趣味として、生活の潤いとして楽器演奏を楽しまれているような社会人の方のブログ、mixi日記、コミュニティなどを覗いてみても、みなさん楽器に関する話題が一番盛り上がっているようですね。音楽の表現方法とか練習方法とか、あるいは音楽理論的な話題よりも、やはり楽器の話題が圧倒的に多い。また、同じ楽器仲間が集まれば必ず「どこの楽器使ってんの?」「マウスピースは何?」「最近の○○のメーカーってどう?」とか楽器に関する話題でひとしきり盛り上がるものです。プロ、アマ問わず管楽器をやっている人間は基本的に楽器そのものの話題は大好きなのである。管楽器専門誌などでも圧倒的に楽器そのものに関する話題が多いし。
その対極的な考えとして、楽器は音楽を表現する上でのただ単なる道具のひとつに過ぎないのであって、一番大切なのは音楽そのもである。という意見も最近よく耳にします。これはまさにその通り。道具(楽器)にこだわるのもいいけど、道具にこだわるあまり一番肝心な音楽を表現する事を忘れてはいけない、という事ですな。
「弘法(こうぼう)筆を選ばず」(弘法のように書が上手い人は道具が替わってもその書の上手さは変わらない。名人は道具を選ばなくても、名人芸を披露できるということ。)ということわざがあるように、基本的にはどんな楽器を使っても音色そのものは演奏している本人の音しかしない。だったら、機能的に問題なければ(トロンボーンの場合はスライドがスムーズに動きさえすれば)楽器なんてなんでもいいじゃん、って事になる訳ですが、決してそういう安直な考えで「ただ単なる道具」としては割り切る事ができないのがやはり楽器なのである。
楽器は音楽を表現するための「道具」ではあるけれども、世間一般的に表現される「道具」とは少し意味合いが違うように思います。自分の音楽をストレスなく表現するための道具となれば、やはりそれなりにこだわりが出て来て当然。道具にまで手を抜かずきちんと配慮を行き届かせるという事は、自分自身の身体、体調を万全の状態に整えるという事と全く同じ。要するに、一流の道具(楽器)を所有、使う事自体の喜びが第一優先になってはいけないし、逆に何の配慮もせず適当な道具を使うような、道具をないがしろにするようでもよくない。
いずれにしても、「楽器 = 道具」という考え方に関してはなかなか難しい議論ですが、僕としては各メーカーのフラッグシップといわれるランクのモデル(いわゆる代表モデル)なら、どのメーカーの楽器でも出て来る音色そのもはほとんど大差ないかな、といった感じです。上に書いたように、「音色 = 自分自身のもの」という考え。金管楽器の場合、音色は楽器内部にあるのではなく、自分の身体そのものに存在するからです。
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マスター
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