『旧友再会』重松清01(講談社2019/6/24)
あの人にいま会えたら、何を伝えますか?
子育て、離婚、定年、介護、家族、友達。人生にはどしゃぶりもあれば晴れ間もある。
年を重ねると増えていく再会の機会。
再会は別れがあるから存在します。どう別れたかで、再会の仕方も変わってくる。
会いたい人、会いたくない人、忘れていた人。
《結婚もして、子どもをつくり、そして、いま、家族をなくした。》
どんな再会を望み、何を伝えますか。泣きたいときに、泣けないあなたへ。
表題作『旧友再会』は小、中学校の同級生だった男二人が偶然故郷で再会。
1人は東京の大手企業の部長。もう1人は地元のタクシー運転手。
部長の男は故郷の町の施設に入っている認知症の老母を訪ねて帰郷した際、
かつての同級生のタクシーに乗り合わせた。
38年ぶりの再会。部長は懐かしげに語りかけるが、どこか上から目線。
運転手はその会話が苦痛で仕方がない。そもそも部長の男とは昔から友達でもなく、只嫌いなヤツだったのだから…。
「再会」をテーマにした短編『あの年の秋』『旧友再会』『ホームにて』『どしゃぶり』『ある帰郷』5話
・年寄りになったら子どもに甘えなさい P53