とりたてて何もない日々のらくがきノート

からだに関することや昭和の懐古、たまに俳句など

あの匂いが唐突に

2024-07-21 21:13:02 | 日記


このごろ、過去に印象深かったのであろうか、今の自分のまわりには
その匂いの原因など全くないのに、ある食べ物とかどこか特定の場所での
匂いとかが、何の前触れもなく急にすることがある。その匂いの元の事を
思い出したり考えたりしている訳でもないのにである。

そういう匂いがすると、はっきり何の匂いだったかわかる時もあるし、
漠然として曖昧な時もあるが、決まって快適とか嬉しいといった記憶に
つながる匂いばかりみたいで、年を取るとこんな事も起こるのかと
ちょっと不思議に思っている。

匂いがするといってもほんの一瞬なので、数分後にはその事自体忘れて
しまうけれど、食べ物にだけ関して言えば、子供時代とか若い頃に食べた
その美味しさの記憶の中に、その時の幸福感というか誰と一緒に食べた
だとかそういう事も含まれているのだろうから、一瞬の匂いだけでも
気持ちが少し高揚してしまうのかもしれない。

それで1ヶ月ぐらい前、台所の棚にエースコックのワンタンメン(袋
ラーメン)があって、袋のデザインとか子供の頃のままだしメーカーが
復活させたのかと思ったが、それは自分が知らなかっただけでずっと
販売はされていたらしい。

こんな事も知らないとは恥ずかしい限りだが、昔食べた時の味を思い出し
ながら、早速自分で作って食べてみたら、なんか記憶にある味と違った。
うまく言えないけれど、何かまろやかさみたいなのが足りないような気が
したのである。ためしに翌日も食べてみたがやっぱり同じで期待はずれ
だった。

最近唐突に匂いがする昔食べたものを、実際に今食べてみたらどんな味が
するだろうか。たぶん記憶にある味は、もう味わえないのかもしれない。
幸福感とともに思い出となっている味は、現在ではただ一瞬かすかに匂い
がした、その時しかその片鱗を味わえないものになってしまったのかなと、
どうでいいような事をくどくど考えてみた日曜日である。

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