Toshichanの独り言

海外、国内旅行の旅日記。私の俳句手帳、などなど筆の進むままに書き連ねてまいります。

3度目のザルツブルグ音楽祭&北欧3国 ぶらり旅 2(ザルツブルグ音楽祭 今年は素晴らしかった!)

2016年09月11日 | 旅行

1,ザルツブルグ音楽祭模様

(1)7/30 「ウィーンフィルハーモニー ダニエルハーディング指揮  ハンガリー合唱団 」
・ペーター・エトヴェシュ作曲「ハレルヤ
-聖歌隊、天使、ナレーターや吃音預言者のためのオラトリオ(世界初演)

・ブラームス作曲 「ハイドンの主題による変奏曲 ロ短調 OP56a」
・マーラー作曲「交響曲10番」 

於:祝祭大劇場(Grosses Festspielhaus)7/30 20:00

 


いや~、最初の ペーター・エトヴェシュ作曲「ハレルヤ」(世界初演) の演奏には驚き、感動した。ウィーンフィルとハンガリー合唱団 が舞台に広がり、前に声楽のソリスト男女二名が立っている。ここまではいつのもパターンだが、ソリストたちの横に「解説者」がいる。そして解説者が何やら話して演奏が始まるが ソリストと合唱団の掛け合いで音楽が進んでいく。またソリストが「どもり」で喋ると言うか、歌うと言うか・・・。もちろん言葉はわからないが、何か面白い、興味が引かれた。音楽会のカタログにも"一連のザルツブルク音楽祭で「スピリチュアル序曲」で、オラトリオの初演は、プログラムの現代的なハイライトです。"と言う分かったようなわからないような解説が書いてあった。

ザルツブルグ音楽祭でこのようなチャレンジをやることは大変良いことだ。停滞するクラッシック界に対する活にもなり、観客の興味を盛り立てる。特に一流のオーケストラ、指揮者、演奏家でやったからこそこれだけ盛り上がり、感動を与えたんだろう。少し高い料金を出しても その金をチャレンジなどに使い、観客を楽しませることは有意義だ。いいコンサートに参加できました!

(2)7/31 「ウィーンオペラ座」
・コシファントッテ モーツアルト作曲
於:Felsenreitschule 15:00
"本オペラの本質を踏まえつつ、劇場の特質も生かしながら新たな演出で 大変面白かった。" 



 

この劇場は昔「サウンドオブミュージック」の後半で、合唱コンクールの会場として使われたところで、昔は乗馬学校であった。この劇場の面白さは、舞台奥に、岩をくりぬいた三層のアーチの通路があり、劇場側に開いているところにある。今回はこの通路を「オペラに登場する役者の通り道 町の街路、黒子の通り道兼休み処?」として効果的に使っていた。
またオペラが始まる前から、すでに舞台では(セリフはないが)劇前劇が始まっている、主役の博士とその仲間が何かいろいろ論議してる ようなものだった。
ストーリーはモーツアルトのオペラを尊重しつつ、舞台装置、周辺の進め方を工夫して斬新さを出そうとしていて 大変好ましいものであった。二か月半ほど前 スロバキアのブラチスラバのオペラ座で見た コシファントッテ はモーツアルトのオペラを「換骨奪胎」して違うものに仕上げている。これは明らかに演出の越権である。
それを否定しているわけではないが、やるなら「モーツアルト コシファントッテ」を下敷きにした新たな「オペラ〇〇〇」として上演とすべきではなかろうか。

(3)8/1 「ウィーンオペラ座」(演奏会形式)
・マノンレスコー、プッチーニ作曲
・ソプラノ:アンナ ネトレプコ 他
於:祝祭大劇場(Grosses Festspielhaus)8/1 19:30

ネトレプコ、今「旬」です。脂が乗りきっているね。席が前から四列目、右端に近い位置だったが ネトレプコの息遣いまでよく聞こえる場所で満足。
O氏によれば「濃厚ボルシチかグーラシュかって感じです。満腹でしたでしょう」 と言う メッセージをfacebookでもらったが、うまいこと言うね。日本でこんなものを食べたら胸がもたれて二、三日食欲もなくなるが、やはりヨーロッパ。風土、気候、人文が脂ぎった肉料理を生み出し、それが美味しく食べられる。
若い頃より相当太ったようだが、この体の大きさも声のボリューム、響きを産むのであろう。
でも考えてみれば オペラ歌手 と言うのは 人間楽器を自分で演奏すると言う大変な仕事だ。不摂生もできないし、心の安定も大事なことなんだろう。
演奏会形式だったので歌はじっくり聞けたが、次はオペラとして鑑賞したいと思う。



(4)8/3 ピアノリサイタル「シフ」
・シューマン 蝶々op,2(ソロ)
・ドビッシー 子供の領分(ソロ)
・シューマン蝶々op,2(マリオネットと共演)
・ドビッシー 子供の領分(マリオネットと共演)

・Mozarteum Grosser Saal 8/3 19:30

上にも示したように 最初の二曲は 「普通」のソロリサイタルで すばらしい演奏であった。
その後である。ピアノが左のほうに動かされ、真ん中にあった黒い布が外されるとカラフルな箱がいくつか積み上がって置いてあった。そしてピアノ演奏が始まるとそれに合わせて、その箱を中心にマリオネットの劇?が繰り広げられた。たぶん ザルツブルグにあるマリオネット劇場のメンバーによるものだろう。ピアノとマリオネットのコラボレーションである。ふと思ったのは、「これは文楽と同じだ」 太夫、太棹は ピアノ、人形はもちろん「人形」
ただし、文楽と同じで ついつい人形のほうへ注意が向いてしまい、ピアノは背景の一つになってしまう。それが狙いで、それでいいと言えばいいんだろうが・・・。少し複雑な心境。
しかし、このようなチャレンジナブルな取り組みを シフが行う、演出家が行う、音楽祭として行うことは大変良いことだと感じた。 

総括的にみると、今回見た演目はどれも私を大変楽しませてくれた。特に四件のうち、二件はなかなか斬新な取り組みでクラッシックを活性化しようと言う気持ちが強く感じられ心強く思った。
 


 

 



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