日をおうごとに回数を増やす着信。出る度に憂鬱になり胃が痛くなり戻しそうになる。元々は後任からの電話に出れば良かっただけのはずが、いつしか普通に上司から来るようになった。
土曜日にまで着信が多数あり更にその中で私への損害賠償を請求する旨を仄めかすような内容が含まれていた為、すぐ様弁護士に連絡を取ったところ支払いには応じなくても違法性は無いことを説明された上で着信拒否を勧告された。私はすぐに従った。
「もう今後電話かかってきても全部無視で大丈夫なので」
「ありがとうございます。助かります」
種々の電話を終えた後はしばらくご飯が食べられず、またしても家族に心配をかけた。
ブラックここに極まれり。
毒には同じ毒を以って制すると言う言葉があるが、私の場合は一般常識と法律に照らし合わせた光の方法で奴らを滅する所存である。
否、滅しなくとも良い。せめて私が安全に暮らしていくことができればそれで良いのだ。
このブラック企業を潰すのは他の誰かに任せたい。
きっと、先に旅立った先達も同じ考えだったのだろう。
全ての連絡を絶った今はメンタルの回復を急ぎたいところだ。