そして、なるべく外出して、愛車で疾走している。
愛車でドライブするのは楽しい。
其れだけで気分転換が図れる。
取り越し苦労程、無駄な事は無いとは解ってはいる。
だが、先々の不安は襲って来る。
生前の祖母の介護費用と葬儀費用で貯金も底を突いて無い。
支払い分には手を出せないので、今現在財布に在るカネは178円也。
給料日は月末。
昼食と夕食だが、宅配弁当を利用しているので、食えぬ心配は無い。
冷蔵庫には、梅干し、卵、納豆。
味噌と具入りのインスタント味噌汁は買い置きが在る。
今、此処数年で低迷を極めている。
あとは上がるのみと信じたい。
退職の二文字に振り回されているが、今辞めれば路頭に迷うのは間違い無い。
実生活を見渡さず、退職に捉われていた。
よくよく見渡すと、現在の薄給で辞めたとして、離職原因は「自己都合」となる為、失業手当は3ヶ月の待機を経てからとなる。
其の前に家賃補助の申請をしても、計算してみたが、とてもじゃないがやっては行けない。
家賃の低いアパートに移るにしても、引越し費用(まぁ此れは車を借りて、搬送から搬入迄は己がやればいい)、同じ管理人の物件に移り住むにしても、再契約となる為敷金と礼金が発生する。
そんなカネは、何処をどう穿り返しても出て来ない。
総合的に思案したら、退職したら忽ち実生活が破綻する事が確定した。
此の歳で路頭に迷う事程、惨めなものはない。
ならば安易に公費に頼ろうかとも考えたが、昨今の事情を見れば、決定が下りるかどうかも定かではない。
彼是と現実味の無い事ばかりを考えるよりも、現実を直視して、どう判断し行動するべきなのか。
薬に頼り乍らでも、細く長くやるしかない。
此れは貧乏人の僻みだが、本当に此の世は不公平、不平等である。
キリスト教は、此の世は争う事無く相食む事無い世を具現化すると云うが、まぁ地球上に植物、生物が存在する限り来ない。
此の思想に対して云える事は、絶対無理であると云う事である。
絶対と云う言葉は安易に使うものではないと云うが、此の脳味噌フラワーガーデン思想に対しては憚り無く使える言葉である。
銭の無い者は馬鹿にされ、相手にされない事を改めて身をもって痛感した。
嗚呼、世の中は銭である。