とりたてて何もない日々のらくがきノート

からだに関することや昭和の懐古、たまに俳句など

夜の自動販売機

2024-07-15 21:04:28 | 日記


私の父親は下戸ではなかったが、一切晩酌をしなかった人で、
家で一緒に酒を飲んだのは正月ぐらいしかなかったと思う。
高校1年の時、同級生の話を聞いていると、どうも晩ご飯の時に
親と飲んでいるみたいで、その上たまに親とおでん屋などにも
行っているようだった。

で、中学生になった頃、私は母屋の隣の、昔住んでいた小さな
家を改造した離れに部屋をもらったのだが、そこは出入り口が
母屋に面した側と、駐車場に面した側のふたつあったので、駐車場の
方のドアから出入りすれば、ほとんど親達に知られる事なく、部屋を
出入り出来るという喜ばしい状況になった。

家は駅前商店街の表通りの広い道を少し入ったところにあって、
狭い道とか路地が入り組んでいるような場所だった。

そうして2年になってすぐぐらいに、つまらない勉強に飽きてきた
夜10時ごろ、部屋をそっと抜け出し、心の中でヒヤヒヤ思いながら
路地をぬって、小さい時に通った駄菓子屋の向かいにある自動販売機
まで行き、ビールをガタンゴトンと買ってきて、部屋で飲むとこれが
むやみやたらとうまく、その後は自動販売機通いが習慣になって
しまった。
その時代は何かにつけ大らかであったので、年齢とかに関係なくお金を
入れれば自動販売機は、素直に誰にでもどんどんビールを売ってくれた
のである。

それで今から考えると不思議な事に、高校を卒業するまで、その
自動販売機の往復途中、ただの1回も誰にも全く会わなかったこと
である。
自分にとっては、ごく好都合ではあったが週に2回は通っていたのに、
本当に誰もいなかった。まあ田舎だから夜は人通りは少なくなるけれど、
それにしてもと思ってしまう。

ということで、高校の時から私もお酒の練習を自発的積極的にやった
わけだが、誰にもそれを見咎められる事がなかったのは、これは
たぶん、酒好きなご先祖さまが見守っていてくれたのかも、などと
とてつもなく自分勝手な考えに浸ってみた月曜日なのである。

蚊取線香

2024-07-13 19:18:39 | 日記

(↑JR予讃線上り急行電車 川がだいぶ増水しています)

今では全く見かけなくなったが、ほんの子供の頃、夏には蚊帳を
吊っていた。また網戸などない時代であるが、暑い夜は窓も開け
放していたと思う。

それで、小1の夏休みに入ったか、入らないかぐらいのある日の夜、
すでに布団を敷いて寝始めた時、母親が蚊取線香をと言ったら、
父親がきつい口調で、点けなくてもいい、点けるなと言い、母親は
いや点けると反駁し、それを数回繰り返したあと、突然母親は
憤然として起ち上がり、私を自転車の荷台に乗せて自分の実家へ
(歩くと45分ほど)帰って行った。今から思うとたぶん、何週間か、
もしかすると何ヶ月も前からすでにケ○カをしていたんだと思う。

母親の実家に着いた時の様子とかは全く記憶がない。子供なんだから
何がどうなっているのか理解出来るわけもなく、ただ戸惑っているしか
なかったんだろうと思う。

住んでいた家は田舎ながら駅前商店街のすぐ近くだったが、母親の
実家は少し田園地帯というか、あたりに店など見当たらない場所で
自然に囲まれていた。そして自分の家では、毎日銭湯に行っていたのに、
実家には五右衛門風呂があった。簀の子を底に敷いて入ったりけっこう
湯が熱かったりを面白がっていたと思う。

そして、なぜかうまいことに実家の隣の隣ぐらいに同じクラスの男の子が
いて、夏休みではあるし裏山とかすぐ目の前だしで、虫取りとかとにかく
何でもして遊び回って、それなりに楽しく過ごしてしまったのである。
そうしている内に、ある時その男の子が、
「もうずっと、こっちにおるんか?」
と聞いてきた。そんな事言われても私にはわかるわけもなく、
きまりの悪い苦笑いでお茶を濁すしかなかったような覚えがある。

そんな夏休みの終わりごろだったか、風呂から上がって家のすぐ外に
出て何気なく空を見上げたら、それまで見たこともない、無数の星々が
夜空全面に輝いていて、その荘厳さというのか美しさに圧倒され、
驚きつつしばらく我を忘れて眺めていた記憶がある。これぞ満天の星と
いうのだろうけど、今でもその景色ははっきりと思い出すことが出来る。

そんな日々の後、とうとう実家の祖母が、何かに触ったとか触らない
とか言って、私に当たり出した。些細なことにも何かにつけ怒鳴りつける
のである。今考えるとわかるし、それもしょうがないとも思う。つまり
祖母は心を鬼にして、母親に見せつけるように、わざわざ私を執拗に
叱り飛ばしていたのに違いない。

こうして、母親の実家での夏休みは終わりを告げたが、親達や実家の
祖父母には悪いけれども、私自身は、がらりと違う環境の中、夜空の
星々も堪能出来たし、素晴らしく楽しい夏休みを過ごすことが出来た
小1の夏であったと考えた土曜日の夜である。

涼しそうな俳句

2024-07-10 00:35:56 | 日記


あまりにも暑いので、せめて涼しそうな先人の俳句を
読んで、ひと休みすることにした。


白神のいのちの清水はらわたに 成田千空

滝落ちて自在の水となりにけり 小林康治

滴りを水の鎖と見てゐたり 上田日差子

充電のやうに泉に手を浸す 猪俣千代子

崩るると見せて噴水立ち上がる 成井 侃


雑踏やラムネの泡と空の色 永方裕子

一生の楽しきころのソーダ水 富安風生

冷し瓜ぶつかり合つて浮きにけり 小島 健

冷麦に氷山と浮く氷かな 島田青峰

七彩の冷やし中華やひとりの夜 加瀬美代子

胃にも感情が?

2024-07-08 22:31:34 | 日記


学生の時は、福岡市の安い下宿(四畳半、台所・トイレ共同)にいて、
いつもお金がなかったが(学生だから当然といえば当然)、特に1年生の
間は、一人暮らしも初めてだし、手持ちのお金を要領よく使うすべも
まだわかってなかったので、2、3日満足なものを食べる事が出来ない
なんていう状況になるのも、そう度々ではないが珍しいことではなかった。

そんな具合だから、朝1時限目のあとすぐ学食に行き、午後の講義が
すべて終わってから、また学食に行くなんてこともやっていた。

私が育った土地は愛媛でも香川県にほど近いところだったので、うどんは
たいていコシの強い硬めの麺に慣れていたけれど、福岡のうどんは太めで
柔らかく、それに薄味のつゆがよく合っていて、ごぼう天とか丸天うどん
など美味しく食べたものだ。

それでいつの季節だったかは忘れてしまったが、そんな腹ぺこが3日ほど
続いたあと、やっとお金が入ったので急いで下宿の近くのスーパーへ
行き、中にある小さなカウンターだけの軽食堂でうどんを注文した。

で、うどんをふた口くらい食べたとき、なぜか両方の目尻から涙が
次々に流れてきたので、自分でもとても戸惑ってしまった。
いくら腹ぺこだったとは言え、悲しいとかつらいとかの感情はなかった
と思うし、幼児でもあるまいにこんな事で涙が出てくるとは思わなかった。
他の席にもお客さんがいたので恥ずかしかったが、しょうがない。

とにかく全部食べてそそくさとスーパーを出たけれど、身体というか
胃が久々にまともな食べ物が入ってきたので、とても喜んで、嬉し涙を
流させたのだろうか。何だか情けない話だが、自分の心で感じて認識
している感情以外に、身体や胃自体にもそうした感情が備わっている
のかと考えるしかない出来事ではあった。

まあ、ひとつ前の記事内容からしてみると、欠食気味だった学生の
時は、結果としてけっこう健康的ではあったのだと、考え直してみた
月曜日の夜である。

半日断食で医者いらず

2024-07-06 21:14:36 | 日記


今日は、毎日の生活でとても大事な食について。
ワンコやネコちゃん達は具合が悪いと、決してものを食べずに
じっとしているのは、誰でも周知のことと思う。
彼らは、体を回復させるためには空腹が必須であるのを本能的に
知っているのだそうである。

私は身体の不調が何年も続いたあげくに、あれこれ自分で調べた結果、
2016年3月から、朝食抜きで間食禁止、肉類は出来るだけ避けて野菜を
多く摂り、腹七分という「半日断食」を始めた。

これは今でも続けていて、もう1日に3食も食べる事は出来ない体質に
変わってしまったようだ。始めてから1年もしないうちに77kgあった
体重は59kgまで落ち、病院の薬も必要なくなってしまった。

朝起きても、頭がスッキリ感じるようになったし、眠りも深くなった。
トイレの方も今は毎日出るし、1日に2回の時もある。始めてから3年
くらいまでは、ときたまびっくりするぐらい柔らかめのが大量に出た
ものだ。これは腸内がデトックスされているかららしい。

空腹の時間が長く続くと、体内の「自然治癒力」が急速に高まるの
だそうで、費用も時間もかける事なく「半日断食」で健康体に戻れた
のは、後で紹介する本のタイトルにもあるように、奇跡と言っても
過言ではないと思う。

それから、私が「半日断食」を始めて1ヶ月後ぐらいに、母親が右肩の
関節炎でひどく苦しむようになり、高松市の総合病院に行ったところ、
即、人工関節の手術を、と言われたが高齢でもあるし、そんなことを
しても後々どうなるものかわからないと思って、この「半日断食」を
勧めてやってもらったところ、1週間で痛みは6割方になり、3週間で
ほぼ痛みが消えてしまったのには、勧めた私の方が驚いてしまった。

今では少し食べ過ぎたりすると、肩が痛むようだが、それも人工関節
をと言われた頃に比べれば、たいした事はないそうである。母親も
それ以来「半日断食」を続けている。

(私が苦しんだあげくに、主に参考にしたのは次の2冊の本です。
こんなブログを読んで下さる方に、すこしでも何かのお役に立つ
ことがもしもあるなら、嬉しいかぎりです)

「奇跡が起こる半日断食」甲田光雄著 マキノ出版
「3日食べなきゃ、7割治る!」船瀬俊介著 三五館