月の雫海の吐息

月海です。うさうさと感じるままに、思うままに、
言の葉つづりしてます

ランブル

2014-05-09 21:17:00 | 恋物語
ドアを手前に引くと
頭の上で懐かしいような
カウベルの音が けたたましく音を立てる
そんな音に関係なく
ゆっくりとドアは閉まる


ほんのり 照度を落としてある店内
珈琲と煙草の匂いが香っている

ちょうどよく落ち着いた頃合いのマスターらしき男性
それに見合うほどの女性

少しだけ落ち着かない男性


カウンターには
スーツ姿の中年が二人
程よい距離を置きながら座っている

待ち合わせの相手は
まだ 到着していない


マスターに見合うほどの女性が席を進めてくれる

丸テーブルにセンターには灰皿が埋め込まれている
もともとはスタンドタイプの店で使いそうなテーブルが並んでいる
壁にかけられたドライフラワーのモニュメントが
すっかり色を失っている
そんなモノトーンの飾りがよく似合う
店の壁も深い色合いを呈している


メニューを眺めていると
眉間に深いしわを見せながら笑顔でマスターがやってくる
シングル ダブルと 値段の上にふってあり
カップのサイズと教えてくれる

中濃と極濃い
細やかにオーダーできるようになっていた

シングルサイズ
ブラジルの古木を頼んだ



壁に備え付けてある書棚には
珈琲の話の本が ずらっと並んでいる


今日は難しい話はさけて
しずかに 眺めながら珈琲を待った


ほどなく
デミタスカップにコーヒーが注がれてくる



深く渋めの
甘い珈琲の香り
懐かしいブラジルコーヒーの香り


程よい飲み頃の温度で
香りを飛ばさないように注意深く
抽出されたことがよくわかる

砂糖もミルクもいらない
静かにこの香りだけを
口の中に広げて楽しみたい



飲みごろの温度だけれど
カップのサイズのおかげで
温まないうちに
胃にしみこんで消えて行った



今日は申し訳ないけれど
このコーヒーのように
待ち合わせはなかったことにして
ここから消えてしまおう




どこかで
ひとことメールを送ろう



珈琲の香り
ありがとう






あなたとは


もう


会えない















Good day and Peace and love




いま できることを すこしづつ だれかのために



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