このところ外房は深刻な不漁続き。
原因はわかっている。
フグの異常発生のせいだ。
毎年この時期は「フグ風呂」に悩まされるが、今年は特にひどい。
この閉塞した状況を打開するには、いったいどうしたらいいだろう?
「そうだ!南房に行ってみよう♪」
南房に行けば、きっとフグも居ないに違いない。
尺アジや、尺ギスや、40センチオーバーのメジナや、50センチオーバーのクロダイや、マダイやイサキやシマアジやカンパチやヒラマサなんかがそこら中をうようよ泳いでいるに違いない。
そうだそうだ、絶対そうだ!
・・・かくして、つぶれかけた会社のワンマン社長が思いつく起死回生プロジェクトと同じくらい根拠のない希望的観測をもって南房突入計画の実行を決定した管理人。
長旅になりそうなので、出発前にちょっとだけ仮眠をとることにした。
深夜の運転に眠気は大敵だからね。
それではしばし、おやすみなさーい♪
ZZZZZZZZ・・・・・・・・・・
ん?
あれ?
なんだ?
ありゃりゃ!
寝過ごした!
もうほとんど朝だし。
いまからじゃ、とても南房なんか行けねーし。
うぎーーーーっ!
・・・というわけで、やってきたのは結局いつもの勝浦漁港・墨名堤防。
時刻は朝4時半。すでに夜も明けている。

幸い、湾内の海は穏やかで、濁りは入っていない。
キス釣りにはぴったりのコンディションだ。
さっそくちょい投げタックルを準備して、テトラの上から釣り開始。
餌は青イソメ。
第1投目。
着底した仕鰍ッをゆっくりさびいてくると、ぶるぶるっと竿先を震わせるキス独特のアタリ。
幸先良く本日の1匹目をゲット♪
続いて2投目。
さっきと同じ辺りまでサビいてくると、またまた"ぶるぶる"♪
2匹目をゲット♪
やったね、入れ食いじゃん。
そして3投目。
ゆっくりさびいてくると・・・
あれ?なんかもぞもぞしてる。
中途半端な抵抗感。
こ、これはもしかして~~~。
そうです。フグです。
釣師の天敵、永遠の宿敵、フグちゃんです。
高価なシロギス用仕鰍ッのハリスを一発で噛み切ってくれる、経済観念ゼロのフグちゃんです。
んにゃろーめっ!
できるだけフグに食いつかれないようにと、仕鰍ッをさびくスピードを徐々に上げる管理人。
それでも追いかけてくるフグ軍団。
さらにリールを巻く手を早める管理人。
なおも食い下がるフグ軍団。
もはやテンビンは底を這ってなどいない。
浮き上がってスイミングしている。
いったい何をやっているんだ俺は?
こんなんじゃキスなんか釣れねーだろ。
でもいいのだ!フグに負けるわけには行かないのだ!
海面を挟んで繰り広げられる激しい攻防・・・。
そうこうするうちに、底層をスイミングさせていた仕鰍ッにアジが食いついてきた。
目の前で動くものに思わず反応したのだろう。
もう一度キャストし、さっきと同じスピードで引いてくると、またまたアジがヒット!
ほほう、これならルアー(ワーム)でもがんがん釣れるね。
さらに、アジに続いて今シーズン初のショゴ(カンパチの幼魚)がヒット。
まだ小さいけれど、あと1ヶ月もすればまずまずのサイズに成長するはずである。
食べて美味しいし、引きは抜群に強いし、外房の夏のメインターゲットだとひそかに思っているのだが、どうでしょう?
そのほか、勝浦湾の定番外道であるホウボウや豆シマアジも同じ釣り方でヒットした。
ホウボウもきっとルアーで釣れる魚なんだね。

朝7時を過ぎると、アジの気配もきれいさっぱり消えてしまった。
堤防周りはもはや完全にフグ軍団に占領され、奪還はまず不可能。
これ以上粘ってみても、無駄に兵糧を消費するだけである。
もはや撤退するしか道はない。
いやあ、本日も負け戦でした!
いつもより早いが、本日はこれにて納竿。
釣果の方は「とほほ」だったけど、思いがけず「アジング」(アジのルアーフィッシングのこと)の練習もできたし、ショゴの姿も確認できたし、まあよしとしようか(笑)。
でも、次回は絶対リベンジしてやるぞっ!
<追記>
帰路、守谷まで足を伸ばして磯の様子を覗いてみた。
ここでもフグの攻撃が激しくて、今日は釣りにならなかったそうだ。
海岸では、夏休みシーズンに向けて「海の家」の仮設工事が進んでいた。
もうすぐ夏だね!


・・・・・・・・・・・・・・・
<本日のBGM>
レッド・ツェッペリン"フォー・シンボルズ"(1971)
