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惜別 グレース眞樹(1) エートル

2024-08-02 08:21:43 | エッセイ

 

2001年7月サンケイパリ祭のパンフレットより

 これは有名なシンガーソングライターのアズナブールが作った曲にシャンソン歌手グレース眞樹さんがつけた詞である。グレース眞樹さんの自筆で、丁度23年前の2001年8月1日に戴いた。

 タイトルどおり、ひたすらこの世の無常観を謳っている。時として目を背けたるような真実である。その真実に逆らうことなく、グレース眞樹さんは2016年に癌により「宇宙の果てに旅立つ・・・」た。体調が良くないことは聞いていたが、真相を確かめるのが怖くて躊躇しているうちにこんなことになっていた。今はただただ後悔である。

 2001年7月、大阪駅前の旧サンケイホールで「パリ祭」と銘打ったシャンソンの会があった。出演していたグレース眞樹さんが歌った一曲がこのエートルだった。宇宙と生命をテーマに原稿を書いていたところで、この詞がぴたっとはまった! 何とか文中にとり入れたいと思い、掲載許可をとるべく連絡したところ上の仕儀となった。しばらく書き進めると、似たようなモチーフの本が次々と出版され、よほどの新味がなければ難しくなってしまった。彼女には許可を得ていたのに形にできず、報告しそびれているうちに10年程経ち、とうとう出版をあきらめた。すると吹っ切れて、別の形でこの詞を生かしたいと思うようになった。が、仕事に追われ、連絡の機会も減ってしばらくすると彼女の体調不良が伝わってきた。

(2024.8.1.K.K.)



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