1968年6月10日刊行『月刊漫画ガロ』6月増刊号「つげ義春特集」掲載
2色印刷
海岸でメメクラゲに左腕を噛まれ静脈を切断された主人公の少年が、
死の恐怖に苛まれながら「医者はどこだ」と言いながら医者を求めて
漁村らしき奇怪な町を放浪し、不条理な目に遇いながらも、
ついには必要とした女医(産婦人科医)に出会い
「シリツ」(手術)を受けることができ、事なきを得るという話
つげ義春『発表50周年記念 ねじ式 原寸大複製原画集』
つげが水木しげるの仕事を手伝っていた頃に下宿していたラーメン屋の屋上で見た夢が元になっており、つげ自身は「ラーメン屋の屋根の上で見た夢。原稿の締め切りが迫りヤケクソになって書いた」 と語っている
完成までには3か月を要している。
1968年6月頃には『もっきり屋の少女』を描き上げ『ガロ』8月号に発表したが、9月には自分の存在意義に理解できず、精神衰弱に苛まれ、
2、3度文通を交わしただけの看護師の女性と結婚するつもりで九州への蒸発を決意したが、10日で帰京。
翌、1969年には状況劇場の女優藤原マキと知り合う。
タイトルの『ねじ式』は、シリツの際、治療のため女医によって取り付けられた血管を接続するためのバルブねじからきている。女医自身はこの治療法を『○×方式』と呼び、少年に決してそのネジを締めることのないよう注意する。ラストシーンのモーターボートが走るシーンは未完の作品「湖畔の風景」から流用している
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