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ニコンはハイスペックを求めていない顧客への製品が十分ではない

2024年07月02日 | 写真

ニコンはハイスペックを求めていない顧客への製品が十分ではない

 

DPReviewがニコンへのインタビュー記事を公開。今後大きな影響を与える顧客層・まだ不十分な顧客層、AIの現在と今後、コンピューショナルフォトや動画機能の重要性と静止画との関係性について。

 

DPReview:Nikon interview: "State-of-the-art technology needs to be embedded in our products"

 

今年のCP+ の直後に、東京ニコン本社でのインタビュー

市場の現状

  • 2023年のデジタルカメラの世界市場は、パンデミックからの回復局面を迎えている。
  • この間にクリエイティブな仕事としてニコンを選ぶ若いユーザーが増えた。
  • ほぼパンデミック前と同じ水準に戻りつつある。
  • この成長を牽引している製品
    ・Z 8
    ・NIKKOR Zレンズが非常に好調
    ・Plenaや超望遠のようなレンズが非常に好評を得ている
  • 今後5年間でカメラ市場に最も大きな影響を与えると予想される顧客のタイプ
    ・小規模なグループや個人のコンテンツや画像クリエイター
    ・品質だけでなく、デザイン性も求めている若い世代
  • 十分なサービスを受けていない顧客
    ・ハイスペックなカメラやレンズのラインナップを求めていない顧客
    ・このグループの人にとって最も重要なのはConnectivity(接続性)

写真におけるAI

  • この1年のイメージングにおける最も重要なトレンド。
  • カメラにも業界全体にも良い影響を残せると考えている。
  • しかし、AIが偽画像や画像の不正利用といった問題を引き起こしており、信用・信頼性の問題につながっている。
  • 問題に対処するために、撮影した画像の履歴を記録する技術(=Content Authenticity Initiative)に取り組んできた。現在は、AFP(フランス通信社)と共同で展開しようとしているこれらの機能の有効性を検証し、実証段階。
    (訳注:今年1月9日にプレスリリース
  • AIを使った被写体認識とトラッキングにおいて、これらの技術がもたらした進歩に顧客は満足していると思うが、我々はこの先もチャンスがある。
  • 顧客にどのようなメリットを提供できるか、顧客が我々にどのような期待を寄せているかを考えることは非常に重要。
  • Z 8とZ 9に搭載されたオートキャプチャー機能は、ニコンが提供できるメリットの一例。現場で一人で撮影する場合、離れた場所に固定カメラをセットすることができる。

スマートフォンとコンピュテーショナルフォトグラフィ

  • スマートフォンとカメラでは、この技術の用途が異なる。
  • 開発中の詳細はお話できない。
  • Nikon Createsのような最新のイメージングにおける表現の可能性を広げるための技術開発に積極的に取り組んでいる。
  • カメラで表現できるものは、スマートフォンのレンダリングとは大きく異なる。
  • すべてのカメラユーザーはスマートフォンユーザーでもあり、消費者は2つのデバイス間の統合を期待するようになっている。
  • 顧客の悩みの種は、カメラで撮った写真を共有し、ソーシャルメディアにアップするというワークフロー。現在は顧客にとってステップが多すぎる。
  • それは、顧客が抱えるペインポイントの一例に過ぎない。そのようなユースケースに基づいて、どのように顧客の体験を改善できるかを本当に考え、顧客がどのようなニーズを持っているかを特定するように努めている。

ビデオの重要性

  • 動画と一口に言っても様々なタイプがある。
  • Vlogや一般のお客様向けのZ 30、Z 9は放送局からも非常に高い評価をいただている。
  • 顧客層は本当に幅広く、この幅広い顧客層のニーズにキャッチアップするために必要な進化を製品側に盛り込みながら、幅広い顧客層に訴求していくことができる。
  • 動画は高速撮影や高フレームレートといった静止画機能に大きな影響を与えており、動画機能はイメージング・ソリューションに活用できる。
  • 「写真に比べて動画編集には時間がかかる 」というお客様の声が多い。編集の手順全体をもっと簡単に、もっと気軽にできるようにすべき。
  • スマートフォンが制限付きではあるが、日常生活を記録する貴重な役割を果たしている。
  • しかし、カメラはクリエイティブな動画撮影で役に立つ。さらに進化できるのはそこ。画像表現を追求したいという願望を持つ顧客に焦点を当て、ミラーレスのソリューションでユニークで印象的な何かを表現できるようにする。

Z6IIIが正式発表される数か月前に実施したインタビューのようですが、動画機能の高フレームレート化は静止画に恩恵があるようですね。実際、Z6IIIは6K 60pのN-RAWに対応すると共に、20コマ秒の高速連続撮影も実現しています。6K 60p N-RAWをそのまま静止画にも使えると良かったのですが(パナソニックの4K PHOTOのような)、残念ながらそのような機能は無い模様。今後のファームウェアアップデートなどで追加機能があると良いですねえ。

ニコンはハイスペックなカメラやレンズの供給が多いと認識しており、逆に必要ないと考えている人への製品が少ないことを認識している模様。確かに他社で言うところのエントリーモデルやVlog向け製品、対応レンズなどは少ないように見えます。その点でZ6IIIに期待していた人も多かったと思いますが、価格設定とスペックが思っていたよりも高くなってしまったように感じます。Z 5IIや低価格帯の製品の充実を期待したいところ。

そのような観点から、直近で正式発表された「NIKKOR Z 35mm f/1.4」は一つの解答なのかもしれません。非S-Lineで光学性能と価格・サイズを抑えた手頃な価格の大口径レンズとなっています。それでも10万円前後ですが、純正品のF1.4レンズを身近に体験することが出来る面白い選択肢となりそう。もちろん、さらにステップアップするための「Z 35mm F1.2 S」は必要な気もしますが…。

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