文庫 麦わら帽子

自作小説文庫

積乱雲。

2013-09-03 | 詩歌

また どうしようもない夏がきた

空から 巨大な指が下りてきて

私の 頤をつかみ 云う

上を向け と

今年もまた失いかけたが

強かに 私は嗤う

空がなにを 巻き上げようと

今年もまた

手放しはしなかった

空の下

愛しい人と 歩んでゆく

鳥の黒い影が 雲に帰っていった




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