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Sliding Cafeマスターのブログ

Bach 11C

マウスピースを変えて11日目。その新しいマウスピースですが、Bach 11Cです。ハイ、あまりにもスタンダード過ぎて、何も説明はいりませんね。凄く良い感じです。実は大学1年の時から約15年間ほどはずっとBach 11Cだけを使っていたので、このマウスピースの感触にはとても馴染みがあり、全く違和感はありません。僕の人生の中で大学生の時が最も練習量が多く、毎日10時間近く練習していたので、その猛練習期間のパートナーであり、いわばこのマウスピースで上達して来たと言えます。その後、35歳を過ぎた頃、アイルリッヒ11Cに出会ったのをきっかけに、マウスピース対するこだわりが芽生えてしまい、理想のマウスピースを求め100本近く迷走してしまう結果となりました。その間、なぜか自分の中で「Bachはダメだ」という固定観念が生まれ、Bachだけはマウスピースの選択枝の中からは完全に除外していました。でもそれにはそれなりの理由があり、80年代、90年代、2000年代初頭の頃のBachのマウスピースは作りがかなり雑で、個体差が激しく、楽器店で試奏してみてもイマイチな個体ばかりでした。90年代にBach 11Cを3個、7Cを2個購入しましたが、見事なまでに全て作りが違い、カップ内部の表面処理が削り出しそのままの状態の個体もあれば、研磨されて鏡面になっている個体もあり、シャンクの金属厚が均等でなく歪な形状になっていたりと、要するに超〜いい加減で雑な製造だったんですね。なので、楽器以前にそのような工業製品として安定した品質を維持できていないメーカーのマウスピースが良いはずもなく、2000年代初頭頃までのBachはマウスピースはもちろん、僕としては楽器もBachは選択肢として外れていました。

ところが、数年前に生徒さんからBach 7Cのマウスピースの選定を頼まれ、久々にBachを試してみたところ、「アレ?結構良いじゃないか」という感触があり、その後も他の生徒さんのBach 7Cを吹かせてもらう度に「凄く良い感じ」という印象を持つようになり、年明け早々のレッスンで生徒さんが新しく買ったBach 7Cを吹かせてもらったら、滅茶苦茶良くて、これは自分もBach 7Cを試してみようという決断に至った訳です。で、早速購入したのですが、なんとAmazonで買いました。楽器店に行くのも面倒臭いし、生徒さんの最近のBachのマウスピースを何個か吹かせてもらった感じでは、個体差もなく、作りも丁寧な感じだったので、Amazonで通販購入。最初は7Cだけ買うつもりでしたが、一応予備として11Cも購入。届いた個体は2個とも全く問題なく、非常に良い個体です。以前のBachのような雑な作りの要素は微塵もなく、素晴らしいです。ちなみに、Bachの楽器本体の方も最近は品質がとても良く、良い響きがします。

最初は7Cメインで11Cを予備にするつもりでしたが、吹き比べていくうちにやはり学生の頃から15年間使っていた11Cの方が口当たり、吹奏感、音色、操作性、柔軟性など全てにおいて自分に合致するものがあり、11Cの方をメインとして使うことに決めました。7Cの方がリムバイト(リムとカップの境界部分)がシャープで、ショルダー(カップとスロートの境界部分)もシャープでエッジが立っているので、明るく輪郭のハッキリした音色傾向で、音量も出しやすいのですが、11Cの方が音が柔らかく、甘い音を出しやすいので、11Cの方にしました。この11Cは僕が以前使っていた個体とはリム形状が少し違うようで、以前使っていた11Cはリムカウンターはかなり丸っこく典型的なラウンドタイプのリム形状で頂点もちょうどリムの中央辺りでしたが、今回の11Cはリムカウンターの頂点がかなりカップ寄りに来ており、しかも頂点部分が約2mm幅でほぼ平らになっています。その2mm幅の平らな頂点からそのままカップにつながる形状です。このリム形状は口当たりも良くて、2mm幅のフラット面があるお陰で唇の安定度が増す感じがします。以前使っていた11Cは完全なラウンドリムで平らな面はなかったので、唇の柔軟性はありましたが、長時間吹いているとマウスピースが口に食い込んでくる感じがあり、バテるのが早かったように思います。おそらく時代とともに少しづつリム形状が変化していったのでしょうね。

という訳で、10年以上に渡りマウスピースにこだわり続けてきた結果、結局また学生時代に細管テナーと同時に使い始めたBach 11Cに戻ってきました。

原点回帰。

バック トロンボーン マウスピース 11C 銀メッキ仕上げ (細管用)
クリエーター情報なし
Bach

バック バストロンボーン マウスピース 6 1/2AL 銀メッキ仕上げ (太管用)
クリエーター情報なし
Bach

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コメント一覧

みっちゃん
11C
MTバーノン11Cの代わりになる良い物を探していますが、なかなか無いですね。今のバック、やはりエッジがキツイので硬めに感じます。ティルツやラスはリムとカップは申し分無いのですが、ボディが重いです。グレイゴは息が入りすぎるし、シャイは、11も11Sも硬く明るい傾向だし、やはり本家のバックに良いものを造って欲しいです。
マスター
みっちゃんさん

再びコメントいただきどうもありがとうございます。

どういった経緯で11Cがこのようなリム形状に変更さらたのかわかりませんが、確かに昔の11Cよりも音の立ち上がりが明るくなっていますね。ただ現行7Cよりは音の柔らかさとふくよかさはある印象です。

リムの口当たりは人それぞれ好みと相性がありますから、マウスピース選びの一番難しい部分ですよね。
みっちゃん
Bach 11C
私もAmazonで注文したのですが、シャンクが思いっきり凹んでいて、そのままヤマト便に返品となり、その後、新大久保の楽器店に見に行きました。たまたま3本ありましたが、扇風機の羽のキャップにでも押さえ付けたかのように、2mm位真っ平らでエッジの角か角張って尖ってますね。従来の11Cより7Cに近くなり立ち上がりが明るめになってますね。ちょっと微妙なので買うのはやめました。
マスター
みっちゃんさん

こちらへのコメントもどうもありがとうございます。

現行の11CはMt.バーノン時代のものともリム形状は違うのかもしれませんが、僕が以前使っていた1980年代ものに比べると、もの凄く吹きやすくて良い感じです。
みっちゃん
バック11C
私もアマゾンで、バック11Cを注文致しました(笑)。実は先日、楽器店でたまたまバック11Cを見まして、リムを見てアレッて、同じように前と違うな?と思いましてね。でも試奏もせず帰って来ました。なので、掛ですがちょいと楽しみです。私はMTバーノン11Cをシャンク調整して使ってるのですが、なかなか同格の良いものが見つからないんです。アーリーエルクハート以降は、サイズが大きいしリムが丸くなりすぎなんですね。他社も色々真似て出してますが、キツイのが多いです。
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