風のアルバム

些細な記憶の断片

絵の具箱 (20 years old)

2024-09-20 09:13:15 | 日記

大学入学の祝いに油絵の具のセットを

いただきました

早速描いたのは 生家の母屋と離れをつなぐ

渡り階段の「下」でした

三角のトンネルになっている渡り階段の下の

構図が面白かったので描いてみたのですが

出来た絵はちっとも面白くない物になりました

 

 

 

 

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大工さんの音 around 1970(my childhood)

2024-09-19 07:20:19 | 日記

 

物心着く頃から

野原や林 田畑があれよあれよと宅地に変わり 

次から次へと家が建てられていきました

大工さんがいないことを確かめて 私は誰の家とも知らない

近所のまだ壁もない骨組みだけの家の2階に登りました

木の匂いと遠くから大工さんが釘を打つ音

カンカンカン……が聞こえてくるのが好きでした

 

 

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ハラン (?〜20 years old)

2024-09-18 06:38:09 | 日記

 

父の庭の端っこにはハランの繁る一画がありました

ハランはおせちの重箱には欠かせないアイテムでした

ギザギザにカットして ご馳走の仕切りに使うのです

出来るだけ家にある物でまかなう…

貧乏子沢山家庭ならではの工夫と妥協は

おせち料理にも生かされました

私の幼い頃の曖昧な記憶ではありますが

おせちは数の子と栗きんとんと蒲鉾以外は

母の手作りで占められていたと言ってもいいくらい

ホームメイドでした

 

 

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4両か5両か6両か in 1972 (10 years old)

2024-09-17 07:16:06 | 日記

 

給食を食べたあとベランダに出て

キクちゃんと電車を見ていました

高台にある校舎の3階からは 電車がガタンゴトン

暢気に走るのがよく見えるのでした

「次に来るのは何両かな?」

「うーん…6両かな」

やがて電車が来ます

「あ、はずれ 4両だ」

「残念…」

のんびりと過ごした午後のベランダの思い出です

 

 

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松の木 (19 years old)

2024-09-16 07:16:20 | 日記


ある年の真冬

父と義兄と隣のペンキ職人さんと私 素人4人で

育ち過ぎた庭の松の木を切り倒しました

いよいよ倒れる時の迫力

ミシミシ…バリバリバリ…ズドン!

断末魔にも聴こえる凄みのある松の木の最期でした

後に残ったのは横たわった松の木と切なさでした

 

 

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