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ONLY DAILY ・・・ あおいあお

毎日が昨日になり、今日になり、明日になる。
誰のものでもない、自分の心を自分の言葉で。

知り合い

2025年04月16日 | PUSH OUT

知り合いの友人が
知り合いの友人に
家を頼んだ
知り合いの友人は
知り合いの不動産屋に
家を頼んだ
知り合いの不動産屋は
知り合いの不動産屋に
家を頼んだ
たくさんの知り合いの知り合いが
たくさんの家をぶら提げて
暗い夜道を行列している
知り合いの友人は
行く先もわからず
いつしかその行列の最後尾で胸を張っている

 

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今日のはじまり

2025年04月02日 | PUSH OUT

月の暦で年のはじまり
太陽の暦で春のはじまり

立つは歩くのはじまり
歩けば旅がはじまる
僕の旅のはじまりは定かではないが
突然ここに着いたわけでもない
記憶は
鳥のように羽毛の軽さで飛びはじめ
今や五体の何倍もの荷物を背負ってる
その分筋肉は比例して形を作ってきたが
ここにきて支える骨が軋んできた

終わりが見えてはきたが
まだ終わりではない
思う以上に長い旅の途中かもしれない
そろりといたわりながら
まだずっと先に腰掛けて
最後に見る光景を想像しながら
一歩ずつ踏み出していく

それが今日のはじまり

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さくら

2025年04月01日 | PUSH OUT

咲き誇るなら

短い命の花だけでいい

指先ほどの花びらが集まって

幹も枝も隠し

群れとなり

大きな生き物になっていく

白色のあるいは薄紅色の

天に導く龍のようだ

限られたときの中で

命の色を保ったまま

散っていく

地に落ちた桜の花の道

無造作に歩くことはできない

 

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美しい言い方

2025年03月23日 | PUSH OUT

暖かくなってきたから春

暑くなってきたら夏

涼しくなったら秋

寒くなったら冬

他に何かもっと言い方ある?

美しい言い方が

きっとある

 

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望ましい雨

2025年03月16日 | PUSH OUT

空に
抱えきれないほどの雨を
孕んだ黒く大きな雲が
浮いている

望めば望むほど
望みは
人から離れ
天に舞い上がる

舞い上がった望みは
群れをなし
凝集し
巨大な化け物になる

支えきれなくなった雲から
雨が放たれる
家をながし橋を壊し
容赦なく道を消失させる

積み上げてきた
街が
積み上げてきた望みで
破壊された

これは
望みではなかったはず
そのままであること
それが最大の望みであったはず

雨が
程よく降ってきた
木も草も動物も人も
その恩恵に与る

望ましい雨が
望ましい命をはぐくむ
望ましい望みが
望ましい命を保つ

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失った正気

2025年01月22日 | PUSH OUT

地中に撒き散らされた種

ひしめき合い摩擦する

地球の不順で

目を出せない

膨張する欲望

生命の本能が軋轢を生み

一つの種が地中を飛び出した

空に弾を撃った

バーン!

芽の息吹く音ではなく

芽が正気で失くなった瞬間である

 

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午後の休息

2025年01月21日 | PUSH OUT

日々眠り
日々目を覚ます
同じ場所への生還

闇夜伝いに
辿りつく
朝明けの頃

地上すぐの樹木が
高すぎる空を遮る
しなやかに伸びる四肢

取り戻す呼吸
風に木洩れ陽
午後の休息

米を研ぎ
水に眠らせ
成熟を待つ

わずかだが
また生き長らえた
夕べのひととき

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ふりするより

2024年11月18日 | PUSH OUT

みえるものを

みたといい

きこえたものを

きいたという

 

知ったふりをするより

その方がいい

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もうすぐ

2024年11月16日 | PUSH OUT

そう遠くないうちに

僕もそこへ行く

ここまで来れば

道案内はいらない

 

 

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取引

2024年11月15日 | PUSH OUT

心はいつも取引

悲しみと怒り

愛情と憎悪

交渉はうまくいかない

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異和感

2024年08月19日 | PUSH OUT

異和感のあるあなたの中に入って

どうしてそうなるのか知りたい

お薬がどんどんあなたの中に入っていくけど

お薬はあなたの中で一体何をしているのでしょう

異和感がなくなったとは言えず

ただほんの少し生気がなくなっておとなしくなっただけ

だから

異和感のあるあなたの中に入って

どうしてそうなるのか知りたい

そして

苦しみから少しでも解放して

楽にしてあげたい

どうすれば

異和感のあるあなたの中に入っていけるのでしょう

 

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輪になって

2024年03月14日 | PUSH OUT

心が手をつないで

輪になってすわると

どの心も見えるようになる

優しさも敵意も

熱意も怠惰も

みんな手をつなぐんだ

ぐるっと見渡して

みんな自分なのだ

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ひとりよがり

2024年03月13日 | PUSH OUT

僕が感じるほどに

君の心は動かない

君が気づくことに

僕は無関心だ

僕に見えるものを君は見ず

君に聞こえるものを僕は聞かない

 

そうなんだよ

誰もがみんなひとりよがり

それで気分を悪くする

 

ばかげた話だ

 

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額縁の記憶

2022年09月11日 | PUSH OUT

記憶が

額縁の中に納まって

一枚の絵になった

壁に掛け

時々近寄るぐらいが

ちょうどいい

もう現実ではないのだから

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試されるとき

2021年08月22日 | PUSH OUT

もう

まだ

試されるとき

波立つ水面の

空気の酸素なら上

水中の酸素なら下

人なら空気

沈むか

干上がるか

鍵はひとつ

上か下か

さあ

君よ

まだだろ

回すだけだ

 

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