Sumibishin®︎ 樋口鳳香〜水墨画家のすみeブログ

大臣賞受賞 水墨画家 樋口鳳香のアート系ブログ
墨で描くかぐわしき美神たち〜『墨美神®︎』展覧会情報を発信します

『墨美神®︎』の支持体について〜麻紙と正絹

2024-04-19 09:10:10 | solo Exhibition 樋口鳳香・墨美神®︎展
【樋口鳳香・墨美神®︎展】

銀座画廊 美の起原にて、20日(土)まで開催です。

(※最終日20日(土)は16:00迄です)



樋口鳳香の描く『墨美神®︎』

華やかな着物を使った創作掛軸『墨美神®︎きもの掛軸』の支持体は

ほとんどの場合、正絹きもの地を使っています。





紙に描く場合は麻紙。

麻紙は、繊維が長く粗く、薄墨がランダムによく滲んでいく和紙です。

墨美神®︎の異空間的な空気感を表現するのによく使います




越前麻紙



水墨画の醍醐味といえば、やはり墨の滲み、ダイナミズムです。

最初に入れた墨は、どんなに上から塗り重ねても最後まで残るため、

水墨画は、濃淡を筆の中に作って、濡れているうちに一気に面で描き上げていきます。

あとは支持体の繊維の広がりに任せて、水を含んだ墨が滲んでいくままです。

水墨画は他の絵画表現のように白を塗り重ねることがないため、

一度入れた墨は消すことができません。

けれど経験を積むことで、墨の滲みをある程度計算することができるようになります。



紙の種類によっては水あとも残るため、

伊藤若冲の筋目描きのように、それを生かした表現もあります。

具対的に言うと、龍の鱗の表現や花弁の重なりなどです。



下塗りをしない、余白を生かす水墨画にとって

支持体である和紙は作品の仕上がりを左右する大切なものですが、

近年はいろんな事情が重なって、

良い和紙が入手しにくくなっています。

そんな事情も相まって、絹に表現することも並行して始めました。

墨美神の場合、絹と言っても絵絹でなく、着物地に描くので事情はかなり変わりますが

それでも絹は和紙に比較すると、意にそう『スナオ』な支持体です。

和紙と違って「想像しない方向に墨が滲む」ということはそんなにはありません。

なめらかな素直な滲みが表現できます。



着物掛軸イメージ




個展『樋口鳳香・墨美神®︎展』では、

ぜひ支持体によって変化する墨の滲みの違いなども

お楽しみいただけたらと思います。



画廊初めての方もぜひどうぞ。

作家、樋口鳳香は終日在廊いたします。

お気軽にお声かけくださいね。




墨美神展DMアレンジ




個展【樋口鳳香・墨美神®︎展~春の果て】
会場:銀座画廊 美の起原
会期:4/15(月)~4/20(土)
12:00~18:30(最終日16:00閉場)



銀座画廊 美の起原 VR展示&オンライン販売ページ

https://銀座画廊.jp/sumibishin2024/
ネット販売期間(予定):4/16(火)~5/4(土)まで




Solo exhibition [Hoca Higuchi SUMIBISHIN®︎]
April 15th (Monday) - April 20th (Saturday)
12:00 - 18:30 (until 16:00 on the last day)
Venue: Ginza Gallery The Origin of Art (8-4-2 Ginza, Chuo-ku)




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