銀座平野屋には普段お客様の目にはふれないけれど、素敵なものが数々ございます。
それは江戸からの粋を伝える物であったり、先人の技や美を伝えるものであったり様々です。
その中で銀座平野屋には、先人の技が光る逸品もございます。
先に(その5)で銀座平野屋が所蔵するたばこ入れの中でも
「これぞたばこ入れ!」という逸品である
『阿蘭陀甲比丹裂 筒差 莨入
(おらんだかぴたんぎれ つつさし たばこいれ)』
のご紹介をいたしましたが、
今回はその続きです。
ぱかっと蓋をひらきますと。。。
中から出て来たのはー
『羅宇煙管(らうきせる)』18金、竹製 13.5cm
羅宇煙管とは、金属でできた雁首(がんくび:左側の金属部分)と
吸口(吸い口:右側の金属部分)を、竹や木製の羅宇(らう)で
つないだ煙管です。
羅宇(らう)は、ラオス産の竹を用いたことからこう呼ばれました。
この煙管の羅宇は六角形に加工された「すす竹」で作られています。
すす竹は茶道具などでも使用されますが、炉の煙で燻された竹なので
今や貴重な素材になっています。
侘びた印象ですが、素材にもこだわりがあるんですよ。
刻んだたばこを詰める火皿の部分です。
羅宇が六角形なので持ちやすい!
吸口です。
「K18」の刻印が入っています(刻印の左側)
右側の刻印は「大●●●」とありますが、読み取れません。
(刻印があるので、煙管だけは後世の補作の可能性があります)
煙管までセットされるたばこ入れはなかなかお目にかかれないので
貴重な逸品だと思います。
かつての粋な人達は、こういった逸品を腰に下げて歩く時
どんなに心踊ったことでしょうか。
そんな風に想いを馳せたくなる逸品のご紹介でした!
(でも、タバコの吸いすぎは体に毒ですよー)
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