/無料(フリー)イラスト素材を使用

※御法(みのり) は、仏法を尊んでいう語。また、仏事、経文、読経など、広く仏教に関する事柄を尊んでいう。


[紫の上の死]
紫の上の容態が急変した。

夏の暑さにますます衰弱なさいました紫上は、儚い命を、前庭に咲くに降りた露にたとえて、歌を詠み交わし、8月14日の晩、光源氏明石の中宮に見守られながら紫の上は静かに息をひきとります。
『おくと見る程ぞ儚きともすれば
       風に乱るるの上露(紫上)』

『ややもせば消えを争ふ露の世に
       遅れ先立つ程へずもがな(源氏)』

最愛の人を失った源氏の君の悲しみは深く……
光源氏は悲嘆に明け暮れ、出家の志を固めた。


※写真は、「萩(はぎ)」/無料(フリー)写真素材を使用


【源氏物語40帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
准太上天皇となった光源氏は栄華を極める。
朱雀院の娘、女三の宮を正妻とするが、女三の宮は柏木と通じてしまう。
最愛の妻・紫の上の没後、亡くなったことが示唆される。

紫の上(むらさきのうえ)
光源氏の最愛の妻。女三の宮が源氏の正妻となることにショックを受ける。
胸の病気にかかった上、六条御息所の怨霊にとりつかれ、一時絶命するが蘇生。
しかし体調は完全には戻らず、43歳で亡くなる。

明石の中宮(もとの明石の姫君)
光源氏と明石の君の娘。
紫の上に引き取られて養育される。東宮妃として入内し、四男一女を出産する。
夫の東宮が天皇として即位し、中宮となる。紫の上が母親がわり。

花散里(はなちるさと)
桐壺帝の妃である麗景殿の女御の妹にあたる姫君。
容貌は美しくないが、慎ましく静かな人。長く訪れなくても恨みごとを言わない。
光源氏からは大切にされ、六条院の夏の御殿に住まわせてもらえる。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』39帖 夕霧(ゆうぎり) 夕霧、落葉の宮と結婚

2025年01月12日 | xx源氏物語

『源氏物語』39帖 夕霧(ゆうぎり)
夕霧、落葉の宮と結婚
光源氏50歳秋-冬 准太上天皇時代
紫の上42歳/夕霧29歳/雲井雁31歳/女三の宮23歳

 ※源氏物語での「准太上天皇」(じゅんだいじょうてんのう)は、天皇に準ずる位。


巻名は、夕霧が落葉宮に詠んだ和歌にちなむ。
「山里のあはれをそふる夕霧
       立ち出でん空もなき心地して」


※写真は、「夕霧」/無料(フリー)写真素材を使用


[夕霧、小野に落葉の宮を訪ねる]
一条御息所(落葉の宮の母)は物の怪に取りつかれ、落葉の宮ととのに小野山荘に移った。
8月中旬、夕霧は小野の山荘を訪れ、落葉の宮に恋心を訴えた。
加持の律師から夕霧落葉の宮のところに泊まったと聞いた一条御息所は当惑した。

[夕霧、落葉の宮を引き取る]
一条御息所夕霧に手紙を送るが、夕霧落葉の宮の仲を聞き嫉妬にかられた雲井雁が手紙を隠してしまう。

そのため夕霧は手紙の返事が遅れ、一条御息所は悲嘆して病状を急変させて亡くなる。
夕霧は意に添わぬままの落葉の宮を一条の宮(落葉の宮邸)に移したが、激怒した雲井雁は子どもを連れて父の致仕大臣邸(もとの頭中将)に帰ってしまった。

 


【源氏物語39帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
准太上天皇となった光源氏は栄華を極める。
朱雀院の娘、女三の宮を正妻とするが、女三の宮は柏木と通じてしまう。
最愛の妻・紫の上の没後、亡くなったことが示唆される。

夕霧(ゆうぎり)
光源氏と葵の上の息子。イケメンだが、真面目で恋愛下手である。
雲居の雁と妾の藤典侍だけしか妻がいなかったが、柏木の没後、未亡人の落葉の宮に惹かれ、妻とする。

落葉の宮(おちばのみや)
朱雀院の女二の宮で、柏木の正室である。
柏木は、女三の宮に恋慕していたため、この正室を「落葉のようにつまらない人」と気に入らなかった。柏木が没した後は、夕霧の妻となる。

雲居の雁(くもいのかり)
頭中将の娘であり、夕霧の正室。
夕霧とは幼馴染で、二人とも大宮に育てられた。子だくさんであった。
夕霧が落葉の宮に心を寄せるようになった際には嫉妬するシーンが描かれている。

致仕大臣(もとの頭中将)
左大臣家の息子であり、光源氏のいとこ。葵の上の兄である。光源氏にとっては親友であり、恋のライバルでもある。
夕顔との間に娘(玉鬘)をもうける。

一条御息所(いちじょうのみやすんどころ)
朱雀院との間に女二宮をもうけたものの、その後は朱雀院に愛されることもなく、娘の幸せだけを願って過ごすようになる。娘が柏木と結婚するも、柏木は女三宮の代わりとしてしかたなく結婚しただけであったので娘を愛することなく死去してしまい、さらにはその後娘の所に通うようになった夕霧までもが娘を弄んだと誤解する。かねてからの病とその心痛から夕霧に恨みの歌を遺して死亡してしまう。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』38帖 鈴虫(すずむし) 愁(うれ)いの秋

2025年01月04日 | xx源氏物語

『源氏物語』38帖 鈴虫(すずむし)
(うれ)いの秋
光源氏50歳夏-秋 准太上天皇時代
女三の宮23歳

 ※源氏物語での「准太上天皇」(じゅんだいじょうてんのう)は、天皇に準ずる位。

[女三の宮の持仏供養]
夏、蓮の花の咲くころ、女三の宮の持仏供養が行われた。光源氏尼姿の女三宮に後に残された悲しみを訴えるが、はつれなく言葉を返すだけだった。

[鈴虫の音を聞く]
8月の十五夜、光源氏女三の宮を訪ね、共に小声で経を読み、鈴虫の音を聞いた。光源氏がいまだに女三の宮を思いきれないようなことをいうので、女三の宮迷惑に思うも言い出せない。


巻名は女三宮と光源氏の歌による
「おほかたの秋をばうしと知りにしをふり棄てがたきすず虫のこえ」
「こころもて草のやどりをいとへどもなほすず虫の声ぞふりせぬ」

※写真は、「鈴虫のイラスト」/無料(フリー)イラスト素材を使用


光源氏をとりまく人達が人生の華やいだ季節の終わりを感じています。50歳になった光源氏もまた老いを自覚し、出家を考えていました。


【源氏物語38帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
准太上天皇となった光源氏は栄華を極める。
朱雀院の娘、女三の宮を正妻とするが、女三の宮は柏木と通じてしまう。
最愛の妻・紫の上の没後、亡くなったことが示唆される。

女三の宮(おんなさんのみや)
第二部の重要人物。朱雀院の内親王。藤壺の中宮の姪であり、紫の上のいとこ。
光源氏の正妻として降嫁するが、子どもっぽく頼りない性格で源氏をガッカリさせる。
柏木と不倫関係になり、息子・薫を出産。源氏の冷たい態度と罪の意識に耐えられず出家する。

 


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』37帖 横笛(よこぶえ) 柏木の一周忌と遺品の横笛

2024年12月29日 | xx源氏物語

『源氏物語』37帖 横笛(よこぶえ)
柏木の一周忌と遺品の横笛
光源氏49歳 准太上天皇時代
夕霧28歳/女三の宮22歳/薫2歳

 ※源氏物語での「准太上天皇」(じゅんだいじょうてんのう)は、天皇に準ずる位。

[柏木の一周忌]
翌春、光源氏柏木の一周忌を盛大に営んだ。
朱雀院落葉の宮女三の宮の不運を嘆いた。

[遺愛の横笛]
夕霧落葉の宮を訪ねているうちに、いつしか心惹かれていった。
ある秋の夕暮れ、夕霧落葉の宮を訪ね、一条御息所(落葉の宮の母)から柏木遺愛の横笛を贈られた。


巻名は夕霧の歌による。
横笛のしらべはことにかはらぬを
       むなしくなりし音こそつきせぬ」


※写真は、「龍笛」/無料(フリー)写真素材を使用


その夜、夕霧は夢で柏木の亡霊と逢う。
柏木は「横笛は夕霧ではなく実子に伝えたい」という。
翌日、夕霧は六条院に光源氏を訪ね、柏木の夢を伝える。
光源氏は「その笛は自分が預かるべきものだ」という。
夕霧は真相を聞き出そうとするが、光源氏に話をそらされてしまう。


【源氏物語37帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
准太上天皇となった光源氏は栄華を極める。
朱雀院の娘、女三の宮を正妻とするが、女三の宮は柏木と通じてしまう。
最愛の妻・紫の上の没後、亡くなったことが示唆される。

柏木(かしわぎ)
頭中将の長男で、従兄弟の夕霧とは友人である。
血筋の高貴な内親王と結婚したいという強い理想を持った青年。
女三の宮の姿を垣間見して恋に落ち、密通の罪を犯す。
女三の宮は柏木の子を出産し、柏木は罪の意識により病気になり、亡くなる。

夕霧(ゆうぎり)
光源氏と葵の上の息子。イケメンだが、真面目で恋愛下手である。
雲居の雁と妾の藤典侍だけしか妻がいなかったが、柏木の没後、未亡人の落葉の宮に惹かれ、妻とする。

落葉の宮(おちばのみや)
朱雀院の女二の宮で、柏木の正室である。
柏木は、女三の宮に恋慕していたため、この正室を「落葉のようにつまらない人」と気に入らなかった。柏木が没した後は、夕霧の妻となる。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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●『源氏物語』36帖 柏木(かしわぎ) 女三の宮の出産と出家、柏木の死

2024年12月22日 | xx源氏物語

『源氏物語』36帖 柏木(かしわぎ)
女三の宮の出産と出家、柏木の死
光源氏48歳正月-秋 准太上天皇時代
柏木33歳(死去)/夕霧27歳/女三の宮23歳/薫1歳
※源氏物語での「准太上天皇」(じゅんだいじょうてんのう)は、天皇に準ずる位。

[女三の宮の出産]
翌春、女三の宮は男の子(薫)を産み、父朱雀院に哀訴して出家した。
帝は柏木の重病をあわれみ、権大納言に叙された。

[柏木の死]
柏木は見舞いにきた夕霧に秘密を打ち明け、光源氏の許しを乞い、落葉の宮(柏木の妻)の行く末を頼んで亡くなった。
4月、夕霧は落葉宮を訪ね、柏木をしのんだ。
将来を嘱望されていた柏木の死を誰もが惜しみます。


巻名は柏木の未亡人落葉の宮の母・一条御息所が詠む和歌にちなむ。
柏木に葉守の神はまさずとも
           人ならすべき宿の梢か」


※写真は、「カシワの葉っぱ 新緑」/無料(フリー)写真素材を使用


【源氏物語36帖に出てくる主な登場人物】

光源氏(ひかるげんじ)
准太上天皇となった光源氏は栄華を極める。
朱雀院の娘、女三の宮を正妻とするが、女三の宮は柏木と通じてしまう。
最愛の妻・紫の上の没後、亡くなったことが示唆される。

女三の宮(おんなさんのみや)
第二部の重要人物。朱雀院の内親王。藤壺の中宮の姪であり、紫の上のいとこ。
光源氏の正妻として降嫁するが、子どもっぽく頼りない性格で源氏をガッカリさせる。
柏木と不倫関係になり、息子・薫を出産。源氏の冷たい態度と罪の意識に耐えられず出家する。

柏木(かしわぎ)
頭中将の長男で、従兄弟の夕霧とは友人である。
血筋の高貴な内親王と結婚したいという強い理想を持った青年。
女三の宮の姿を垣間見して恋に落ち、密通の罪を犯す。
女三の宮は柏木の子を出産し、柏木は罪の意識により病気になり、亡くなる。

夕霧(ゆうぎり)
光源氏と葵の上の息子。イケメンだが、真面目で恋愛下手である。
雲居の雁と妾の藤典侍だけしか妻がいなかったが、柏木の没後、未亡人の落葉の宮に惹かれ、妻とする。

落葉の宮(おちばのみや)
朱雀院の女二の宮で、柏木の正室である。
柏木は、女三の宮に恋慕していたため、この正室を「落葉のようにつまらない人」と気に入らなかった。柏木が没した後は、夕霧の妻となる。


今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」(2024年)を解りやすく視聴見るために平安時代の勉強を兼ねて『源氏物語』のブログを書いています。『源氏物語』には、物語に欠かせない要素のひとつとして多くの「植物」が登場します。これなどを切り口に『源氏物語の花』『源氏物語の風景』をブログで表現できたらと思っています。

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