筑紫の国から『花つくし日記』

福岡から情報発信の山野草・庭の花などをテーマにしたブログです。
お花紹介は九州に咲く季節の花がメインですよ。

●d03 万葉の歌碑 巻5-830 太宰府市 太宰府天満宮菖蒲池畔(北側)

2024年12月12日 | 20.万葉の花鳥風月

万葉の歌碑を訪ねて


歌碑の設置場所/福岡県太宰府市
          太宰府天満宮菖蒲池畔(北側)

万葉集/巻5-830  作者/筑前介佐氏子首(ちくぜんのすけさしのこびと)

万代(よろづよ)に、年は来経(きふ)とも、梅(うめ)の花、
            絶(た)ゆることなく、咲(さ)きわたるべし


【意味】いつの世までも梅(うめ)の花は絶えることなく咲き続けるでしょう。

 天平2年1月13日、大伴旅人(おおとものたびと)の邸宅で催された宴会のときに詠まれた歌の一つです。


写真下 歌碑が置かれている場所に梅林の中にあります。
    また、縦長い歌碑であるため、字の上部が見えずらいです。

写真下 近くには、「曲水の庭」があり、ここも梅林です。

写真下 歌碑の場所は、梅の木に隠れた場所にあります。

見落とさないように行かれる方は、事前に調べて行った方が良いかも。


万葉の歌碑とは
万葉集の歌を刻みつけた碑が「万葉歌碑」です。 多くの人々に親しまれた万葉の歌を石に刻み、その歌を作った歌人を讃(たた)え、その歌が後の世に残ることを願っているのです。

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●d05万葉の歌碑 巻5-818 太宰府市 太宰府市役所前庭

2024年11月28日 | 20.万葉の花鳥風月

万葉の歌碑を訪ねて


歌碑の設置場所/福岡県太宰府市役所前庭

万葉集/巻5-818  作者/山上憶良(やまのうえのおくら)

春されば  まづ咲くやどの  梅の花
           ひとり見つつや    春日(はるひ)暮らさむ 


【意味】春になったらまっ先に咲く 敷地の庭の梅の花
  たったひとりでずっと見続け 春の日暮れを待つのかな

 ※「やど」家の敷地。庭先。

写真下 歌碑が置かれている大宰府市役所の玄関

写真下 歌碑の全景。

写真下 歌碑の説明文


万葉の歌碑とは
万葉集の歌を刻みつけた碑が「万葉歌碑」です。 多くの人々に親しまれた万葉の歌を石に刻み、その歌を作った歌人を讃(たた)え、その歌が後の世に残ることを願っているのです。


現在全国各地に設置されている万葉歌碑は2,000基を越えていると言われています。
歌碑の過半数が実際に歌碑が詠まれた場所、または歌碑に関連する場所に設置されており、「歌碑を訪ねる」=「実際に万葉の故地や史跡を訪ねる」ことになります。

私の地元「福岡県」は、大宰府政庁に関係する歌や防人の歌があり、万葉の歌碑も多くあります。
万葉歌碑から万葉の時代にタイムスリップし、万葉人に会える旅へ出かけてみましょう。!

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防人の歌 万葉集/巻20-4332

2024年11月21日 | 20.万葉の花鳥風月

防人の歌 (万葉集より)

万葉集/巻20-4332  作者/大伴家持(おおとものやかもち)

ますらをの  靫(ゆき)取り負(お)ひて  出でて行(い)けば
                  別れを惜しみ    嘆きけむ妻

【意味】雄々しい夫が靫を背負って 出て行く姿を見たときに
    別れを惜しんで悲しくなって 泣いたであろう その妻は

 ※「靫」矢を入れて背に負う武具。
 ※「嘆きけむ」〈嘆く〉悲しんで泣く。〈けむ〉過去推量。

「万葉の歌」に触れて、万葉時代にタイムスリップしてみませんか。


防人・・・➡「 崎 さき 守 もり 」の意味

古代、筑紫(つくし)・壱岐・ 対馬 など北部九州の防備に当たった兵士。 663年の 白村江 はくそんこう の戦い以後制度化され、初め諸国の兵士の中から3年交代で選ばれ、のちには東国出身者に限られるようになった。

防人歌(さきもりのうた)とは、九州沿岸の守りについた防人の詠んだ歌。 また、その家族などが哀別の情を詠んだものをもいう。 万葉集の巻14・巻20にあります。

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万葉集/巻16-3838 生き物を詠んだ歌 牛(うし)  2024年11月

2024年11月14日 | 20.万葉の花鳥風月

万葉集には、自然、草花、四季、生き物などがたくさん登場します。
今日、紹介するは、生き物を詠んだ  牛(うし) の歌です。

万葉集/巻16-3838  作者/安倍子祖父(あべのこおぢ)

我妹子(わぎもこ)が  額(ひたい)に生(お)ふる  双六(すごろく)
                         牡(ことい)の    倉(くら)の上の瘡(かさ) 

【意味】俺のかかあの額(ひたい)に生えた〈角(つの)ではなくて〉双六の
    〈駒ではなくて〉特負(ことい)の
    〈鞍ではなくて〉倉の上の 〈屋根でも笠でもない〉おでき

 ※「双六」奈良時代に中国から伝えられた室内遊戯。
 ※「牡の牛」重い荷を負うことのできる強健な雄牛。
 ※「瘡」できもの。はれもの。
 ※〈私の妻のひたいにおできができた〉ということを、
             まわりくどさで表現した歌である。

万葉人が豊かな自然の中に暮らした時代を歌で楽しみましょう。

※写真は、Canvaのフリー写真素材を使用

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万葉集/巻14-3537  馬(うま)

2024年10月31日 | 20.万葉の花鳥風月

万葉集には、自然、草花、四季、生き物などがたくさん登場します。
今日、紹介するは、馬(うま)を詠んだ歌です。

馬を詠んだ歌はかなりあります。万葉歌では、馬、駒(こま)、
赤駒、黒駒、
黒馬、青馬
などと詠まれています。

万葉集/巻14-3537  作者/不明 

(くへ)越しに 麦(むぎ)(は)小馬(こうま)の はつはつに
       相(あい)見し子らし あやに愛(かな)しも


【意味】柵(さく)の外から仔馬が麦を やっとの思いで食うように
    ようやく逢瀬のかなった娘が なんとも言えずいとおしい

 ※「子馬」作者(男)の比喩。
 ※「はつはつに」わずかに。
 ※「相見る」男女が関係を結ぶ。
 ※「児ら」女性を親しんで呼ぶ語。
 ※「あやに」なんとも言いようがなく。驚くほど。

万葉人が豊かな自然の中に暮らした時代を歌で楽しみましょう。


※写真は、Canvaのフリー写真素材を使用

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