『おこめちゃん物語#3-後編-』
~#3-前編-より続き~
お爺さんは良く見えるように、切り株の上に『三粒』を乗せてあげてから、自分は薪割りに精を出していました。
突然頭上を影がよぎると、切り株の方から
「マメ~!」
と叫び声が聞こえました。
良く見ると立派な孔雀が、いんげんさんを咥えて飛んで行きました。
あっけにとられたお爺さんとふた粒。そこへさらに孔雀を追うように、何故か猿が
「ウキー!ウキキー!」
と走って行きました。
しばらく無言で固まっていた一人とふた粒。そこでお爺さんがぼそっと
「孔雀と豆とウキキ」
と言いました。
多分ふた粒も同じことを言っていたのかもしれません。
「ちゃんちゃい(ニ…シャンシャイ)」
が、実際のことは分かりません。
ところでお爺さんが呟いたその時、たまたま家の前を通りかかった阿蘭陀(オランダ)だか葡萄牙(ポルトガル)だか伊太利亜(イタリア)だかの異人さんが、
「オオ、ヒノトリ~」
だとか
「ジャック?マメ?キー?」
果てには
「スゲー、ハポンマジスゲー」
と呟いていた事は知る由もありませんでした。
少しの後、遠い海の果ての異国の地にて、
「俺さ、すんごい旅してきたからさ」
「聞いてよ聞いてよ、話」
「名付けて東の方で見て聞いちゃったもんね話」
と、道端で通行人達にドヤ顔で語り掛ける男がいたとかいなかったとか。
時は現代。
①マルコポーロが口述したとされる『東方見聞録』はあまりにも有名で、黄金の国ジパングが魅力的に伝えられました。マルコポーロは今のイタリア、ヴェニスの商人でした。
②イギリスで『ジャックと豆の木』という民話が語り継がれ始まります。元は『ユダヤ民話』だった等の諸説あり、イギリスではポピュラーなベイクドビーンズが語られた豆ではないかと推測されています。
③火の鳥伝説は世界各地に存在します。海外ではフェニックスとして有名ですね。神話や伝説は、世界各地で不思議と似ている話や、ほぼ合致する話、または「読み音」が変に似ている言葉があったり、もしかすると、突き詰めて辿ると神話や伝説の出処は一つなのではないかと、ちょっとロマンを感じますね。
※だんだんおこめちゃんの存在の意味が…(突っ込んだら負け)
~おこめちゃん物語#3完~