20世紀末期の製品。当時のはやりか、いわゆるマルチマテリアルキットでPEだけでなくホワイトメタル、パイプ、針金で構成されるキット。従って、極めて高価だったが、プラ部品は上質だし、他のメーカーには無いラインアップのせいか評価は高かった、はず。こういうの、あの頃のはやりだったようで、グンゼの自動車シリーズとか戦車も有ったが、どれも高価で凝り過ぎ、作るの面倒・大変・ほぼ不可能だった。なんて、今だから言っているが、私も、これは凄いと思って買い込んだくち。
Ta152は高高度戦闘機として開発され、有名な逸話によれば、高高度ではムスタングも追いつけなかったとの事。ただし、完成した時は既にジェットの時代となり、ごく少数がMe262の上空援護に使われたらしい。(組説より)キットの指定塗装も「?」付きのJG301のみ。機番だけは赤、黄、緑とたっぷり付けてくれている。要は、好きにしてね、らしい。
完成するといかにも高高度戦闘機の姿。アスペクト比の大きい長大な翼、ゴム動力機のような幅広プロペラ、正直あまり恰好良い飛行機では無かった。しかし、なんでプロペラ3枚にこだわったのかねー。スピットなんか馬力が上がるたびに枚数増えているのに。木製と言う事も有ったのかな?などと、妄想するのも模型の楽しみ。
素直に作ると塗装が面倒そうだし、せっかくの高高度戦闘機だしで、Me109G6-ASの塗装を頂いてJG1の機体にした。デカールは寄せ集め。胴体の赤帯が嘘っぽいが、所詮Luft46の世界。見た目重視で。ちなみに、Me109の赤帯はもう少し幅が狭い。
繰り返すが、小池さんの箱絵のように恰好良い飛行機ではなかった。特に地上の姿は間抜け。翼長すぎ、プロペラ幅広過ぎ。手で持って飛ばし、横から見ると、まあまあ、か。FW190の強みだったロールはまず期待出来そうもなさそうだが、高い所でそれなりに飛ぶにはこの姿なのかな?こいつ、箱絵と逸話に乗せられた、か。
キットの出来は悪くない。このシリーズの最後の方だったはずで、最初のD9よりは作り易くなっていた。後、エンジンを組み込んでカウリングが開閉するように出来るだけの部品は入っているが、やるとなると相当の覚悟と忍耐と幸運が必要だと思う、私は最初にエンジン部品は捨てた。(もったいないとは思いつつ。)捨てた部品無しならもう少し値段は下がったかもしれない。この飛行機、手元に置きたい方には1/72(有るかどうか知りません。)をお勧めする。単発機なのに1/48だと場所を取る。