アーマードとは言えファイティングビークルと言うには牧歌的。第一次大戦中に作られた装甲車だから当然か。それを、飛行場の警備用とは言え1942年までだましだまし使っていた英国は、えらい、のかな。これはMENGの製品。
最初にこれを出したのは確かローデンで、箱絵はひどく恰好良かったのだが中身がドロドロ、バラバラ。ハイパーのレビユーに「沢山売れたが、ほとんど完成してないキット。」と有って、ウム、至言と思った。当然、私も、おー恰好良いなと買っては見たがばらばらのラダーフレーム、アクスル、サスペンション、エンジン、ボンネット、ボディー(要は全部)などを成型不良に見える部品で組み立てる仕様には負けて、諦めたくち。高いキットだったのに。
さて、MENGのキット。これもひどく高価な模型だが、中身を見るとオリジナルのスポーク車輪を再現するPE部品が目に付き、この辺が理由なのかな。残念ながら、1920年タイプが作りたかったのでこいつらはお蔵入り。尚、見えなくなる車内の部品は何もない。ただ、フレーザーナッシュ銃座付きにすると、ちらっと見えそうな気がしたので椅子などを自前で追加したが多分杞憂。ちなみに、椅子は運転手用だけ、後はクッションだけだったそうで、そうか、だから前を覗くスリットの高さが違うのか。
一体成型の車体など部品は非常に少なくあっと言う間にしっかり形になる。ローデンと違って車体の面がしっかり出ているのでロールスロイス製に見える。
しっかりした車体に比べ、ヘッドライトのステーは繊細過ぎてあっという間に折れてしまった。ランナーで見た時から悪い予感はしていたが、こうあっさりと折れると心も折れる。きっとタミヤだと分割を工夫するか、多少ごつくして強度を確保してくれるのだろう。気を取り直し、真鍮線等で作り直し。これ、古いタイプで壊すともっと手が掛かるはずだ。ついでにフェンダー上の小ライトの脚も金属線にしといた。
砲塔のラウンデルが好みなのでライトストーン1色。だから塗るのは楽だった。上質なデカールはマークソフターが程よく効いて、大きいリベットも綺麗に馴染んでくれた。ただ、車体脇のラウンデルが寄り目だったので手持ちの似た奴に交換。
タイアは柔らかい素材。今時、ホイルを溶かす事もあるまいとは思いつつ、ちょっと不安。そのままでは透明感があるので塗装した。サンドチャンネルとチンキャン(オイル缶)はストックから。
左ステップ上の大きな箱の網は伸びる包帯を塗料で固めたもの。しかし、何でこれにだけ網が掛かっているのだろうね。確かに、詰め込んで蓋が閉まらなくなっても、網で押さえられるけど。
自動車然としたスタイルなので、大きさが掴みにくいはず。一見古いMGに砲塔積んだ感じに見えるが、もっと、ずーっと大きい。.
ぶっちゃけ、このキット高価過ぎるしヘッドライト周りはまず作っている間に壊すだろうしで、蓋を開けた時の見場は一流なので立ち読みでは高得点かもしれないが、作ってみるとアへとなる可能性大だからB級だな。だから、ローデンの恨みをどうしても晴らしたい私のような方以外にはお勧めしたくない。
追記;
組み上げて2,3か月で柔らかい樹脂のタイヤが割れてきた。塗装しただけなので、それかなーと。ただ、それでは困るわけで、もしこれから作る方は塗らないか、パターン1920にはしないでプラのタイヤ(ワイアホィール)を付ける方が安全かもしれない。B級と思ったが、C級かもしれないぞ、このキット。