「日の沈むとこ 眺めにいこうよ」
1日に44回も夕日を見た王子さまは
その日、
どんなに
悲しかったんだろう。
美しい夕日に出会うと
そう思う。
「だって、
とても悲しいときって
入り日が大好きになるものだろ」
入り日が大好きになるものだろ」
そう言っていたのは
サン・テグジュペリの "星の王子さま"
彼の星は
ちょっと歩けば一周できるくらい
小さい。
だから
見たいと思ったときには
夕方まで待たなくても
イスをちょこっと西に動かせば
夕日を見ることができる。
その夕日が沈んでしまっても、
イスをちょこっと東に動かすだけで
もう一度、
夕日を見ることができる。
そうしてあるときには
1日に44回も夕日を見た王子さま。
その日 彼は
どんなに悲しかったんだろう。
夕日があんまりきれいだと
佇んでひとり
王子さまの悲しみを思う。
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