6月26日に東映アニメーションの株主総会の記事を書きましたが、
質疑応答でどうも
「最近ハピネスチャージプリキュアの様子がかなりおかしいんだが」
と思いましたので、ここで解説をしていきたいと思います。
(質問2)
来年のプリキュアはあるのか。ここのところ視聴率が落ちていると思われる。これからの展望について。
東映アニメでの回答者は、清水取締役でした。「たしかに数字が落ち込んでいる。」といういわば敗北宣言であるのです。その発端となったのは、「他社のアニメのアイカツ」「他社のアニメの妖怪ウォッチ」と言っています。この他社というのは何だろうか?そもそも2つともバンダイとレベルファイブです。
アイカツは、バンダイナムコの計数資料によると、2013年度(2013/4-2014/3まで)150億円の売上がありました。しかし、プリキュアは100億円で昨年よりも落ちていたようです。平均視聴率では、アイカツは2%。プリキュアは5%ですから、視聴しているのはプリキュアということになります。
しかし、東映アニメは、版権(いわゆる玩具のシールやCDグッズ)が収入の柱ですから、グッズが売れないとどうしようもありません。しかも、収入先分散しているので、なかなか難しいということがあるでしょう。一方バンダイは、自社グループで展開していますから、収入はすべてバンダイナムコとなります。
同じデータカードダスを出しながら、アイカツは大盛況。プリキュアは、全くやっていないということが起こっているのです。それは、アイカツは100円だせばプレミアムにかかわらずカードが排出されますが、プリキュアは、プレミアムカード相当のプリカードを1300円セットで買わせるという手段が異なります。したがって、おなじきせかえでも、アイカツのほうが人気が高いわけです。
<売上の展開>
プリキュアー>おもちゃー>バンダイ
音楽映像ー>マーベラス ー>東映アニメ
その他ー>ムービックやエンスカイなど
*すべて独立グループ
アイカツー>おもちゃー>バンダイ
音楽映像ー>ランティス・ハピネット ー>バンダイナムコ
その他ー>バンプレスト
*すべてバンダイナムコグループなので売上はバンダイナムコHDとなる
非常に危機感をもっている。絶対に勝ってやると宣言。
とはいえ、このことから判断すると、東映アニメは、グッズでの版権売上をすごく気にしているようです。実際、それぞれのグッズの特徴をみていくと
(おもちゃ)
プリキュア:高価なおもちゃのラインナップがおおい。
アイカツ:安価でアパレル関係が多い。実在コラボも多数あり。
(音楽映像)
プリキュア:絵柄が貼り付け(しょぼい・金太郎飴)
アイカツ:オリジナルが多い(華やか・かわいい)
(アニメストーリー)
プリキュア:全員特別扱い。百合描写がおおい。戦闘しているように見えない。2次創作多数ありで同人誌のえじきである。
アイカツ:全員平等である。アイドル活動に一直線である。イノセントである。2次創作は少なめ。
となるわけです。女児アニメは、これまで、長年プリキュア1本やりで通し、あぐらをかいていたんですが、相次ぐライバルがでて戸惑っているとしかいいようがありまえん。ワールドカップサッカーのように
絶対に負けられない戦いがそこにある!
というんでしょうかねえ。
現在映画を企画中(今年秋と来年春を予定)「人形の国のバレリーナ」
ハピネスチャージプリキュアの映画はバレリーナをモチーフにする映画を予定しているようです。これって、ディズニー映画を本当に意識してようです。このあとの質問でも出てきますが、「アナと雪の女王」が予想外のヒットということで、東映アニメとしてはなんとかして、興行収入をあげたいという考えなのでしょう。
来年度(12作目)新作は、作るという方向で企画している。攻めの姿勢で作ると意気込む。
やはり、次年度も作るんだね。ふーん。でも、これだけプリキュア離れがあるんじゃ、考えなくては行けないんじゃないかというのが、次の質問でありました。
毎年新しい形で展開しているので、確実にファン(ターゲットの幼児)を固めている。いろいろな作品がでてきてもその都度それ以上のことをやるので期待して欲しい。
幼児は年をたつにつれ、小学生になり、プリキュアが型に合わなくなっていることになるでしょう。しかし、最近のハピネスチャージプリキュアのエピソードはもろにハートキャッチプリキュアの焼き直しです。技が、レベルファイブのイナズマイレブンになっているようでは、企画が危ぶまれるでしょう。しかし、妖怪ウォッチまででたということは、妖怪ウォッチのまねをするということが今後のプリキュアエピソードで明かされるということもあるかもしれません。
(質問3)
a.昨年の総会後プリキュア低迷でゼロペースで製作委員会を立ち上げたが、前の(質問2)の話とは違うのは?
東映アニメでの回答者は、前の質問と同じ清水取締役。
a.そんなに悪いということはない。ゼロベースからというのは覚えていないが、基本的には、いままでの展開で考えたい。プリキュアのコンセプトを全く新しくする考えはない。
プリキュア100年構想ということが以前あったが、プリキュアを息の長いコンテンツにしたいようです。そんなに悪いのかということはともかく、今はプリキュア離れを克服するにはどうしたらいいかということを先に考えなくてはならないのではないかと思います。今までの展開で考えるということは、朝日放送の土曜深夜32時30分(*)という枠をまもるということにすぎません。2次創作あり、痛車ありというこの状況は変わらないということになります。プリキュア離れをどうするかはやはりタカラトミーのプリパラみたいにがらりと変えるということをしない限り難しいと思われます。
*暦上は日曜 朝 8時30分
(質問4)
プリキュアオールスターズシリーズは続くのか?
東映アニメでの回答者は、またもや清水取締役。
プリキュアオールスターズNS3は非常に良い出来だった。アナと雪の女王(ディスニー)が予想以上の出来で影響を受けた。この映画をヒントにしながら、来年の春に公開できるようにしたい。
以前プリキュアオールスターズNSは終わりますと言っていましたが、このことについては触れていません。しかしながら、ライバルはジブリからディズニーへ完全に移行したようです。女性ターゲットにしたコンセプトは東映アニメにとっては驚きの色を隠せなかったに違いありません。はたして、女性を取り込むことはできるのか?これをプリキュアで実践するとなると、アニメラブライブ!みたいなものになりそうな気がしないでもありません。
以上、東映アニメ株主総会を見ての私の意見ですが、やはり、東映アニメはワンピースよりもプリキュアに力を入れているということがよく分かった内容でした。
質疑応答でどうも
「最近ハピネスチャージプリキュアの様子がかなりおかしいんだが」
と思いましたので、ここで解説をしていきたいと思います。
(質問2)
来年のプリキュアはあるのか。ここのところ視聴率が落ちていると思われる。これからの展望について。
東映アニメでの回答者は、清水取締役でした。「たしかに数字が落ち込んでいる。」といういわば敗北宣言であるのです。その発端となったのは、「他社のアニメのアイカツ」「他社のアニメの妖怪ウォッチ」と言っています。この他社というのは何だろうか?そもそも2つともバンダイとレベルファイブです。
アイカツは、バンダイナムコの計数資料によると、2013年度(2013/4-2014/3まで)150億円の売上がありました。しかし、プリキュアは100億円で昨年よりも落ちていたようです。平均視聴率では、アイカツは2%。プリキュアは5%ですから、視聴しているのはプリキュアということになります。
しかし、東映アニメは、版権(いわゆる玩具のシールやCDグッズ)が収入の柱ですから、グッズが売れないとどうしようもありません。しかも、収入先分散しているので、なかなか難しいということがあるでしょう。一方バンダイは、自社グループで展開していますから、収入はすべてバンダイナムコとなります。
同じデータカードダスを出しながら、アイカツは大盛況。プリキュアは、全くやっていないということが起こっているのです。それは、アイカツは100円だせばプレミアムにかかわらずカードが排出されますが、プリキュアは、プレミアムカード相当のプリカードを1300円セットで買わせるという手段が異なります。したがって、おなじきせかえでも、アイカツのほうが人気が高いわけです。
<売上の展開>
プリキュアー>おもちゃー>バンダイ
音楽映像ー>マーベラス ー>東映アニメ
その他ー>ムービックやエンスカイなど
*すべて独立グループ
アイカツー>おもちゃー>バンダイ
音楽映像ー>ランティス・ハピネット ー>バンダイナムコ
その他ー>バンプレスト
*すべてバンダイナムコグループなので売上はバンダイナムコHDとなる
非常に危機感をもっている。絶対に勝ってやると宣言。
とはいえ、このことから判断すると、東映アニメは、グッズでの版権売上をすごく気にしているようです。実際、それぞれのグッズの特徴をみていくと
(おもちゃ)
プリキュア:高価なおもちゃのラインナップがおおい。
アイカツ:安価でアパレル関係が多い。実在コラボも多数あり。
(音楽映像)
プリキュア:絵柄が貼り付け(しょぼい・金太郎飴)
アイカツ:オリジナルが多い(華やか・かわいい)
(アニメストーリー)
プリキュア:全員特別扱い。百合描写がおおい。戦闘しているように見えない。2次創作多数ありで同人誌のえじきである。
アイカツ:全員平等である。アイドル活動に一直線である。イノセントである。2次創作は少なめ。
となるわけです。女児アニメは、これまで、長年プリキュア1本やりで通し、あぐらをかいていたんですが、相次ぐライバルがでて戸惑っているとしかいいようがありまえん。ワールドカップサッカーのように
絶対に負けられない戦いがそこにある!
というんでしょうかねえ。
現在映画を企画中(今年秋と来年春を予定)「人形の国のバレリーナ」
ハピネスチャージプリキュアの映画はバレリーナをモチーフにする映画を予定しているようです。これって、ディズニー映画を本当に意識してようです。このあとの質問でも出てきますが、「アナと雪の女王」が予想外のヒットということで、東映アニメとしてはなんとかして、興行収入をあげたいという考えなのでしょう。
来年度(12作目)新作は、作るという方向で企画している。攻めの姿勢で作ると意気込む。
やはり、次年度も作るんだね。ふーん。でも、これだけプリキュア離れがあるんじゃ、考えなくては行けないんじゃないかというのが、次の質問でありました。
毎年新しい形で展開しているので、確実にファン(ターゲットの幼児)を固めている。いろいろな作品がでてきてもその都度それ以上のことをやるので期待して欲しい。
幼児は年をたつにつれ、小学生になり、プリキュアが型に合わなくなっていることになるでしょう。しかし、最近のハピネスチャージプリキュアのエピソードはもろにハートキャッチプリキュアの焼き直しです。技が、レベルファイブのイナズマイレブンになっているようでは、企画が危ぶまれるでしょう。しかし、妖怪ウォッチまででたということは、妖怪ウォッチのまねをするということが今後のプリキュアエピソードで明かされるということもあるかもしれません。
(質問3)
a.昨年の総会後プリキュア低迷でゼロペースで製作委員会を立ち上げたが、前の(質問2)の話とは違うのは?
東映アニメでの回答者は、前の質問と同じ清水取締役。
a.そんなに悪いということはない。ゼロベースからというのは覚えていないが、基本的には、いままでの展開で考えたい。プリキュアのコンセプトを全く新しくする考えはない。
プリキュア100年構想ということが以前あったが、プリキュアを息の長いコンテンツにしたいようです。そんなに悪いのかということはともかく、今はプリキュア離れを克服するにはどうしたらいいかということを先に考えなくてはならないのではないかと思います。今までの展開で考えるということは、朝日放送の土曜深夜32時30分(*)という枠をまもるということにすぎません。2次創作あり、痛車ありというこの状況は変わらないということになります。プリキュア離れをどうするかはやはりタカラトミーのプリパラみたいにがらりと変えるということをしない限り難しいと思われます。
*暦上は日曜 朝 8時30分
(質問4)
プリキュアオールスターズシリーズは続くのか?
東映アニメでの回答者は、またもや清水取締役。
プリキュアオールスターズNS3は非常に良い出来だった。アナと雪の女王(ディスニー)が予想以上の出来で影響を受けた。この映画をヒントにしながら、来年の春に公開できるようにしたい。
以前プリキュアオールスターズNSは終わりますと言っていましたが、このことについては触れていません。しかしながら、ライバルはジブリからディズニーへ完全に移行したようです。女性ターゲットにしたコンセプトは東映アニメにとっては驚きの色を隠せなかったに違いありません。はたして、女性を取り込むことはできるのか?これをプリキュアで実践するとなると、アニメラブライブ!みたいなものになりそうな気がしないでもありません。
以上、東映アニメ株主総会を見ての私の意見ですが、やはり、東映アニメはワンピースよりもプリキュアに力を入れているということがよく分かった内容でした。