頼まれた書物があって久しぶりに紀伊国屋書店へ行った。
レイアウトが変わっていて、戸惑いながらも用事のことは済ませ、詩集のコーナーに辿り着いた。
幾冊か手に取りぱらぱらとページをめくって目を通しているところで、この詩集に出会った。
有田史朗「光は灰のように」
その詩集から1篇
まひるの朝食
トマトを包丁でスライスする
胡瓜は細長く刻まれる
朝の太陽は
もう中天たかくのぼってしまった
わたしは野菜と卵に叱られる
香ばしいパンがなだめてくれなければ
わたしは珈琲を飲む資格がない
午後よ しばらくは
傾きを遅くしてくれないか
わたしは今から
人間になるのだから
レイアウトが変わっていて、戸惑いながらも用事のことは済ませ、詩集のコーナーに辿り着いた。
幾冊か手に取りぱらぱらとページをめくって目を通しているところで、この詩集に出会った。
有田史朗「光は灰のように」
その詩集から1篇
まひるの朝食
トマトを包丁でスライスする
胡瓜は細長く刻まれる
朝の太陽は
もう中天たかくのぼってしまった
わたしは野菜と卵に叱られる
香ばしいパンがなだめてくれなければ
わたしは珈琲を飲む資格がない
午後よ しばらくは
傾きを遅くしてくれないか
わたしは今から
人間になるのだから