ただし今回は自分の楽器ではなく、生徒さんの楽器です。
先月のレッスンで生徒さんに僕の697Zを吹かせてあげたところ、吹奏感、音色をとても気に入られたようで、早速中古の697Zを購入されました。で、昨日その697Zを持って来られたのですが、どうも抵抗感が強くて少し吹きにくい、ということだったので、その楽器をお預かりして、僕が吹きやすいようにカスタマイズしてあげることになりました。今日吹いた感じでは確かに少し抵抗感が強く、この原因はバランサーが付いているために、バランサー付近で響きが止められている影響だとすぐに分かりました。そこでバランサーを外したところ、見事にその抵抗感が無くなり一気に吹きやすくなりました。音色も柔らかく、オープンな響きです。ただし、バランサーを外すと、今度は抵抗が無くなり過ぎて、音を当てにくくなることと、楽器全体の響きのバランスが少し悪くなるため、僕の697Zと同じようにSwing Chipを貼ってみました。
マウスマイプ部にはSwing Chip Gold
主管にはSwing Chip Silver
散々僕の697Zで試行錯誤を重ねた経験から、この組み合わせがベストだということは分かってますからね。
このブログで何度も書いていますが、Goldは響きをタイトに引き締める効果があり、Silverは響きを解放させる効果があるので(あくまでも個人的な印象)、マウスピースで作られた振動エネルギーをロスさせないようにマウスパイプ部のGoldで引き締め、主管に貼ったSilverで響きを解放させる、という理屈です。まぁ、これは僕の勝手なイメージでしかないので、科学的な根拠は全くありませんが、Swing Chipのいろいろな貼り方の組み合わせを試してみた結果、GoldとSilverとではこのような効果の違いがあるのではないかという結論に達しました。
更にスライドストッパーリングのネジには、Nano Liquid Cuを塗りました。これを塗ると、なんというか音に粘りとまろやかさが出るんですね。これも今までいろいろ試した結果、Cu(銅)が一番心地良い音色、吹奏感です。
そして更に、主管抜差し管のスライドグリスをHetmanのスライドジェル・プラスに塗り替え。グリスも今まで僕の697Zでいろいろ試した結果、このグリスが最も吹奏感、音色が良いです。通常のグリスよりも少し粘性が強く、気密性が増すことにより、程よい抵抗感が出ます。
以上の調整は僕の697Zで施した内容とほとんど同じですが、その結果、なにも手を加えていない状態に比べ、まるで違う楽器のように吹きやすく、音色も良くなりました。この調整後の697Zは本当に素晴らしい楽器となり、楽器全体の金属が余すところなく柔らかくしなやかに響くようになります。まるで往年のニューヨークバックを彷彿とさせる響きですね。あと残すはDCTV処理だけですが、さすがにそこまでする必要はないでしょう。
元々697Zは大変素晴らしい楽器ですが、更に手を加えることにより、史上最強の楽器に生まれ変わります。こんな素晴らしい楽器なのに、早々と製造終了してしまったことは本当に残念です。
B.AIR スウィング チップ(Swing Chip) ST-H(GP) | |
クリエーター情報なし | |
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B.AIR スウィング チップ(Swing Chip) ST-H(SP) | |
クリエーター情報なし | |
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B.AIR ナノ リキッド(Nano Liquid) CU 3CC | |
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