吸音材最適化後のユニット軸上30cmの軸上、及び軸外15°、及び30°でのSPL周波数特性を示します。
〈最終的なユニット軸上、及び軸外(15°、30°)のSPL周波数特性、1/12oct smoothing〉
200Hz近傍の深いディップ 、10kHz近傍のブレイクアップピークが目に付きますが、当初の目標に近いSPL周波数特性が得られています。ユニット軸外特性は、30°では10kHz以上で急激に悪化しますが、 15°では軸上特性と殆ど変わりません。
以上のSPLの周波数測定では、スムージングは1/12oct を使いました。人の聴覚分解能に近い1/3octの場合ではどうでしょう。
〈ユニット軸上30cm、100cmでの1/3oct smoothing でのSPL周波数特性〉
ユニット軸上30cmでは、1/3oct smoothingによって鋭いピークやディブは丸められて、より平坦な特性になっています。ユニット軸上100cmでは、測定環境のためか1/12oct smoothingでは特性が暴れてしまいますが、1/3 oct smoothingではキチンと評価できているようです。ユニット軸上のマイクがユニットから離れるほど、マイクから見た開口部とユニットとの距離の差は縮まります。このため、相対的に開口部からの音圧が高まり、低音域では2dB程度高くなっています。また、200Hz近傍のディップ は浅く幅は小さくなり、更に10kHz近傍のブレイクアップピークは4dB程度小さくなっています。このため、全体的にフラットな傾向になっています。
このユニット軸上 100cmでの1/3 oct smoothingの周波数特性が、実際のリスニング状況に一番近いものと思われます。
〈続く〉