琥珀ってなあに？ vol.3

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　コニャックアンバー／ファセットカット／10K小豆チェーン

　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　琥珀研磨機は機械の中心に横向き円盤状の鉄にコーティングした板が乗っていて、
　　　　　　 それが回転し、その上に重ねたペーパーヤスリで水を落としながら削っていきます。
　　　　　　（綿菓子製造機のようなシステムですか?!）

　　　　琥珀の粒一つを右手の親指と中指てしっかり挟んでその回転する天板に当てて削るのですが、
　　　　遠心力により外側に手が持って行かれてしまい、何度もペーパーの角で中指の先を切ってしまう
　　　　怪我をしてバンドエイドにはおせわになりました（笑）

　　　　そんなまだ未熟者の私は、仕事を終え帰宅すると仕事（自分？）に対する不満が露呈してしまい、
　　　　夫に愚痴をこぼす日々が続いておりました。
　　　　そしてついに夫に「仕事やめようかと思うのだけれど、、、」と話すと、夫は何ともアッサリと
　　　　「いいよ、やめればぁ」と言うではありませんか！
　　　　この日まで1ヶ月程の期間かと記憶しますが、研磨の仕事が嫌でした。
　　　 （こんな事する為にジュエリー工房に入ったのではないと言う思いが強かったかもしれません）

　　夫に余りにも簡単に辞めることを承諾されてか、我に変えってふと考えました。
　 「仕事を辞めるのは簡単なことなのだ。いつでも辞められるのだったら、もうしばらく続けてみよう！」
　　などと、訳のわからないへそ曲がりの理屈をつけて、めでたく研磨の仕事を続行するに至りました。

　　気持ちひとつの持ちようで、その後は嫌々ながらもどんどん仕事が捗るようになり大量生産のネックレス
　　製作からジュエリーデザイナーのデザインした一点ものの琥珀研磨の仕事を手がけるようになりました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく