Sliding Cafeマスターのブログ

スウィート・トロンボーン

久々のYouTube動画紹介。

世界中には本当に信じられないくらい上手いトロンボーン奏者が沢山おりますが、特に最近増えて来ている、また人気を博しているのは爆音炸裂系トロンボーンとでもいいましょうか、とにかく音がデカくてパワフルな演奏スタイルのプレーヤーのような気がします。そういう僕も爆音炸裂系スタイルは結構好きで、ファンクなどではやはり爆音炸裂させないとファンキーになりませんしね。

ただし、爆音を炸裂されるだけで演奏がデタラメであったり、音が汚いだけであったり、音程、リズムが悪かったりではただの騒音でしかないので、やはり根底にはきちんとした基礎演奏能力が備わっていないといけませんね。爆音炸裂系スタイルは演奏がとても派手だし、聴く人を惹き付けるものもあるし、こういうスタイルに憧れる人も多いと思いますが、派手な部分だけに気を取られてしまわないようにしないといけません。

爆音炸裂系の対極に位置するのが「スウィート・トロンボーン」というスタイルでしょうか。ファンキーな爆音炸裂系も好きですが、僕の演奏スタイルとしては、やはりスィート系かなぁ~と自分では思っています。特別スウィート系を目指して練習を積んで来たという訳ではなくて、単純に高校生の頃からスウィート系トロンボーンが大好きだったから。スライドビブラート大好きです。しかし、最近ではトロンボーンのスライドビブラートを生かせるような音楽というのは古くさいスタイルになってしまい、スウィート・トロンボーンを生かせる音楽は極めて少ないです。もはや「スウィート・トロンボーン」は絶滅品種?でも、昔の音楽スタイルではなく、今主流の音楽スタイルでもスウィート・トロンボーンを生かせる方法はあるのではないかな、とも思います。

例えば、スウィート・トロンボーンの代名詞とも言えるトミー・ドーシーのような非常に細かいスライドビブラートだと、さすがにノスタルジックな雰囲気になってしまいますが、



ビル・ワトラスのようなビブラートならば、今の音楽スタイルにもマッチすると思います。
くど過ぎず少しサラッとしたスムースなビブラート。
最初からビブラートをかけずに、音の後半に多くかけるのがミソです。




あと、スウィート・トロンボーンで絶対に忘れてはいけないのが、アービー・グリーン。

アービー・グリーンのビブラートは美しいですねぇ~。絶品ですねぇ~。
もう、とろけてしまいそうなほど甘~い!
アービー・グリーンのスライドビブラートは、トミー・ドーシーほどノスタルジックでも無く、ビル・ワトラスほど洗練された感じでもないのですが、こういう極上の美しいビブラートならば時代など関係なく通用するのではないでしょうか。


最近は、pBoneの監修者としても有名なジグス・ウィグハム。

この演奏は本当に素晴らしいですね。
スライドビブラートとリップビブラートの使い分けがニクいッ!


やっぱり、スウィート・トロンボーンはいいですなぁ~。

しかし、意外とスウィート・トロンボーンの演奏スタイルを知らない人、全く興味が無いという人も多いようですが、トロンボーンにはこういう演奏スタイルもあるんだ、ということを少しでも知ってもらえたら幸いです。

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コメント一覧

マスター
acarranger

もちろん中にはトミードーシーのようなスウィートスタイルで演奏する人もいますが(アレッシとか)、多くのオーケストラのソロトロンボーン奏者は、シンフォニックなセクションワークと全く同じような吹き方になっていますねぇ(ノンビブラートで音を張り過ぎだし、グリッサンドをかけ過ぎ)。
acarranger
ラヴェルのボレロは、まさにその通りと常々思ってました。
なんでわざわざ下品に吹くんだろう…
「ジャジーなスタイル=上品でない」というステレオタイプでもあるのだとしたら、彼らは不勉強だし「音楽」を愛してないですね!

僕はアービーLOVEですが、やはり昔先輩のアパートで聴かせていただいたワトラスの「Nancy」でのヴィブラートワークが、未だに僕の中でのスウィートスタイルの原点です。
マスター
その後、DCTV処理マウスピースはいかがですか?

ラベルのボレロのトロンボーンソロは、トミードーシーの演奏スタイルをイメージして作曲されたことは有名な話です。この動画の「I'm Getting Sentimental Over You」という曲がまさにラベルのイメージするトロンボーンソロなんですね(最高音がボレロと同じ)。だからボレロのソロはトミードーシーのようなスウィートなスタイルで演奏するのが本当の正しい解釈です。多くのオーケストラで演奏されているトロンボーンソロは間違った解釈です・・・と、ビル・ワトラスさんも事あるごとに指摘されています。ラベルのイメージを正確に再現するという意味では、あのソロは本当は細管テナートロンボーンで吹くべきなのかもしれませんね。
Unknown
やっぱりスウィートが好きです
以前GREGBLACKにDCTVして頂きありがとう御座います。

ぼくはクラシックのプレイヤーで師事していた先生ももちろんクラシックのプレイヤーです。

が、先生がいつもトミードーシーを知ってるかい?若い人はあまり知らないけど最高に甘くて
美しい音だから必ず聞きなさいといつもいって
おられました。

周りのクラシック奏者でも爆音系がある意味流行っているのでこういう演奏を聴くと心が洗われます。
マスター
HASESANさん

スウィート・トロンボーンは、とてもスムースな演奏なので簡単で楽そうに聴こえてしまいがちですが(本当は体力的にとてもキツい)、センスよく吹く(聴かせる)のはもの凄く難しいんですねぇ~。ビブラートを過剰にかけ過ぎると、とってもいやらしくなってしまいますし、歌い方の加減、センスが重要です。

くど過ぎない程よい「甘さ」のバランスですね。
HASESAN
まってました
http://blogs.yahoo.co.jp/hasesan1988
パワートロンボーン奏者も素敵ですが、
スウィート・トロンボーンは、最高です。
トップでバンバン飛ばすのとは違う甘さが魅力ですよね。
マスター
suzukiさん

こうしてみると、トロンボーンって結構表現の幅の広い楽器ですよね。
suzuki
ソロトロンボーンの魅力的な一面ですね。
トロンボーン単一の音色なら、クラシックよりこちらの方に魅力を感じます。
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