フロランタン

音を立てて　　晩秋の雨が降る
まだ　長月だというのに
でじたる本のページをくりながら
温かいジャスミン茶をのみながら
天井から聞こえてくる曲の歌詞に時より耳を寄せる

ジャスミン茶のお供に
いただき物のフロランタン
固すぎず　柔らかくなく
甘すぎず　辛い物でなく
このお菓子を初めて口にしたのは
いつのことかしら

谷中にフロランタンの専門店がある
一口サイズのフロランタンが4個
何種類かの袋を買って
ふらふらと散歩をするのが好きだったりする

上野の森を裏側から入り込む時に
このフロランタンを口に含みながら
ぶらぶらと歩く
あの森が色づいたころ
またフロランタンを食べながら
散歩をしたい

窓の外は冷たい風が吹き始めている
その窓際のテーブルには
機関紙が数冊と
ちょうだいした本が数冊
こんな天気の日にゆっくりと
指先でページをめくって
紙と活版の心触りの良さに
驚いたりする

週末は万年筆とインクの展示会へ行ってみようと思う
何か新しい色に出会えるだろうか
秋色と冬色のインクに出会えるといいな



Good day and Peace and Love






オフコース　秋の気配



いま　できることを　すこしづつ　だれかのために



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