僕のスタジオでは、今でもDATはバリバリの現役機材として毎日フル稼働中です。ミックス、マスタリングの主な作業工程ではMac外付けのハードディスクを使用していますが、マスターレコーダーは必ずDATです。なぜかというと、DATの方が圧倒的に音が良いから。コンピューター内部では24bit/96kHz処理が可能、対してDATは最高でも16bit/48kHzとスペック的にはコンピューター内部の方が上回るわけですが、なぜかDATに録音をすると音が良くなる。DATの音質はデジタル的な音の堅さや冷たさをあまり感じず、なんとなく柔らかくまろやかな音がします。そしてDATの音はとても濃厚で音の中身がギッシリ詰まっている印象を受けます。あくまでも感覚的なものなので、デジタルデータとして比較した場合にどのような違いがあるのかはわかりませんが、やはりコンピューター内部の音よりもDATの方が音が心地良いのは確かです。
おそらくですが、DATは記録メディアがテープなので、同じデジタルデータを書き込むにしても、テープとハードディスクとでは、記録精度などが微妙に違ってくるのではないのかなぁ~、つまりテープ記録方式の方がデジタル情報を取りこぼすことなく正確に記録、再生されているような気がします。コンピューターの専門家ではないので、あくまでも推測でしかありませんが。
ただ、DATはもう既にどのメーカーでも生産終了となってしまい、今使っているDATレコーダーが壊れたら、とても困ってしまうので、大切に扱うようにしています。もう12年使っているのでいつ壊れてもおかしくない時期ではあるのですが、今のところ何の異常もなく稼働してくれています。使っているDATレコーダーは、FOSTEX D-5 DIGITAL MASTER RECORDER。A/D、D/Aの音質もなかなか優秀。原音に忠実な音で素晴らしいです。
ちなみに、ポータブルDATレコーダーのSONY TCD-100も所有していますが、こちらもやはり今流行のPCMレコーダーよりも音質は濃厚で立体的に感じます。
DATを再評価しましょう。
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