水性アクリル絵具
水性アクリル絵具は、顔料にアクリル樹脂エマルションで練り上げた絵具 である。水彩絵具と同様に水に溶けるが、乾燥すると優れた耐水性を示す。耐候性にも優れ、屋外に使用できる。接着力が大きく、紙やキャンバスだけでなく、金属、ガラス、コンクリート等様々な支持体に描画できる。また、油絵具と比較すると速乾である。水溶性を活かした透明水彩絵具に似た技法から、耐水性や速乾性を活かした厚塗りの油彩的手法まで、様々な技法を用いることが出来る。また、様々なメディウムを混合することにより、光沢や粘稠度等を調整してさらに多様な表現が可能である。絵画以外にも、壁画や装飾、模型、アニメーションにおけるセル画の着色などに用いられる。また、顔料単体に似た発色をする艶消しのアクリルガッシュもある。
アクリルガッシュ
アクリルガッシュは、主として耐水性を付与されたデザイン用途での絵具としての性格を念頭に作られた絵具である。固着材がいわゆる水性アクリル絵具より少ないことや、鮮やかだが耐光性のない顔料がしばしば使われていることから、耐久性、耐光性には難がある。ゲルメディウム、モデリングペーストなどを混ぜれば、極端な厚塗りも可能である。アクリル絵具は速乾性の効率的な絵の具であり、人工物としての性格が強く、デザイン以外にも多くポップで軽快なテイストのイラストなどに用いられる。ただし、削り出しなど工夫によって重厚な画風とも調和し得る。アクリルガッシュは、水分が蒸発することで塗膜が固化するので乾燥は早く、効率的に描画出来るので、美術系大学のデザイン科などの入試における平面構成やイラストレーション、建築のパースなどに用いられる。
アクリルガッシュを国内で最初に製品化したのはターナー色彩㈱(1982年)だが、それ以前にイギリスのGeorge Rowney社(現在はDaler Rowney)が1970年頃に、Acrylic Designer's Gouacheの品名で商品化していたもののほどなく廃版となった
比類のない安定性と堅牢性を持つ、世界で最初の水性アクリル絵具は「liquid=液体」と「texture=質感」という言葉を合わせて「liquitex・リキテックス」と名付けられました。
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