ある女子高生のお話
先日、買い物帰りで
久しぶりにバスに乗った。
混んでいたので大きな荷物を
抱えたまま立っていた。
すると近くにいた若い男性が無言で
席を譲ってくれた。
私はお礼を言って早速座った。
その後、おじいさんが乗ってきたので、
私は席を譲った。
今度は私がお礼を言われ
「荷物持ってあげるよ」と言ってくれた。
優しい気遣いにとてもうれしくなった。
次の停留所で、降りた女性の忘れものに
気がついた乗客が
「忘れ物ですよ」と叫んだ。
間一髪で間に合い、手渡しリレーで
バスの外の女性に届けた。
女性は恥ずかしそうに
お辞儀をして走り去った。
私が降りる停留所ではおじいさんが
「お姉ちゃんお疲れ」と言い、
荷物を渡してくれた。
私は大きな声でお礼を言って
バスを降りた。
学校では決して得られない
体験だった。
多くの親切と助け合いに出会い、
教科書に載っていない
大切なことを学んだ。その夜、
家族で鍋を囲み身も心も温まった。