STRATEGY-2:タックル適合性を考える
さて、今回からは実際に使うタックルの適合性を、平面的な感覚だけでなく、少し立体的な物理的に掘り下げていきたいと思います
かなり昔はスピナーベイト・ロッドと言うと、ミディアムくらいの硬めロッドが最適と言われていました
これは巨大なシングルフックを確実にバスの上顎を貫くための考え方でした
しかし、現在ではスピナーベイト用のロッドは柔軟でバットパワーのあるモノが最適と言われるようになってきました
では、何故それが必要なのか?そのスペックが何故スピナーベイティングに於いて重要なのか?
そこには「ラインテンション」という最も重要なファクターが絡んできます...
ACT-1:ラインテンションとは?
ラインテンションについてはご存知の方も多いと思いますが、カンタンに言うと、糸の張った状態
この状態が最もフックが外れにくい状態ですね
フック状のものはこのテンションのある状態では中々外れませんが、テンションが無くなると意外と外れやすいんですね
よく落語なんかで、自分釣っちゃって中々針が外れないお笑い場面を見たことある方も多いと思います
あれは、ギューンと曲がった竿がバネが引っ張るように糸にテンションを掛けているので、中々外れないという描写です
もがいても、もがいても外れない(笑)
落ち着いて竿から手を離せば案外カンタンに外れるというオチです
逆に言うと、このテンションが無ければフック状のモノは案外外れやすいんですね
そしてスピナーベイトはその構造上、この「ラインテンション」の「許容範囲」がより重要となってきます...
ACT-2:ラインテンションの許容範囲
ここでは「硬さ」とラインテンションの「許容範囲の差」を考えていきましょう
柔らかいロッドほどこの「テンション維持」の許容範囲が広いです
では、何故そうなるのか不思議に思いますよね
そこでこの辺を、ちょっと具体的に解かりやすく見ていきましょう...
ここではより解かりやすく極端に、柔軟なロッドとカチンカチンのフリッピングロッドを想定して、比較していきましょう
ある程度の過重をかけた場合、柔軟なロッド(図a)は大きく曲がりますが、カチンカチンの棒のようなフリッピングロッド(図b)は少ししか曲がりません
ここで更に解かりやすくするために、仮に、柔軟なロッドが30センチ曲がるのに対して、フリッピングロッドが5センチしか曲がらないと仮定します
そしてここから更に、いつもの思いっきり分かりやすく言うと、例えば魚が暴れてコチラ側に10センチ動いたとすると、フリッピングロッドのラインテンションは-5センチとなって、フックが外れてしまいます
しかし、柔軟なロッドの方は、30-10=20でまだ十分なラインテンションを維持して外れにくいと言うことになりますね
コレが硬さとラインテンションの差と言うワケです
当然、ラインテンションの余裕の大きい方が、ポイントが当たった直後のラインテンション維持の許容範囲が大きいので、より外れにくく、掛かりやすいと言う事ですね
特にスピナーベイトはその上向きのシングルフックという構造上、元々が掛かりやすいトレブルフックなどより、このファクターがより重要になってきます
掛かる要素が減少する分、よりこの掛かった瞬間のラインテンション維持が重要になるワケです
つまり、ラインテンションの許容範囲の大きい柔軟なロッドのほうが、「掛かった瞬間」の暴れを「吸収」してラインテンションをより維持出来るワケですね
コレにより、より掛かりやすく、外れにくくなるワケです
以上の点から、コレらが近年のラインテンション維持も考慮に入れた、巻物系の柔軟なロッドの「乗り」の「釣り」と考えられますね...
ロッドに関しては、ボク的には、乗りとフッキングも考慮して、ミディアムライトのレギュラーテーパー辺りが圧倒的に使いやすいと思います
コレを目安に、ややパワータイプの釣りやライトな釣りで、ロッドパワーを増減して調整すればいいワケです
さて、今回は掛かりの良さに重点を置いて、適合ロッドの分析をしてきました
次回以降では何故バットパワーが重要なのか、また掛かった後にも柔軟なロッドが有利なのか?
諸々、順番を考えながら、物理的に分析していきたいと思います...
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