レッスン後半に、ちょっとしたきっかけで、ビル・ワトラスのテクニックの話になり、いろいろ技を伝授してあげました。ついでにワトラスのレコードを録音してあげたり、ワトラスの秘蔵中の超レアものビデオなどを観せてあげたりと、1時間くらいワトラス浸け・・・。よくありがちなバリバリパワフルに吹くトロンボーン奏者とかに比べると、ワトラスのプレイは本当にスムースで歌心があって何回聴いてもイイですな。が、しかしワトラスのよに流暢なフレーズを吹きたくても、これがなかなか難しい。僕などは、ワトラスに憧れて、一時はワトラスと同じバック16Mの全く同じ仕様の楽器(ベルがゴールドプレイト、スライドがシルバー)にしてました(結局この楽器は12年間使用)。
ワトラスといえば、あの超絶技巧のハイスピードのフレーズに一番耳がいってしまうのですが、僕はバラードの歌い方やヴィブラートに一番影響を受けました。もちろんあの超高速ドゥードゥルタンギングも相当練習しましたけどね。
今日久しぶりにワトラスのビデオを観て、あらためてこの人は怪物だなと思いましたよ。どんな音域でも口がまったく動かん!
その音色の美しさからか、最近ではクラシックのトロンボーン奏者からも随分と尊敬されているようで、ワトラスをフェイバリット・ミュージシャンにあげるクラシック・トロンボーン奏者は多い。その逆に、あまりにも端正なフレーズと美しい音色がジャズらしくないといってワトラスを嫌うジャズ・トロンボーン奏者も多いのも確か。僕の場合、カーティス・フラーのようなソウルフルでワイルドなスタイルも好きだし、ワトラスのような美しく繊細なスタイルも好きですね。
画像は、ワトラスのベスト盤(LP)。最高です!ワトラスを聴くなら、70年代にFAMOUS DOOR RECORDSというレーベルで録音した9枚のアルバムが一番脂が乗ってる感じで良いです。何枚かCD化されているようなので、探せば見つかるかも。最近リリースのCDも悪くはないですが、さすがに若い頃(30代)のようなプレイの冴えはないですねぇ。是非70年代の演奏を聴いて下さい。
(2010年11月5日加筆)
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