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Sliding Cafeマスターのブログ

ブラックパール / 高橋達也と東京ユニオン(1980年)

前回投稿のトーキョー・アンサンブル・ラボのアルバム「ブレス・フロム・ザ・シーズン」(1988年)の紹介に引き続き、同じく80年代のビッグバンドのアルバム紹介。

今回紹介するのは「ブラックパール / 高橋達也と東京ユニオン」です。1980年リリースなので当然LPですが、僕が高校1年生の時で最も貪欲に音楽を聴いていた頃でもあり、ジャズに目覚めた時でもあり、このアルバムはそれこそレコードが擦り切れていまう程聴き込みました。当時は日本でもビッグバンド黄金時代で、テレビの歌番組の伴奏は必ず生演奏のフルバンド(ビッグバンド)でした。歌番組自体が多かったということもありますが、ほぼ毎日のようにテレビでビッグバンドの生演奏を聴くことが出来ました。音楽に目覚めた小学生の頃から高校卒業するまで当たり前のように歌番組で流れるビッグバンドの演奏を聴いていました。毎週土曜夜の「8時だョ!全員集合」のバックバンドの岡本章生とゲイスターズの演奏を聴くのが楽しみで、ドリフのコント以上にゲイスターズの演奏をワクワクしながら聴いていました。その他、主な音楽番組では「スター誕生!」(バンド:高橋達也と東京ユニオン)、「ザ・ベストテン」(バンド:宮間利之とニューハード)、「夜のヒットスタジオ」(バンド:ダン池田とニューブリード)などなど(もちろんNHKの歌番組もビッグバンド)、音楽番組=フルバンドの生演奏、というのが当たり前の形態でした。今考えて見ると物凄く贅沢な事ですよねー。そんな1970〜80年代のビッグバンド黄金時代に数多くのレギュラービッグバンド(要するに「お給料」が出るバンド)が存在しましたが、その中で人気実力ともにナンバーワンだったのが高橋達也と東京ユニオンです。

1980年リリースの「ブラックパール / 高橋達也と東京ユニオン」はアメリカのモンタレージャズフェスティバル出演直後にサンフランシスコで録音されたアルバムです。ゲストプレーヤーが、ハービー・ハンコック(ピアノ)、スライド・ハンプトン(トロンボーン)、リッチー・コール(アルトサックス)という超豪華な顔ぶれ。LPなのでA面はハービー・ハンコックをフィーチャーしたハンコック作品、B面はスライド・ハンプトンとリッチー・コールをフィーチャーしたハンプトン作品というアルバム構成。収録曲全て本当に素晴らしく、当時の東京ユニオンの勢いとメンバーの音楽性の高さが余すところなく収録されています。そしてこの時のリード・トロンボーンが西山健治さんで、もう本当に素晴らしいリードプレイでございます。ゲストプレーヤーの素晴らしさは言うまでもありませんが、B面1曲目「Life is More Precious Than Diamonds」でのスライド・ハンプトンのソロが大変素晴らしく、このアルバム収録にはハンプトンも相当気持ちが入っていたようで、自身のリーダー・アルバムよりも良いソロじゃないかなー。僕の中での、スライド・ハンプトンのベストソロテイクは間違いなくこの録音です。このソロは耳コピーして大学の頃よく練習していました。ジャズ・トロンボーンにおけるスーパーハイノート(ハイF以上の音域)の出し方のコツを掴んだのもこの曲のソロからです。

残念ながらこのアルバムはCD化されていないのですが、「ブラックパール / 高橋達也と東京ユニオン」もしくは「Tatsuya Takahashi & Tokyo Union / Black Pearl」で検索すれば、中古LPの販売サイトがいくつかヒットします。往年のビッグバンドビートジャズファンの方はもちろん、学生ビッグバンドの現役世代の人達にも是非聴いてもらいたいアルバムです。


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