前回のあらすじ:大学は見終わった。大学は。
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南北線で某T大を後にした私は、四ッ谷で下車。中央線に乗り換えます。
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すぐにやってきたE233系で、一路西に向かいます。
[種別:青梅特快 中央(東)・青梅線 1337T 東京13:06→青梅14:21]
《四ッ谷13:15発》
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新宿を過ぎると、中央線は立川までひたすら直線が続きます。特に三鷹までの複々線は見ごたえ十分です。
《立川13:46着》
そのまま乗っていると青梅線に連れていかれるので、分岐点の立川で快速高尾行に乗り換えます。対面乗り換えなのでタイムロスもなく孝雄に向かいます。
[種別:快速 中央(東)線 1213H? 東京12:52?→高尾14:04]
《立川13:46発》
過去の時刻表が消えているので詳細は分かりませんが、E233系の快速でさらに西に向かいます。
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高尾到着目前で、長野色の115系とすれ違いました。高尾で系統が切れる中央線ですが、車両留置の関係で、時折山梨・長野から立川まで乗り入れる列車があります。
《高尾14:04着》
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14時過ぎに高尾に到着。東西両方向から発着する割に2面4線(内1線は東京方のみ発着できる行き止まり線)と余裕はなく、さらには30分に1本特急が通り過ぎていきます。E233系もすぐに折り返し準備を整えます。
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本来は上り本線の2番線に、留置線からやって来た長野色の115系が到着。線路を塞がないうちにと、入線すぐに発車します。
[種別:普通 中央(東)線 549M 高尾14:13→甲府15:48]
《高尾14:13発》
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高尾を発車すると、115系は最初の山越え区間に挑みます。次の相模湖までは約10分。山あいを走る中央本線ですが、実はこの区間が最大駅間になっています(営業キロで9.5㎞)。
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115系1000番台は、113系をベースに、山岳路線用のブレーキと耐雪設備を備えます。山がちで雪も降る中央本線にはもってこいの車両です。2013年のダイヤ改正まで、山梨・長野のJR線はほとんど115系でした。
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セミクロスシートの端のプラスチックのガードに、スズランが描かれています。
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相模湖を過ぎると、しばらくは盆地を走ります。写真は梁川付近です。
《大月14:50着》
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山梨に入って最初の大きな町・大月に到着。河口湖に向かう富士急行が分かれる駅で、特急も停車する主要駅です。
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この駅で「スーパーあずさ19号」(新宿14:00→松本16:26)を待避します。高速道路に対抗して特急は130㎞/hで走っているので、普通列車もちんたら走ってはいられません。
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列車は甲府まで向かいますが、ここで一旦降ります。
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富士急のホームには元京王5000系の2100系が停車中。
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駅北側には、中央線を走るもう一つの115系――豊田車両センター(八トタ)のスカ色115系が停まっていました。
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横須賀線で始まったこの塗色ですが、総武快速線の流れを継いだ千葉の113系がいなくなった今、この115系が国鉄型車両で唯一のスカ色です(帯色としてはE217系に残る)。
中央線とはなんも関係がないのに、なんでスカ色なのか? その答えは、中央線の客車列車を置き換えるときに横須賀線のお古(70系・72系)が持ち込まれ、それを115系が置き換えたからです。
もうお分かりですね。これからこのスカ色115系で西を目指します。
……といきたいのですが、15時21分の発車まで時間があるので、一度改札を出ることにしました。
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大月駅駅舎。山梨で阿波踊り……?
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駅前の様子。
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再び中に入ると、115系が入ってくるところでした。車庫に停まっていた編成ではなく、韮崎からやってきた列車です。
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ライトが切り替わり、いそいそと折り返し準備を始める115系。334M(韮崎14:06→大月15:16)としてやってきた115系は、わずか5分で折り返します。
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甲府側先頭。クハ+モハ+クモハの3両編成です。
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E233系と115系。並んでいるE233系は、1時間に1本ある東京からの直通列車(1351T~1351M:東京13:10→大月15:09)です。東京起点87.6kmという数字は、小田原(東京起点83.6㎞)とほぼ同じ。首都圏に組み込まれているのが分かります。
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八トタの115系は全てシングルアームパンタグラフに変えられています。
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まもなく発車です。
[種別:普通 中央(東)線 343M 大月15:21→小淵沢16:58]
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《大月15:21発》
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115系は大月盆地を見下ろすように徐々に高度を上げていきます。次なる難関は笹子峠。中央本線が並走する甲州街道の難所の一つでしたが、鉄道では全長4,656mの笹子トンネルでつないでいます。明治に開業したトンネルで4㎞というのは大変長いものです。1965年の複線化で上り線用の新笹子トンネルが完成しましたが、以後も現役で使われ続けています。
堅牢なトンネルは中央本線の価値を大いに引き上げましたが、同時に問題も起こしました。それが電化です。明治期のトンネルのため、トンネル断面が小さかったのです。このことは1931年の電化で問題になり、できるだけ天井に近いところに架線を引きましたが、それでも従来よりも1メートルも下の位置になってしまったのです。
結局、車両のパンタグラフを下げることで解決することにしました。パンタグラフのある部分のみ、もしくは屋根全体を低くし、何とか通れるようにしたのです。この車両には800番台が振られています。中央線の115系は前者です。
後に、パンタグラフ自体をを小さくして通れるようにした(PS23形など)ケースも生まれましたが、21世紀の現在でも中央本線を通れる車両には制限があります。千葉の113系が長野まで廃車回送されたときに、距離的に近い中央本線経由ではなく上越線経由だったのは記憶に新しいです。
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乗ったのはリニューアル編成でした。背もたれなどが変わっています。
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甲斐大和からは再び下りに。途中の勝沼ぶどう郷は25パーミルの勾配上にあり、ホームが傾いているのが目に見えてわかるほどです。
《塩山 15:51着》
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甲府盆地の入り口、塩山に到着。
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「えんざん」と読みます。
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ここで「かいじ111号」(新宿14:30→甲府16:08)に道を譲ってから、再び西へ――
といかないのが私の旅行です。
この日、私はとある切符を使っていました。
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そう、ご存じ青春18きっぷ。
普通列車乗り放題の切符があって、115系に一回しか乗らないなんて……!
というわけで戻ります。
[種別:普通 中央(東)線 556M 小淵沢14:30→高尾17:15]
《塩山 15:59発》
《大月 16:32着》
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この時、大月以西の普通は100%115系でした。本数の問題で長野色に当たる方が多かった(※…小淵沢より東は八王子支社だが、甲府以東でも長野支社所属の長野色115系は頻繁に現れる)ですが。
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先ほどと同じホームに、スカ色の115系が停まっています。
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しかも2本も!
3両編成×2本で6両編成を組んでいます。
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高尾からやって来た115系は、ここで「かいじ113号」に抜かれます。
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乗り通してもよかったのですが、既に211系の置き換えが予想されていたので、たくさん乗る方を優先しました。
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スカ色を6両も連ねた列車で大月を去りました。
[種別:普通 中央(東)線 553M 高尾15:41→小淵沢18:23]
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先ほどと同じ区間なので塩山までは省略します。
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ゆるやかなカーブを描き、115系は大月盆地を後にします。
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車内で寝ていた高校生。
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ガラガラなので注意する気も起きませんでしたが。
《山梨市17:17着》
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塩山から二つ目の山梨市で停車。
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隣を「スーパーあずさ23号」が通過……って速っ!!
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山梨市駅のホームは全体的にカーブしていますが、振り子式のE351系「スーパーあずさ」には些細な問題のようです。
《甲府 17:36着》
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夕時の甲府駅に到着。夏休みなせいかあまり人が乗ってきません。
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115系とはここでお別れです。
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ダッシュで身延線のホームに向かいます。ここから静岡へ帰るには身延線ルートしかありません。
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5番線には17時41分発の富士行が発車準備を終えて待機中。313系の車内に駆け込み、なんとか首の皮一枚で繋がりました。
[種別:普通 身延線 3638M 甲府17:41→富士20:27]
《甲府17:41発》
身延線を通るのはこの時に始まったことではありません。静岡から長野に向かうには最短のルートですし、中央線・身延線のルートも乗り甲斐があります。
が、身延線を乗りとおすには少し考えなければなりません。
まずは本数。富士川沿いに富士と甲府を結ぶ身延線は、沿線人口≓需要がさほど多くありません。末端の富士―西富士宮間と甲府―鰍沢口間でも20~30分に一本。その他の区間は1時間~2時間に1本程度しかありません。さらに、身延線がJR東海なせいか、JR東日本が運営する中央本線との接続がよくありません。中には4分差で乗り継げないケースも……
そして遅い。もとが富士身延鉄道という私鉄だったということもあり、およそ2㎞に1駅という短さで駅が存在します。その上、線路規格が低く、山に沿って走る芝川~身延は50㎞/h制限が連続。単線なので、列車交換の度にさらに速度は落ちます。静岡と山梨を結ぶ重要なルートということで特急「(ワイドビュー)ふじかわ」が走っていますが、表定速度はおよそ55㎞/h(静岡~甲府122.4㎞を、約2時間15分で結ぶ)と、特急のスピードではありません。
《東花輪18:06発》
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東花輪~甲斐上野に架かる笛吹川橋梁。重厚なトラス鉄橋で川を渡ります。
《富士20:27着》
その後、313系は順調に身延線を南下し、日がとっぷりと暮れた夜の富士駅に到着しました。所要時間2時間46分、表定速度(停車時間を入れた平均速度)31.9㎞/hという鈍足ぶりでした。そりゃあ身延に着くまで(身延19:03着)で飽きます。
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あとは静岡まで帰るだけ。
[種別:普通 東海道本線 479M 熱海19:49→浜松22:25]
《富士20:36発》
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《静岡21:11着》
以上、「下見をしよう!」でした。
受験生の皆さん、下見の重要性が分かりましたか?
次回は下旬編です。
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南北線で某T大を後にした私は、四ッ谷で下車。中央線に乗り換えます。
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すぐにやってきたE233系で、一路西に向かいます。
[種別:青梅特快 中央(東)・青梅線 1337T 東京13:06→青梅14:21]
《四ッ谷13:15発》
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新宿を過ぎると、中央線は立川までひたすら直線が続きます。特に三鷹までの複々線は見ごたえ十分です。
《立川13:46着》
そのまま乗っていると青梅線に連れていかれるので、分岐点の立川で快速高尾行に乗り換えます。対面乗り換えなのでタイムロスもなく孝雄に向かいます。
[種別:快速 中央(東)線 1213H? 東京12:52?→高尾14:04]
《立川13:46発》
過去の時刻表が消えているので詳細は分かりませんが、E233系の快速でさらに西に向かいます。
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高尾到着目前で、長野色の115系とすれ違いました。高尾で系統が切れる中央線ですが、車両留置の関係で、時折山梨・長野から立川まで乗り入れる列車があります。
《高尾14:04着》
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14時過ぎに高尾に到着。東西両方向から発着する割に2面4線(内1線は東京方のみ発着できる行き止まり線)と余裕はなく、さらには30分に1本特急が通り過ぎていきます。E233系もすぐに折り返し準備を整えます。
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本来は上り本線の2番線に、留置線からやって来た長野色の115系が到着。線路を塞がないうちにと、入線すぐに発車します。
[種別:普通 中央(東)線 549M 高尾14:13→甲府15:48]
《高尾14:13発》
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高尾を発車すると、115系は最初の山越え区間に挑みます。次の相模湖までは約10分。山あいを走る中央本線ですが、実はこの区間が最大駅間になっています(営業キロで9.5㎞)。
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115系1000番台は、113系をベースに、山岳路線用のブレーキと耐雪設備を備えます。山がちで雪も降る中央本線にはもってこいの車両です。2013年のダイヤ改正まで、山梨・長野のJR線はほとんど115系でした。
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セミクロスシートの端のプラスチックのガードに、スズランが描かれています。
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相模湖を過ぎると、しばらくは盆地を走ります。写真は梁川付近です。
《大月14:50着》
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山梨に入って最初の大きな町・大月に到着。河口湖に向かう富士急行が分かれる駅で、特急も停車する主要駅です。
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この駅で「スーパーあずさ19号」(新宿14:00→松本16:26)を待避します。高速道路に対抗して特急は130㎞/hで走っているので、普通列車もちんたら走ってはいられません。
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列車は甲府まで向かいますが、ここで一旦降ります。
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富士急のホームには元京王5000系の2100系が停車中。
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駅北側には、中央線を走るもう一つの115系――豊田車両センター(八トタ)のスカ色115系が停まっていました。
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横須賀線で始まったこの塗色ですが、総武快速線の流れを継いだ千葉の113系がいなくなった今、この115系が国鉄型車両で唯一のスカ色です(帯色としてはE217系に残る)。
中央線とはなんも関係がないのに、なんでスカ色なのか? その答えは、中央線の客車列車を置き換えるときに横須賀線のお古(70系・72系)が持ち込まれ、それを115系が置き換えたからです。
もうお分かりですね。これからこのスカ色115系で西を目指します。
……といきたいのですが、15時21分の発車まで時間があるので、一度改札を出ることにしました。
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大月駅駅舎。山梨で阿波踊り……?
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駅前の様子。
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再び中に入ると、115系が入ってくるところでした。車庫に停まっていた編成ではなく、韮崎からやってきた列車です。
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ライトが切り替わり、いそいそと折り返し準備を始める115系。334M(韮崎14:06→大月15:16)としてやってきた115系は、わずか5分で折り返します。
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甲府側先頭。クハ+モハ+クモハの3両編成です。
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E233系と115系。並んでいるE233系は、1時間に1本ある東京からの直通列車(1351T~1351M:東京13:10→大月15:09)です。東京起点87.6kmという数字は、小田原(東京起点83.6㎞)とほぼ同じ。首都圏に組み込まれているのが分かります。
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八トタの115系は全てシングルアームパンタグラフに変えられています。
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まもなく発車です。
[種別:普通 中央(東)線 343M 大月15:21→小淵沢16:58]
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《大月15:21発》
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115系は大月盆地を見下ろすように徐々に高度を上げていきます。次なる難関は笹子峠。中央本線が並走する甲州街道の難所の一つでしたが、鉄道では全長4,656mの笹子トンネルでつないでいます。明治に開業したトンネルで4㎞というのは大変長いものです。1965年の複線化で上り線用の新笹子トンネルが完成しましたが、以後も現役で使われ続けています。
堅牢なトンネルは中央本線の価値を大いに引き上げましたが、同時に問題も起こしました。それが電化です。明治期のトンネルのため、トンネル断面が小さかったのです。このことは1931年の電化で問題になり、できるだけ天井に近いところに架線を引きましたが、それでも従来よりも1メートルも下の位置になってしまったのです。
結局、車両のパンタグラフを下げることで解決することにしました。パンタグラフのある部分のみ、もしくは屋根全体を低くし、何とか通れるようにしたのです。この車両には800番台が振られています。中央線の115系は前者です。
後に、パンタグラフ自体をを小さくして通れるようにした(PS23形など)ケースも生まれましたが、21世紀の現在でも中央本線を通れる車両には制限があります。千葉の113系が長野まで廃車回送されたときに、距離的に近い中央本線経由ではなく上越線経由だったのは記憶に新しいです。
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乗ったのはリニューアル編成でした。背もたれなどが変わっています。
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甲斐大和からは再び下りに。途中の勝沼ぶどう郷は25パーミルの勾配上にあり、ホームが傾いているのが目に見えてわかるほどです。
《塩山 15:51着》
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甲府盆地の入り口、塩山に到着。
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「えんざん」と読みます。
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ここで「かいじ111号」(新宿14:30→甲府16:08)に道を譲ってから、再び西へ――
といかないのが私の旅行です。
この日、私はとある切符を使っていました。
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そう、ご存じ青春18きっぷ。
普通列車乗り放題の切符があって、115系に一回しか乗らないなんて……!
というわけで戻ります。
[種別:普通 中央(東)線 556M 小淵沢14:30→高尾17:15]
《塩山 15:59発》
《大月 16:32着》
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この時、大月以西の普通は100%115系でした。本数の問題で長野色に当たる方が多かった(※…小淵沢より東は八王子支社だが、甲府以東でも長野支社所属の長野色115系は頻繁に現れる)ですが。
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先ほどと同じホームに、スカ色の115系が停まっています。
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しかも2本も!
3両編成×2本で6両編成を組んでいます。
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高尾からやって来た115系は、ここで「かいじ113号」に抜かれます。
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乗り通してもよかったのですが、既に211系の置き換えが予想されていたので、たくさん乗る方を優先しました。
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スカ色を6両も連ねた列車で大月を去りました。
[種別:普通 中央(東)線 553M 高尾15:41→小淵沢18:23]
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先ほどと同じ区間なので塩山までは省略します。
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ゆるやかなカーブを描き、115系は大月盆地を後にします。
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車内で寝ていた高校生。
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ガラガラなので注意する気も起きませんでしたが。
《山梨市17:17着》
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塩山から二つ目の山梨市で停車。
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隣を「スーパーあずさ23号」が通過……って速っ!!
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山梨市駅のホームは全体的にカーブしていますが、振り子式のE351系「スーパーあずさ」には些細な問題のようです。
《甲府 17:36着》
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夕時の甲府駅に到着。夏休みなせいかあまり人が乗ってきません。
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115系とはここでお別れです。
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ダッシュで身延線のホームに向かいます。ここから静岡へ帰るには身延線ルートしかありません。
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5番線には17時41分発の富士行が発車準備を終えて待機中。313系の車内に駆け込み、なんとか首の皮一枚で繋がりました。
[種別:普通 身延線 3638M 甲府17:41→富士20:27]
《甲府17:41発》
身延線を通るのはこの時に始まったことではありません。静岡から長野に向かうには最短のルートですし、中央線・身延線のルートも乗り甲斐があります。
が、身延線を乗りとおすには少し考えなければなりません。
まずは本数。富士川沿いに富士と甲府を結ぶ身延線は、沿線人口≓需要がさほど多くありません。末端の富士―西富士宮間と甲府―鰍沢口間でも20~30分に一本。その他の区間は1時間~2時間に1本程度しかありません。さらに、身延線がJR東海なせいか、JR東日本が運営する中央本線との接続がよくありません。中には4分差で乗り継げないケースも……
そして遅い。もとが富士身延鉄道という私鉄だったということもあり、およそ2㎞に1駅という短さで駅が存在します。その上、線路規格が低く、山に沿って走る芝川~身延は50㎞/h制限が連続。単線なので、列車交換の度にさらに速度は落ちます。静岡と山梨を結ぶ重要なルートということで特急「(ワイドビュー)ふじかわ」が走っていますが、表定速度はおよそ55㎞/h(静岡~甲府122.4㎞を、約2時間15分で結ぶ)と、特急のスピードではありません。
《東花輪18:06発》
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東花輪~甲斐上野に架かる笛吹川橋梁。重厚なトラス鉄橋で川を渡ります。
《富士20:27着》
その後、313系は順調に身延線を南下し、日がとっぷりと暮れた夜の富士駅に到着しました。所要時間2時間46分、表定速度(停車時間を入れた平均速度)31.9㎞/hという鈍足ぶりでした。そりゃあ身延に着くまで(身延19:03着)で飽きます。
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あとは静岡まで帰るだけ。
[種別:普通 東海道本線 479M 熱海19:49→浜松22:25]
《富士20:36発》
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《静岡21:11着》
以上、「下見をしよう!」でした。
受験生の皆さん、下見の重要性が分かりましたか?
次回は下旬編です。
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