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TAMAの日記

雪の田んぼに消えた「ポチ」のこと

こんにちは。

現在の近江八幡は、曇り時々晴れ 気温6℃。


道路の雪は、昨夜の時点でほぼ消えていたが、田畑はまだ積雪が残る。

今日は久しぶりの夜勤なので、9時に起床。

遅い朝飯を済ませ、部屋でまったりとブロガーさんの記事を見ていると
可愛い猫の写真が今日も沢山紹介されている。


うちも、かれこれもう二十数年前の話だが、一匹の猫を飼っていた。

名前は「ポチ」

東京の弟が、何処かで貰ってきたか、拾ってきたかはわからないが、最初は飼っていたのを
引っ越しする先がペット禁止という事で、滋賀の実家に連れてきた。

私の家は、お袋が小動物の類いが苦手なこともあり、子供の頃に「文鳥」を飼ったぐらいで、
それまで犬や猫は全く飼ったことが無かった。

もちろん、私はペットが欲しいと一度は両親にねだったが、お袋が

「文鳥のフンの始末がキチンと出来たら、考えるわ」

と言うので、両親がやっていたフンの始末と籠の掃除を、私がやることになった。

しかし、ビジュアルと臭いに「オエッ」と嘔吐きながらの作業に、直ぐに嫌気がさして
途中で投げ出す結果に終わった。

親に言われるまでもなく

「僕にはペットを飼うのは無理だ・・」

子供心にも悟り、それ以降ペットとは無縁の生活を送ってきたところに、ある日突然
「ポチ」はやって来たのだ。

さすがのお袋も

「かわいそうだから、しょうがないよ」

と、今回は渋々ながら了承して、「ポチ」は晴れて我が家の住人となったのだが
それまで猫を飼った経験のない私達には、試行錯誤の連続。

何より、最初に「ポチ」を見てビックリしたのは

「蚤」がウジャウジャ!

「早くなんとかしてよ!」

ポチが来て以来お袋は常にイライラしていたが、意外なことに、会社を定年後 
暇を持て余していた親父が

「ポチー❤️ ポチー❤️」

と、それこそ「ポチ」を猫可愛がりするようになり

「一緒にお風呂入ろうか❤️」

と、風呂の度に「ポチ」を洗ってやった。

数回洗ったぐらいで取れるような蚤の量では無く、私も風呂で洗うのだが
猫は、ああいうの

嫌い・・・なんですね。

引っ掻かれて、大変な目に遭った。


その後、オシッコ用のトイレや紙砂を買いに行ったり、雄の「ポチ」が
近所の雌猫が来る度に

「ニャーゴ ニャーゴ」

と鳴くので、知り合いに聞いて動物病院に「去勢手術」を受けに行ったり

いやあ・・・

ペットを飼うのは大変なコストがかかるもんだなと、飼いはじめて新たに分かった事は、
本当に多かった。


ただ、みんながいろいろ経験を重ねることによって、ペットというより

「家族の一員」

という気持ちで次第に「ポチ」と接するようになっていったように思う。



結局、「ポチ」とは7年ぐらい生活を共にしていただろうか。

ペットを飼うと必ず訪れるのが、愛するペットとの別れ・・・

情が深ければ、その哀しみも計り知れないだろう。


それまで、大した病気もしなかった「ポチ」が、急激に痩せ始めたので
親父と一緒に動物病院に連れて行くと、腎臓がもう機能していないとの診断。

「もう手の施しようがありません」

私もショックだったが、特に親父のショックは大きく

「なんでもっと早く気づいてやれなかったんだ、ゴメンなポチ」

帰りの車中、こればっかり「ポチ」を撫でながら言っていた。


Dr.の診断通り、「ポチ」は日に日に衰えを見せ始め、とうとう歩くのも
覚束無い状態となった。

家族で「ポチ」の来たるべき日の事も相談するようになっていた、ある冬の朝。


あの日の朝も、昨日のように新雪が辺り一面を覆っていた。


親父の話によると、いつも親父の部屋で寝ていた「ポチ」が、どこにそんな力が
残っていたのか不思議なほど、急に

「ニャーニャー」

と大きな鳴き声を上げ、部屋のサッシ窓を爪で引っ掻いたらしい。

「ポチ」のあまりの勢いに、親父は思わずサッシを開けてしまった。

瞬間、ポチは家の外に飛び出し・・・

そのまま帰って来ることはなかった。


寒いから、そのうち戻って来るだろうと思っていた親父が、「ポチ」が帰ってこないので
私を呼びに来て

「ポチが帰ってこないんだよ!」

と言うので、急いで外に出て

「ポチー!」

と呼んだが、何処にも居ない。


親父の部屋の前まで戻ると、新雪に小さな足跡が残っていた。

その足跡を辿った。


足跡は、家をぐるっと一周した後


この雪の田んぼに続いていたが、途中で途切れ

そのまま分からなくなった。


あれからほうぼう探し、近所の人にも声をかけたが

とうとう見つけることは出来なかった。


あの晩は、なんともさびしく悲しかった。

せめて、「ポチ」の最期は看取ってやりたかった。


「ポチ」は、私達に迷惑をかけたく無いと、気をつかってくれたのだと思いたい。


親父はあの夜、自分を責めていたが、あの状況なら私も同じ事をやった。



きっと、あの世で親父は「ポチ」と再会し、また楽しく暮らしているにちがいない。




皆さんの猫の写真を見て、つい思い出を書きました。


それでは夜勤に行ってきます。
























コメント一覧

mamazones
また読んでしまった
読むたびに涙
私は犬も猫も飼ってた
今はチワワ2
先住猫を看取りました
最期にニャアーと泣いて息を引き取りました
私の腕の中で
今でも写真と心の中に生きてます。
gabaosan
こんばんは。

子供の頃飼っていた猫のノミ取りの事を思い出しました。
猫は最後に家を離れるとは聞きますが、ポチも最後を悟ったのですね。。。本当に猫は不思議です。
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