坂本龍一は、ミュージシャンでありながら
大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』で俳優としてもブレイクして、
その容貌から『教授〜』なんて女性たちから呼ばれる存在だったようですが。
そのころの私は、坂本はテクノという異世界なジャンルだけでなく、
よい音楽を創る人なのだと認識し始めていました。
退廃的な映画『ラストタンゴ・イン・パリ』で知られる
ベルトリッチ監督と創り上げた『ラストエンペラー』は素晴らしい曲が多く、
なかでも『Rain』は、走るような曲調が交感神経を刺激して、魂を鼓舞してくれて。
それがとても気に入って、今に至るまでずっと創作中、筆が走る充実した時に聴いていました。
その後の同じくベルトリッチ監督の『シェルタリングスカイ』は、
人生に迷う夫婦の放浪の映画で、内容はなんだかよく分からなかったけど、
坂本龍一の音楽が乾いた異国の大地と、止め処なく流れる大気を表現していて荘厳で美しく、
坂本の音楽を味わいたいがためにベルトリッチをイメージ映像のように眺めていたものです。
それから
菊池凛子がその存在を日本中に知らしめた映画『バベル』のエンディングは、
坂本の『美貌の青空』という息が詰まりそうな切ない楽曲で締めくくられ、、。
この曲は不調和音が共鳴しながら心に深く染み込んでいく、水面のように不思議に冴えた楽曲で。
墨美神を描く時、何度も何度も繰り返し聴いていました。
たぶんこれからも。
奏でる手
Ars longa, vita brevis.〜 芸術は長く、人生は短し
やすらかに
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